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金山杉と金山の街並み

いま、山形から・・・ 山形日和。 古きを大切に、ぬくもりを受け継ぐ 金山杉と金山の街並み(金山町)

 江戸時代から植林が行われ、国内最大級の杉の美林びりんが広がる山々。宿場町として栄え、現在でも当時の風情を残す街並み。山形県の北東部に位置する最上郡金山町では、長い年月をかけて育まれた美しく懐かしい景観が訪れた人を迎えてくれます。

 

樹齢300年 町を見守り、支えてきた金山杉
大美輪の大杉は、金山町役場から車で5分程の場所にあります。
杉林の中は歩きやすいように木材チップが敷かれています。

 全国にその名を知られる金山杉。江戸時代に一帯を治めていた戸沢氏が、藩の財政を支えるために杉の植林を始めたのがきっかけと言われています。すでに宝暦年間(1751年~1763年)には、山奉行(山林に関する政務を行う役人)を中心とした山林経営が形成されていたという記録もあり、特に大美輪おみのわ地区の大杉群はその多くが樹齢300年近くで、大きいものでは樹高60メートルほどにもなります。圧巻の杉林に一歩足を踏み入れると、ひんやりとした空気が夏の暑さを和らげてくれます。

 建築で使用される杉は、通常植林後40~50年ほどで伐採されるものが多いのですが、「金山杉」は、樹齢80年以上の大径木となってから伐採します。冬が長く、雪深い気候の中でゆっくりと成長するため、年輪が細かく均一で強度があり、建築用材としてとても優れているそうです。

金山川をまたぐ、きごころ橋(金山大橋)

 この金山杉を使った一風変わった建造物が、平成16年に造られた「きごころ橋」(金山大橋)。幅3メートル、長さ58メートルの屋根付きの歩道橋で、周囲の自然と街並みに調和した造りになっています。橋の中ほどにはベンチが据えられ、金山杉のぬくもりと、川面を渡る風を感じながら周囲を眺望することができます。金山町の伝統建築を支える職人の技が光る、観光客にも人気のスポットです。

 

美しい街並み景観と「金山住宅」

 江戸時代に羽州街道の宿場町として栄えた金山町。今も、古い建物や蔵が残り、当時の面影を感じることができます。街を散策しているとよく見られるのが、白壁にこげ茶色や黒色の切妻屋根、そして金山杉の下見板張りが特徴の「金山住宅」です。

金山町役場周辺の街並み。

 金山町では、昭和58(1983)年から、100年をかけて自然(風景)と調和した美しい街並みをつくり、あわせて林業等の地場産業の振興や人と自然の共生を図るという「街並み(景観)づくり100年運動」を推進しています。その実現に向けて昭和60(1985)年には「金山町街並み景観条例」を制定し、金山住宅の普及と保存をはじめとして住民・建築関係者・行政が連携して元郵便局を改修復元した「交流サロンぽすと」や、米蔵を文化活動の拠点へと改修した「蔵史館(くらしかん)」の整備など、住民生活と景観づくりが一体となった町づくりを進めています。こうした町をあげての取り組みにより形成された街並みは、平成22(2010)年には、国土交通省と「都市景観の日」実行委員会が主催する都市景観大賞において、「美しいまちなみ大賞」を受賞するなど、数々の表彰を受けています。

 

街の中心部は水のせせらぎとともに

遊歩道も整備された大堰。
夜にはライトアップも。

 金山町役場から金山小学校の方へ歩いていくと、涼しげな水の音が聞こえてきます。街の中心部を流れる金山町のシンボル「大堰」です。開削されたのは、戦国時代にまでさかのぼると言われています。現在の水路は昭和52(1977)年から7年かけて造られました。当時は「美しい景観」よりも「効率」を優先する時代で、当初はコンクリートの水路にする計画もありましたが、家並みに調和し次代につなぐ財産になるようにと、現在の石積み水路になりました。大堰の脇には遊歩道や公園が整備され、水路の周辺に咲き誇る桜や春から秋にかけて放流される鯉を見たり、夏の涼を求めたりする町民の憩いの場所として愛されています。観光のためだけではなく、町民の生活に根付いた景観は、子どもたちの遊ぶ声と相まって、訪れる人にどこか懐かしさを感じさせてくれます。

町の中心部にオープンした「マルコの蔵」

 また、昨年(平成25年)オープンした街角交流施設「マルコの蔵」は、町に寄贈された旧家の蔵を活用した施設で、休憩スペースや金山町にまつわる展示ギャラリー、軽食やお茶をいただける喫茶スペースがあり人気を集めています。街の散策の途中、大堰やマルコの蔵でひと休みしてみてはいかがでしょうか。

 

明治時代のおもてなしに思いをはせて

金山小学校近くの大堰公園にイザベラ・バード来訪100年を記念して建てられた石碑。

 明治初期に金山町を訪れ、「ロマンチックな雰囲気の場所」と評したのが、イギリス人女性旅行家のイザベラ・バードです。金山小学校脇に店を構える「お休み処 一福や」では、彼女にちなんだ「イザベラ・バード御膳」を提供。金山産のブランド豚「米のぶた」を使った味噌汁や、板状にのばしたゴボウをかば焼き風の味付けで揚げた金山町の名産「ゴボウのタタキ」をはじめ、四季折々の地元食材を使った料理をいただくことができます。

「イザベラ・バード御膳」は、要事前予約で価格は1,500円から。

 「ドイツ旅行をした際に、古いものを大切にする現地の方の心根に触れて感銘を受けました」と店主の矢口さん。使用している食器やお膳は自宅やご近所の家庭で使われずに眠っていた来客用のものを利用するなど、メニューや食材も含め、安易に新しいものを増やすのではなく、これまでに受け継がれてきたものでおもてなしをしようと心がけているそうです。

 80年以上かけて育てられる金山杉や、明治初期からの景観を今に残す街並み。金山町のおもてなしの心は、古きを受け継ぎ街とともに育てていくことにあるのかもしれません。

 

取材協力

金山町産業課 Tel.0233-52-2111(代)
お休み処 一福や Tel.0233-52-2420

 


 

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