ホーム > 組織で探す > 総務部 > 広報推進課 > メールマガジン「いま、山形から・・・」 > 特集企画 > 温泉王国やまがた > あつみ温泉

あつみ温泉



いま、山形から・・・ 温泉王国やまがた のんびりそぞろ歩きを楽しむ あつみ温泉

 雪国山形にようやく春の訪れを感じられる4月中旬頃、山形県内各地にも桜の便りが届くようになります。数ある桜の名所の中でも、庄内地方にある「あつみ温泉」中央に流れる温海川の川沿いの桜並木は、見事に咲き誇ります。春うらら、桜に誘われて、温泉街をのんびりとそぞろ歩きで楽しんでみましょう。

あつみ温泉の歴史
あつみ観光協会温泉支部長 若松邦彦さん(左)と副支部長 齋藤武大さん。

 開湯1000年以上の歴史があるといわれるあつみ温泉。由来は、「弘法大師が宿泊したときに杖を打ち立てたところ温泉が湧き出した」「鶴が温泉で傷を癒しているところを木こりが見つけた」等、諸説ありますが、「地殻変動による地震でお湯が湧き出て、溢れたお湯が海に流れ込み、海が温かくなったことからあつみ(温海)温泉という名前になったという説が、一番現実味があるのでは」と、あつみ観光協会温泉支部長の若松邦彦さんと副支部長の齋藤武大(たけひろ)さんが語ってくれました。

 江戸時代、ここ鶴岡市温海のある庄内地方は、元和8年(1622年)から庄内藩酒井氏が治めていました。江戸幕府により転封される大名が多い中にあって、明治維新まで一度も転封されることなく酒井氏が一貫して統治しました。また、庄内藩は、地元鶴岡市出身の直木賞作家 藤沢周平氏の時代小説に登場する海坂藩(うなさかはん)のモデルになったといわれています。

 約350年前、酒井のお殿様が温海に湯治に来られたことで、まず、庄内藩の湯役所(ゆやくしょ)が作られました。それから次第に人が集るようになり、宿屋ができていったそうで、湯治客が増えるに従い、宿屋は40軒から50軒ほどまで増えたといいます。

 

あつみ温泉名物 朝市
あつみ温泉朝市。旅館から気軽に浴衣姿で買い物。「あば」との会話も楽しい。

 あつみ温泉といえば、「あば」と呼ばれる地元のお母さんたちとの会話を楽しめる朝市が魅力です。歴史は古く、約260年ほど前、湯治客が増え、物々交換のようなものが行われるようになって、朝市ができていったのではないかといわれています。「あば」とは、方言で売り子さんのことをいい、おばあさんのことも「あば」と呼ぶそうです。また、若いお嫁さんのことは、「おば」といいますが、「最近は高齢化して、本当に「おば」が少なくて。お店も減ってきているし、後継者が課題です」と若松さん。

温海のシンボル、あつみかぶの漬物。鮮やかなピンク色で甘酸っぱく歯ごたえが人気。
笹巻き。黄色いのが特徴で、わざわざ笹巻きを買うために朝市に来る人もいる。

 朝市は、温海名産、赤かぶの漬物などの農産品から水産加工品、特産のしな織りなど様々なものが並びます。また、温海地域は、庄内の中でも雪の少ない地域で、同じ庄内の他の地域よりも山菜が2、3週間早く採れるそうです。4月は、美味しい山菜をいち早く入手することができます。朝市は、4月1日から11月30日の朝5時半から8時半までです。朝食前のひととき、浴衣で気軽に朝市へ。気分はいつまでも「おば」のままのお母さんたちと掛け合いながら、お目当てのものを見つけてください。

与謝野晶子歌碑

 歌人の与謝野晶子は、夫である与謝野鉄幹が亡くなった3ケ月後の昭和10年6月末から7月にかけてあつみ温泉を訪れています。その一首に「さみだれの出羽の谷間の朝市に傘して売るはおほむね女」と詠んでいます。傷心の晶子を「あつみの湯」と「あば」の温かい心が癒してくれたのかもしれません。萬国屋の側にある歌碑に、この歌が刻まれています。

 

あつみ温泉の特徴、足湯
共同浴場、正面湯
共同浴場 下の湯

 あつみ温泉には、現在9軒の宿泊施設と、それぞれ3ケ所の共同浴場と足湯があります。湯量豊富な源泉温度68度の熱いお湯で、皮膚病、神経痛、リウマチ、婦人病などに効能があります。特に共同浴場は、熱い湯が好きな人向けです。また、2ケ所の飲泉所があり、胆石、胃腸弛緩症、尿結石などに効能があります。地元では、未だに自宅のお風呂ではなく、共同浴場に入る人がたくさんいるそうで、日々の生活の一部となっています。場所によって違いますが、朝6時から夜11時まで、協力金200円で入浴できます。

足湯 もっけ湯。四季折々に温海川からの景色を楽しみながら、のんびり。桜の時期は最高。
足湯カフェ チット・モッシェと足湯 もっしぇ湯。足湯に入りながらコーヒーやスイーツを。

 これからの季節、温泉街の散策の合間に、気軽に楽しめるのが足湯です。3ケ所の足湯には、それぞれユニークな名前がついています。まずは、葉月橋通りの真ん中にある「あんべ湯」。通りを意味するアベニュー(Avenue)と塩梅(あんばい)(調子を意味する)がなまった「あんべ」を掛けて名付けられました。つぎに、温海川沿いの「もっけ湯」。「もっけ」とは庄内地方の方言で感謝の意を表すときなどに使います。そして、ちょっとおもしろいを庄内弁で「ちっとおもしゃい」というのをフランス語風にした、足湯カフェ「チット・モッシェ」にある「もっしぇ湯」は、カフェメニューをいただきながら入れます。足湯は、季節の外気温により多少変わりますが熱めのお湯になっています。特にお湯の出口は熱いので、苦手な人はちょっと離れたところから入ってください。

温海川沿いの桜並木
湯之里橋と葉月橋通りの足湯のところに2ヶ所ある飲泉所。
ライトアップされた夜桜。例年4/20頃からGW明けまでライトアップされる。

 両岸から川面に覆いかぶさるように咲く桜。温海川の桜並木は、昭和26年(1951年)の温泉街の大火の後から、温泉街の復興を祈念して3年に渡って植樹されました。およそ60年経過した現在、見事な桜並木となって、人々を楽しませてくれています。あつみ温泉の桜並木は、「東北・夢の桜街道~復興への祈りを捧げる桜の札所・八十八カ所巡り」(※注)に選ばれています。人々のさまざまな想い、願いを受け、一心不乱に咲き誇る桜は、見る人の心を魅了し癒してくれます。散りぎわの桜吹雪は圧巻だといいます。また、夜はライトアップされ、昼とは違った幻想的な美しさを見せてくれます。

温海 さくらマラソン大会。満開の桜の下を走る。ランナーも見物客も楽しみなイベント。

 今年(平成26年)で29回目となる「温海 さくらマラソン大会」が、4月20日(日)に開催されます。毎年、桜が満開になるころの日曜日に開催され、2キロ(つぼみ)、5キロ(さくら)、10キロ(あかかぶ)、30キロ(ジャイアント)の各コースを1600名のランナーが桜の花びら舞う街中を走ります。

 走りぬけるランナー、観戦するお客さん、中には足湯に浸かりながらのんびり見学する人もいるなど、温泉街挙げて盛り上がるイベントとなっています。

※注 日本で最も愛されている美しい“桜”を東北復興のシンボルに掲げ、東北6県の桜の名所を『東北・夢の桜街道~桜の札所・八十八ヵ所』として選定し、多くの方に東北に足を運んでいただく観光振興による地域づくり運動として東北・夢の桜街道推進協議会で提唱しているもの。

お殿様の朝ごはん

 温泉王国の山形県では、県内の各温泉地が地域の特色ある食材を使って朝ごはんを提供する「やまがた朝ごはんプロジェクト」を進行中です。

 酒井のお殿様とのゆかりの深いあつみ温泉では、「やまがた朝ごはんプロジェクト」と合わせて、あつみ観光協会独自の取組みとして「お殿様の朝ごはん」を企画中です。

 江戸時代、酒井のお殿様が湯治に訪れた時に食べていたであろうという朝ごはんを、旧庄内藩酒井家18代目当主の酒井忠久さんに監修していただき、お客様に提供しようと、現在、企画を検討しているのだそうです。酒井忠久さんは、現在、鶴岡市にある致道博物館(庄内藩主酒井氏の御用屋敷だったものを歴史博物館として公開)の館主をされています。旧藩主の子孫である酒井家は、明治維新後もお城の敷地内に住み、地元鶴岡では代々慕われ続けており、「殿はん」と呼ばれているそうです。

あつみ温泉ばら園。6月から10月にかけて約90種、3,000本のばらが咲く。

 あつみ温泉では、春の桜の季節以外にも、夏の海水浴シーズン、秋の紅葉の時期、冬の寒鱈の美味しい時期など、四季折々の景色と食事が楽しめます。見どころとしても、あつみ温泉ばら園など、魅力が尽きません。

 温泉街には、観光客がのんびり歩けるように散策路が整備されています。桜を眺めつつ、あちこちに寄り道しながら、春のうららかなひと時をお楽しみください。

 

取材協力・お問合せ

あつみ観光協会 tel.0235-43-3547
共同浴場
 正面湯午前6時~午後11時(清掃時間 午前9時30分~午前12時)
 下の湯午前6時~午後11時 (清掃時間 午前9時30分~午前12時)
 里の湯午後2時から午後10時
 協力金200円

 


 

この記事に対するお問い合わせ

このページの先頭へ

ナビゲーション

関連情報