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山形の民謡

いま、山形から・・・ めんこいやまがた ここにあり! 変わらぬ思いを歌い継ぐ 山形の民謡を訪ねて
(平成29年11月17日掲載)

 高くゆたかに伸びる声。懐かしい方言の響き。緩急自在の歌い方。山形には郷土色あふれる民謡が数多く残されています。今回は、世代を超えて歌い継がれてきた山形の民謡をご紹介し、それを育んだ風土や歴史を訪ねる旅へ誘います。

人々の生活感情を表す民謡

 山形にはたくさんの民謡がありますが、誰がつくったものなのでしょう。日本民謡研究「桃菊会」会長の髙橋兼一さんに伺いました。

 「民謡が形作られたのは昭和初期。それ以前は日常生活の中から自然に生まれた、ことばと節のみの『唄』がそれぞれの地域にあったようです。譜面があるわけでなく、歌っているのを聞いて覚えるという『口伝くでん 』だったから正確には伝わらない。ラジオくらいしかなかったから、民謡は娯楽的な要素が強かったんだろうね。それぞれの土地で歌われてきたものが、人や物といっしょに伝えられるようになり、北前船などを通じて全国の『唄』が伝えられて県内で歌われるようになったものもあります。『唄』だけだった 素唄すうたに尺八や三味線の演奏がつき、譜面ができ、レコードなどがつくられ、民謡として知られるようになりました」と教えてくれました。

平成26年の全国植樹祭での髙橋兼一さん。

そろたァ そろたよ 笠踊りそろた
秋の出穂より まだそろた
(ハア ヤッショ マカショ シャンシャン)
 ※花笠音頭より

 多くの人が知っている『花笠音頭』の元唄は、江戸中期に山形市成沢地区で水田用の沼工事の際に地固めしながら唄った土搗き唄だったそうです。尾花沢の徳良湖造成の作業時にこの成沢の土搗き唄が伝わり、その後、村山地方の民謡家たちにより節回しが編曲されたものが現在の『花笠音頭』になりました。

山形市の花笠まつり

 髙橋さんの師匠・山形市の加藤桃菊とうぎくさんは、後世に伝承しようと、県内各地に伝わる『唄』を訪ね歩きました。『紅花摘唄』は山形市内や中山町、寒河江市の労働者たちから聞いた節回しを編曲したもので、昭和6年には加藤さんの歌声によってラジオで全国放送されました。こうして紅花の産地・山形に紅花の労働歌である『紅花摘唄』ができたのです。

 加藤さんは「先輩たちが創造し、育て、歌い継いできた民謡は民衆の心の財産であり、今後も大切にして次の世代の人々の心の糧、安らぎの糧として守っていきたい」と書き遺しています(1992年8月発行「山形の民謡」より)。『紅花摘唄』は、毎年全国大会が山形市内で開催され、様々な世代に歌い継がれています。

4人が好きな民謡。民謡の魅力。

 幼い頃から民謡に親しみ歌手になった3人と、民謡に導かれて船頭になったひとりの女性。民謡に魅了され自分の生業を決めた4人の女性たちの、それぞれの心に残る山形の民謡についてお聞きしました。

 山形市出身のシンガーソングライター・朝倉さやさんは、家族が民謡好きだったことから、いつの間にか民謡を歌いはじめたのだそうです。「幼稚園で砂遊びをしながら『最上川舟唄』を歌っていたそうで、あの頃から独特の節回しが好きだったのかも。今でもライブで歌わせていただくのですが、一曲の中にいろんな表情があって本当に素晴らしい山形民謡のひとつだと思います。『真室川音頭』は山形県内はもちろん、県外で歌っても会場の空気が一気に明るくなり、客席から歌声が聞こえてきます。昔から広く親しまれてきた民謡なんだと実感すると同時に、自分の故郷の歌を日本中の人と歌える、楽しめるのがうれしいなと感じます」と笑顔で話してくれました。

朝倉さやさん

私しゃ真室川の 梅の花 コーオリャ
あなたまた このまちの鶯よ
花の咲くのを 待ちかねて コーオリャ
蕾のうちから 通って来る
※真室川音頭

 「昔の人が農作業をしたり、一緒に作業するときに曲ができています。その昔の歌を今こうやって歌っていることがすばらしいなって思います。民謡はその土地の風景や特徴、そして人の想いです。初めて会った人と手拍子をしたり、一緒に歌ったりすることで笑顔になります。民謡は昔と今とを、そして人と人とをつないでいると思います」と力強く語ってくれました。

全国大会が開かれている真室川音頭

 山形市出身の歌手・工藤あやのさんは、テレビやラジオから『花笠音頭』が流れてくると、夏だなぁと感じるそうです。好きな民謡は『出羽人形ばやし』と答えてくれました。「キーが高くて出だしが難しく息が続かない難曲。一度聞いて、度肝を抜かれ、練習するようになった」のだとか。民謡は一曲を自分と向き合いながら長い年月をかけて仕上げていきます。デビューするきっかけとなったオーディションで「何か民謡を一曲歌ってください」といわれ、迷わず歌ったのもこの曲だったそうで、「私の土台は民謡が培ってくれたと思っています」と付け加えてくれました。

工藤あやのさん

 さらに「民謡にもポップなものやしっとりしたものなど、様々あります。私は尺八と三味線の音色に惹かれ民謡が好きになりました。響き渡る歌い手さんの声量。伴奏者やお囃子とが織りなす世界。圧巻です」とのこと。同じ曲でも歌い手や伴奏者、お囃子とのハーモニーで全く違う曲を聴いているかのような楽しみがあるそうです。「方言で歌われる部分に故郷への愛を感じます。先輩たちの歌には人生経験が織りなす、なんともいえない奥深さやドラマを感じます」と民謡の魅力を教えてくれました

 好きな民謡として『新庄節』と『紅花摘唄』をあげてくれたのは鶴岡市出身の演歌歌手・羽山みずきさん。高校一年生のときに出演したカラオケ大会で『新庄節』に興味を持ち、練習するようになったそうです。さらに「『紅花摘唄』を歌うとおばあちゃんがいつも掛け声をかけてくれたのがうれしかった。民謡は普段の生活の中で、自然に生まれたメロディーと歌詞が魅力かなと思います。いろんな方と歌い合っていると、お互いに『この歌詞は初めて聴くね』なんてことが結構あるんです。一人が歌うと、みんなが口ずさむ感じもまた良いなと思います」と楽しそうに話してくれました。

羽山みずきさん

千歳山からナ 紅花の種まいたヨ
(ハシャン シャン)
それで山形 花だらけ
(ツマシャレ ツマシャレ)
※紅花摘唄

 歌手の3人とはちょっと違う理由で職業に就いたのは、最上峡芭蕉ライン観光の船頭・星川遼子さん。大学時代の卒業研究で『最上川舟唄』を深く知るようになったそうです。

最上峡芭蕉ライン観光の船頭星川遼子さんと同僚の三瓶 勇さんぺい ゆうさん。

(ヨーエ サノ マッガショ エンヤ コラマーガセ エエヤ エーエヤ エーエ エーエンヤ エード ヨーエ サノ マッガショ エンヤーコラマーカセ)
酒田さくさげ 達者まめでろちゃ
(ヨイとコラサノセー)
流行風邪はやりかぜなどひかねよに
(エエヤ エーエヤ エーエ エーエヤ エード ヨーエ サノ マッガショ エンヤコラマーカセー)
※最上川舟唄より 編詩:渡辺国俊 編曲:後藤岩太郎

 最上川舟運の時代は荷物を積んで酒田へ行くと、帰りは帆掛け船にして風を待ちながら30~40日かかって戻ってきていました。だから歌詞は「戻ってくるまで元気でいてくれ」と家族へ語りかけているのです。「初めて聞いて、素朴な船頭さんの姿と雄大な自然、母なる最上川の風景が目に浮かびました。この歌を舟で歌いたいと思いガイドになったんです」と星川さん。

 さらに「迫力があってこぶしの技術がすごくて、歌うととても難しい。けれど地元のなまり、土くささ、歌い継がれてきたつながりを感じたとき、心の底から深い郷土への愛と、自分を育ててくれた人たちに感謝の気持ちが沸いてきます」と熱く話してくれました。

 最上川舟唄は英語、韓国語、中国語バーションがあり、星川さんの提案でフランス語バージョンも作られ、今では定番となっているそうです。

冬の最上川とこたつ舟

 山形の民謡が生まれた背景にはゆたかな自然とあたたかな人々がいます。テレビやラジオなどで朝倉さやさん、工藤あやのさん、羽山みずきさん、星川遼子さんの歌声を耳にしたら山形を思い出してください。

 『真室川音頭』に歌われる梅の花が咲き誇る早春。『紅花摘唄』に歌われる紅花が一面に広がる壮観な風景が楽しめるのは夏・7月初旬。そして『花笠音頭』が賑やかに響きわたる「花笠まつり」は8月5日から7日まで開催されます。紅葉の大パノラマにつつまれる秋の最上川や、雪景色をまとった幻想的な冬の雪景色の川を船頭さんの『最上川舟唄』を聴きながらゆられてみる。感動すること、請け合いです。四季をとおして楽しめる山形県にどうぞいらしてください。


 

イベント情報

朝倉さやディナーショー/12月6日(水)山形県酒田市ガーデンパレスみずほ
羽山みずき新春チャリティー歌謡ショー/2018年1月7日(日)新庄市民文化会館
工藤あやのソロコンサート/2018年1月14日(日)山形テルサアプローズ


 

取材協力・お問い合わせ

日本民謡研究「桃菊会」
朝倉さや http://asakurasaya.com/
工藤あやの http://www.arder-jiro.co.jp/ayano/
羽山みずき https://ameblo.jp/hayama-mizuki/
真室川町 TEL 0233-62-2111 http://www.yume-net.org/
最上峡芭蕉ライン観光 TEL 0233-72-2001 http://www.blf.co.jp/

 


 


 


 

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