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ラーメン大好き!山形県民

(平成30年3月2日掲載)
 

山形県は、各地でバラエティに富んだおいしいラーメンが味わえる、ラーメン王国です!山形県民がどれほどラーメン大好きなのかは、以前の記事に掲載したとおりです。さらに県内には、「そば店や食堂がこだわりのラーメンを提供する」「お客さんが来たらラーメンの出前を取っておもてなしする」という文化まで存在します。山形県民はどうしてこんなにラーメン好きなのか?その秘密と、山形のラーメンの魅力に迫ります!

離れて初めて気付いた、そのレベルの高さ

「山形のラーメンって、もしかしてかなりおいしい?」
 私がそう思ったのは、初めて県外に出て暮らした学生時代。山形っ子の例に漏れずラーメン大好きな私は、人気のラーメン店を巡りました。ところが、好物のラーメンを食べているはずなのになんとなく満たされず、ふるさとのラーメンが恋しくなるばかりでした。「ああ、山形のラーメンが食べたい!」
 そう思っていた頃、いつも一緒にラーメンを食べていた友人たちと山形を旅行することになりました。さっそく地元のそば店に連れて行って、「ここはそばもおいしいけど、私のおすすめはラーメン!」と言うと、友人たちはびっくり。「そば店なのにラーメンがあるの?」と不思議な顔をしました。

友人たちと訪れた「手打ちそば港屋」(山形市)。トップ画像はその中華そば

そう、山形にはラーメンを提供するそば店がたくさんあるんです。メニュー名は「中華そば」となっていることも多いです。でも、決してそばのついでにラーメンを作っているわけでも、そばをおろそかにしているわけでもありません。ラーメンとそばのどちらも麺や素材にこだわり、毎日スープとだしをとって、それぞれを最高の味で提供しているお店ばかりです。

私たちが注文したのは、ネギとメンマ、なると、海苔がのった、醤油仕立ての昔ながらの山形ラーメン。縮れ麺をすするとモチモチした食感で、牛骨などの動物系と魚介系が絶妙に混じり合った、あまいスープの味わいが口の中に広がります。飾らない味、でも丁寧に作りこまれている味です。「おいしいね」「なんか、ほっとする」と、みんな自然に笑みがこぼれました。最後まで誰も箸が止まらず、食べ終わってから、「また山形にラーメンを食べに来たいな」と話しました。地元のおいしいもので友人を笑顔にできたことで、とても満たされた気持ちになると同時に、改めて山形ラーメンのレベルの高いおいしさと、その魅力に気付かされた瞬間でした。

なぜ、そば店にラーメンが?

おいしいラーメンを出しているそば店は、主にそば処である県内の内陸地方(村山・置賜・最上地方)でよく見られます。では、ラーメンとそばが、どうして同じお店で食べられるようになったのでしょうか。山形県麺類飲食生活衛生同業組合の理事長であり、1860年創業の老舗「水車生そば」の店主である矢萩長兵衛さんに話を伺いました。

山形県麺類飲食生活衛生同業組合
理事長の矢萩長兵衛さん

「そもそも、山形にラーメンがもたらされたきっかけは、1923年の関東大震災。横浜中華街で料理屋を営んでいた中国人が被災して全国各地に移り住み、そこでラーメンを出すようになったそうです。県内では、最初に酒田や米沢に移り住み、そこから広まったようです」と、矢萩さんは教えてくれました。そうして山形に入ってきたラーメンを、そば店がメニューに取り入れたのはどうしてなのでしょうか。矢萩さんは、「昔は、そばを家庭で打って食べることが多かったんです。うちの店も元々はそば粉を挽いて家庭に売っていました。お客さんにとって、そばは日頃から打って食べていても、ラーメンの麺やスープを家庭では作れませんから、ラーメンは外食の時のごちそうとしてとても人気が出ました。一方、冷蔵庫のない時代は、そばをおいしく食べられる時期は11月から3月までに限られ、打ったらその日に食べないと味が落ちてしまいました。ラーメンの麺は小麦から作られるので年間を通して食べられるうえに、寝かせて熟成することができ、日持ちがします。こうしたことから、ラーメンを出す店がたくさん現れました。その後、保存技術の発達に伴って年間を通しておいしいそばが食べられるようになったことで、ラーメンとそばが同じ店で出されることが多くなったようです」と矢萩さんは教えてくれました。外食として人気が出たのはそばよりラーメンのほうが先だとは、驚きです。はっきりしたことは分かりませんが、家庭でおいしいそばを作り、家族で食べたり大切な方にふるまったりする文化があり、外食でしか味わえないラーメンは特別なごちそうとして人気があったことから、山形ではラーメンとそばが自然に結びついて受け入れられ、県下に広まったのかもしれません。

みんなちがって、みんなおいしい

そば店で出されるラーメンは店によって異なりますが、一般的に動物系と魚介系を合わせたスープに縮れ麺の「昔ながらの中華そば」が多いです。一方、県内には様々なラーメンがあり、各地域で昔から愛されるご当地ラーメンのお店や、流行の味を取り入れた新店、唯一無二の味を探求する人気店などがひしめき合っています。

「ラーメンを観光に生かし、地域全体をラーメンで盛り上げたい」と語る
「南陽市役所ラーメン課R&Rプロジェクト」の鈴木聡ラーメン課長

「山形県内のラーメン店はみんなレベルが高く、店主がこだわりを持っています。お客さんの味の好みはあっても、まずいお店ってありませんね」と言うのは、南陽市役所に誕生した全国初の「ラーメン課」の課長、鈴木聡さん。平成28年7月に発足した「南陽市役所ラーメン課R&Rプロジェクト」は、市役所の若手職員や公募した外部の有志をメンバーとして、自慢の地元のラーメンを全国に発信するものです。「R&R(Ramen&Revolution)」はラーメン革命を意味し、既成概念を超えたまちづくりへの思いが込められています。鈴木さんは「ラーメン課」発足のきっかけについてこう語ります。「地域のラーメンの魅力に気付いたのは若者たちです。市内すべての中学生と高校生を対象にしたアンケートで、『市外の方に伝えたい南陽市の魅力』を尋ねたところ、市が誇るブドウや「ラ・フランス」などの果物と並んで、ラーメンをあげる声がとても多かったのです。また、市の若手職員や市民の皆さんが将来のまちづくりについて検討する『みらい戦略チーム』でも、南陽市の強みとしてラーメンが挙がりました。長く住み続けている私たちにとってラーメンは当たり前の存在でしたが、その魅力に改めて気付かされました」。

「龍上海」(南陽市)の
からみそラーメン

南陽市のラーメンといえば、辛味噌ラーメン発祥の店と言われる「龍上海」が有名です。県内外からたくさんの人がその味を求めて訪れ、毎日、お昼時になると店の前には長蛇の列が続きます。鶏ガラを中心とした動物系と魚介系の濃厚な味わいのスープの中には、モチモチとした太めの手打ち麺。そこに唐辛子やにんにくの入った辛味噌をだんだん溶かして辛みを足していくと、味の変化が楽しめます。では、この辛味噌ラーメンが「南陽市のラーメン」なのでしょうか。「確かに人気店の筆頭は『龍上海』ですね。しかし、南陽市のラーメンは百花繚乱。創業以来半世紀以上の老舗から新店まで、スープ、麺、味付けも多種多様の中、どの店も高水準でしのぎを削っています」と鈴木さんは言います。一般的にご当地ラーメンというと、特徴が画一化されるものですが、「南陽市のラーメン」はひとくくりにできるものではないようです。

南陽市内の34店舗を掲載した
ラーメンマップ

山形県全域を見ても同じなんです。「山形県のラーメン」とくくれるものではありません。以前の記事で触れたとおり、県内各地には多様な「ご当地ラーメン」や熱い夏においしい「冷やしラーメン」が存在するほか、そば文化と融合したことによる「天かす」やイカ足の天ぷら「ゲソ天」のトッピングといった食べ方もあります。こうしたラーメンの種類の広がりを見ても、県内でいかにラーメンが愛され続けてきたかが分かります。

 
米沢ラーメン(米沢市)
酒田ラーメン(酒田市)
とりもつラーメン(最上地域)
 
出前のラーメンは最高のおもてなし

「ちょっとしたごちそう」として県内各地に定着しているラーメン。お店の味を家でも楽しめたらいいのに、という要望に応えて、近所のラーメン店やそば店からの出前も一般的です。
 「昔から、家にお客さんや親戚が来ると、ラーメンの出前を注文するんです。お客さんと家族みんなで何か食べながらわいわい盛り上がりたい、そんな時に好まれるのがラーメンです」と語る鈴木さん。「子どもの頃は、お客さんが来ると『ラーメンが食べられる!』と喜びました。そのくらい、ラーメンはおいしくて身近なものです。南陽市民のソウルフードの一つですね」と微笑みます。南陽市以外でも、県内内陸部では同様の文化なんです。私自身も幼い頃から、家のテーブルを囲んで親戚みんなで食べるラーメンは本当においしいものだと感じます。もし皆さんが山形県内のお宅を訪れたとき、出前のラーメンを食べる機会があったとしたら、それは「あなたと一緒に地元のおいしいものを食べながら、時間を気にせず語り合いたい」という、肩肘張らない最高のおもてなしなのです。

小野川温泉のかまくら村

米沢市にある小野川温泉では、温泉街でこの「出前のラーメン」を楽しめます。小野川温泉は、世界三大美女の一人と称えられる小野小町が発見し、病を癒したという伝説が残る"美人の湯"として知られています。夏には蛍が飛び交い、冬にはかまくら村が作られて賑わう温泉地です。その温泉街の足湯や河原の公園などに、そして冬はかまくらの中にまで出前してくれるんです。それぞれの場所には各ラーメン店のメニュー表と連絡先があり、携帯電話で注文すると、熱々の米沢ラーメンを持ってきてもらえます。あっさりした醤油仕立てのスープに、細縮れ麺が米沢ラーメンの特徴。お店や季節によっては、温泉熱を利用して作られる地域の伝統野菜「豆もやし」や温泉卵が乗っています。食べると誰もがほっとする味で、一口食べたら止まらなくなります。

冬はかまくらの中で出前のラーメンが味わえる
「龍華食堂」(米沢市)の豆もやしラーメン

小野川温泉観光協議会事務局長の関谷寛明さんに、温泉街のラーメンについて伺うと、「観光にいらっしゃった方が旅館で出前を取ることもありますよ。また、この地域ではお客さんが来ると出前のラーメンを一緒に食べる文化があるほか、家族で食べる時も外食より出前のほうが多いくらい、おいしい出前のラーメンが好まれています」と話してくれました。

青空の下の小野川温泉

そして、屋外への出前ラーメンを始めたきっかけについて、「みんなで屋外作業をしていたときにラーメンが食べたくなり、そこに持ってきてもらいました。青空の下で食べたらとてもおいしく感じたんです。春は新緑、夏は蛍、秋は紅葉、冬は雪と、美しく表情を変える風光明媚な小野川の四季を楽しんでいただくのにぴったりだと考えました」と言います。確かに実際に現地で体験してみると、屋外でラーメンを待っている時の"ワクワク感"、実際にラーメンが届いた時の"感動"、そして美しい景色を見ながら味わうラーメンの"おいしさ"は忘れられません。これも、地域の魅力を五感で感じてもらう最高のおもてなしだと感じました。

ラーメンの味を磨き上げるのは、職人のこだわり

どうして山形のラーメンはおいしいのか、改めて山形県麺類飲食生活衛生同業組合理事長の矢萩さんにお話を伺いました。すると、「店主がみんな職人気質だからですよ。私は材料にも製法にもこだわって、最高のものを作るために最大限の努力をしているし、自分が納得しないものは店には出しません。それはどこの店でも同じだと思いますよ。山形の店はみんな研究熱心で、理想の味を突き詰める。それが山形のラーメンのおいしさの秘訣です」と答えてくれました。「おいしいお店はたくさんありますから、自分の個性とは何かを突き詰めるんです。うちの場合は、そば店にしか作れないラーメンを、と思いました」と語る矢萩さんの店の名物は「鳥中華」。鶏もも肉、天かす、海苔などをトッピングし、スープは純和風のあっさりした中華そばです。素材にこだわって、肉は生鶏を使い、スープに使う鰹節・サバ節・宗田節は毎日削っているそう。天かすは、文字通りの「天ぷらを揚げた際のかす」ではなく、エビや野菜を揚げた後、その風味と香りがついた油を使い、「鳥中華」に使うためにわざわざ揚げています。この天かすがあっさりしたスープに香りとコクを加え、あとを引く味わいになっています。その味はまさに、「そば店だからこそのラーメン」です。

「水車生そば」(天童市)の鳥中華

さらに矢萩さんは、「もちろんおいしくなければお客は来ません。でも、本当に大切なのは接客、お客様へのおもてなしですよ」と続けました。山形県民にとってラーメンは昔から、日常の中のごちそうです。ごちそうとしてのラーメンを支え続けてきたのは、最高のラーメンを作ろうという職人のこだわりと、気持ちよく味わってもらうためのおもてなしの心でした。山形県民はそんな職人の心意気を感じるとともに、その確かな技術から生み出される極上の味に胃袋をがっちり掴まれて、日本一ラーメンが好きな県民になったのではないでしょうか。
 そして、こだわりは、ラーメンを提供する側だけでなく食べる側も同じです。「最高のラーメンを気持ちよく味わえる」店がたくさんあるからこそ、食べる側も、「おいしい!」と思った店にしか行きません。食べる側がお店の味や個性をさらに磨き上げてきました。提供する店とそれを味わう客、双方のこだわりが山形のラーメンのおいしさを極め、多様さを生み出してきたのです。

ぜひ皆さんも、山形にラーメンを食べに来てみてください。県内各地で色々なラーメンがあなたをお迎えします。あなたのお気に入りの一杯を見つけてみてくださいね。

取材協力・お問い合わせ

○手打ちそば 港屋
山形市和合町2丁目1-30 TEL:023-622-8921
営業時間 11:00~15:00、17:30~19:30  定休日:火曜日(祝日は営業)

○天童 手打水車生そば
天童市鎌田本町1丁目3-26 TEL:023-653-2576
営業時間 11:00~23:00  休日:元旦
http://suisyasoba.com/

○南陽市役所みらい戦略課
TEL:0238-40-3211
(南陽市役所ラーメン課R&Rプロジェクト http://nanyoshi-ramen.jp/wp/

○小野川温泉観光協議会
TEL:0238-32-2740
http://onogawa.jp/index.html/


 

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