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山形のこんにゃく

(平成29年9月15日掲載)
 

 低カロリーな健康食材として注目されているこんにゃく。山形のソウルフードである「玉こんにゃく」や「芋煮」には欠かせない食材です。総務省の家計調査によると、都道府県庁所在地でこんにゃくの年間支出金額が最も多いのが、実は山形市なんです!こんにゃくを愛してやまない山形から、食べておいしく、めぐって楽しいスポットを紹介します。 

 
山寺観光協会婦人部長の遠藤まき子さん
食べると力が湧く!山寺のこんにゃく

 「山寺の“玉こんにゃく”は、『力こんにゃく』って呼ばれているんですよ!」と教えてくれたのは、山寺駅からすぐの「お土産とお食事・喫茶の店 えんどう」の遠藤まき子さん。「山寺を登る前に、みんなこれを食べて力をつけていきます。食べると疲れが早く抜けるという人もいますよ。」そう語る遠藤さんは、雨の日も雪の日も年中無休で「力こんにゃく」を売っているそうです。遠藤さんの元気の秘訣も「力こんにゃく」かもしれません。

松尾芭蕉の句「閑(しずか)さや 岩にしみ入る 蝉の声」が詠まれた山寺

 山寺は、正式には宝珠山立石寺と言い、貞観2(860)年に慈覚大師が開いた天台宗の寺院です。山頂まではゆっくり歩いて1時間。1,015段ある階段を一段一段登ることには、心の中の欲望や汚れを一つ一つ消していき、極楽を目指すという、修行の意味があるそうです。
 遠藤さんは、「山寺のこんにゃくは、中国で修行していた慈覚大師が、中国で漢方薬として使われていたこんにゃくを、山寺で精進料理にしたのが始まりと言われています。だから、山寺でこんにゃくを食べると、心と体、両方ともきれいになりますよ。」と言います。

 

     五大堂からの景色

 

     子どもたちも大好き!

 そんな山寺の「力こんにゃく」は、遠藤さんのお店のほか、登山口を登ってから山門までのいくつかの茶店や露店で食べることができます。どの店も山形県産の醤油で煮こまれ、一口かじると、弾力のあるこんにゃくの食感とともに醤油のうまみがジュワッと口の中に広がります。そのおいしさにやみつきになる人も多いそう。
 遠藤さんは、「登る前に食べて、帰ってきてまた食べる人も多いんですよ。でも安心よ、なんぼ食べても太らないもの!」と笑います。


 

こんにゃく尽くしの優雅な懐石料理

 上山市楢下(ならげ)にある「楢下宿(ならげしゅく) こんにゃく番所」は、玉こんにゃくはもちろん、さしみこんにゃくやフルーツゼリー風のこんにゃくなど、60種類以上の商品が並ぶこんにゃく専門店。ここでは、全てこんにゃくを主として作られた懐石料理を食べることができます。八寸、お造り、煮物、焼き物…と運ばれてくるのは、丁寧に作られ、美しく盛られた料理。そのどれをもおいしく食べながら、「こんなに食べても、全部ヘルシーなこんにゃくだなんて!」と感動してしまいます。

   こんにゃくの懐石料理
中華あんのうまみがよくからむ、味も
食感もまるでフカヒレ!なこんにゃく
甘く煮た黒豆と黒豆風こんにゃく。口に入れるまで違いがわかりません。

  「こんにゃくは白いキャンバス。他の素材の味を吸い込むので、自分の好きな味をつけられます。だから、しっかり鰹や昆布からだしをとって、地元の新鮮な野菜と一緒に料理すると、その味を吸ったこんにゃくの豊かな香りを楽しんでもらえるんですよ。」と、「楢下宿 こんにゃく番所」代表取締役の丹野益夫さんは料理へのこだわりを語ります。ここには、丹野さんを含めたこんにゃく職人4人の他に、和食専門の板前が6人、洋食専門のシェフが2人います。

「楢下宿 こんにゃく番所」代表取締役の丹野益夫さん

 板前とシェフはこんにゃく料理のレシピを開発し、職人はそれぞれの料理に合うように材料や水の配分などを細かく変えてこんにゃくを作ります。「先代からこんにゃく作りを受け継ぎ、もっとたくさんの方にこんにゃくを食べてもらおうと、こんにゃく料理を始めました。懐石料理を作ろうと思ったのは、次は何が出るのかと、ワクワクしてもらうため。料理一つ一つの違いを味わってほしいです。」

伝統の玉こんにゃく、冷めてもモチモチで醤油が香ばしい餅こんにゃく、味付けも歯ごたえも焼き鳥のようなこんにゃく。

みずみずしいオレンジやラ・フランスの
ようなこんにゃく

    昔ながらの玉こんにゃく

 料理の研究のため、多い時には1日に7軒、料亭を回っていたという丹野さんは、「当初はこんにゃく専門の料理を作ろうとしても板前が集まらなかったので、すべて自分で料理の勉強をしていました。そうしているうちに、糖尿病になってしまったんですよ。だから、食べたいものを制限するつらさはよく分かります。こんにゃくは低カロリーなだけではなく、腹もちがよくて満腹感があるんです。」と言います。丹野さんによれば、昔、肉や魚が食べられず、おかゆばかり食べていたような時代に、腹もちのいいこんにゃくは労働者から重宝されていたそうです。また、この地域には金山や銅山があり、作業員たちは体に入った砂を体外に出す「砂おろし」ができると考え、こんにゃくをよく食べていたということです。

 丹野さんは、地域でのこんにゃくの歴史についても教えてくれました。江戸時代、楢下宿は羽州街道の宿場町として、参勤交代や出羽三山詣で賑わいました。江戸から続く福島県の奥州街道から羽州街道にわかれ、出羽の国に入ってから最初に本陣をしく宿場町が楢下宿でした。宿場を利用していたのは、新庄藩や庄内藩、遠くは津軽藩など、日本海側の13藩。そのうち、常宿を持っていた秋田佐竹藩がこんにゃく芋を楢下宿に持ち込んだと言われています。楢の木の炭焼きが盛んだった楢下宿の灰を使ってこんにゃくを作ったのでしょう。その後こんにゃくはこの地域に根付き、各家庭でもこんにゃくを作って食べるようになります。家でこんにゃくを作る時に、食べる分だけをころころと小さくちぎって煮ていたのが、現在の楢下宿の玉こんにゃくの原型になったと言われているそうです。

 様々なこんにゃく料理を開発しながらも、玉こんにゃくには一切アレンジを加えず、昔ながらの製法で作っているという丹野さん。「工夫を凝らした懐石料理を食べ終えて、『これが一番おいしいっ!』とお客様が言うのが、醤油とかつおだしで煮ただけの玉こんにゃくなんですよね。」と表情を崩します。地域の食の伝統を守りながら、新たなおいしさの開拓を続けています。


 

まだまだあります!山形のこんにゃく料理

 山形県内では、他にも様々なこんにゃく料理を味わうことができます。

     中華そばのような「そばこん」

○中華そば風こんにゃく

 チャーシューやメンマが入った中華そばのような見た目ですが、麺がすべてこんにゃくです!麺は柔らかく弾力があり、昔ながらの優しい味の牛骨醤油スープがよく絡みます。ボリュームたっぷりですが、つるつるっと食べきれます。同店には他に、醤油でじっくり煮込んだ大ぶりの玉こんにゃくや、こんにゃくを練り込んだヘルシーなハンバーグも!

 

千歳山こんにゃく店 TEL 023-623-6669
山形県山形市松山3-14-1(定休日:月・火)


 

        郷土料理「冷や汁」

()(しる)

 置賜地域を代表する郷土料理。実は汁物ではなく、雪国ならではの保存食がいっぱいのおひたしです。こんにゃくを凍らせ、その後乾燥させた「()みこん」が入っていて、歯ごたえのある食感がアクセントになっています。

詳しくはこちら↓
http://www.pref.yamagata.jp/ou/somu/020020/03/
mailmag/series/pride/hiyasiru.html


 

「昆布だし味」と「しょうゆ味」がセットのくらげこんにゃく

○くらげこんにゃく

 クラゲの展示種類数世界一(50種類以上)を誇る、加茂水族館。色とりどりのクラゲが漂う水族館で、クラゲの姿のこんにゃくが売られています。甘めの味噌をつけて食べる「昆布だし味」とイカと一緒に煮た「しょうゆ味」の2種類。お土産に喜ばれています。

加茂水族館 TEL 0235-33-3036
http://kamo-kurage.jp/
      ( 製造:まるい食品(株))


 

四季折々に美しい表情を見せる最上川。舟下りをしながら玉こんにゃくを食べられます。

 そして、山形のこんにゃく料理の定番といえば、やっぱり玉こんにゃく。
白いこんにゃくを醤油で煮込んで、串に刺したものが基本です。味付けにだし入り醤油やみりんを使ったり、スルメと一緒に煮込んだりと、どのお店も工夫を凝らしています。そこに、からしをつけて食べるのが山形風。湯気の立つプリッと柔らかいこんにゃくを頬張ると、醤油とだしのほっとする味が口いっぱいに広がり、ツンとくるからしがアクセントになります。
 玉こんにゃくは県内各地の観光スポットやイベント、ほとんどの道の駅で買うことができます。例えば、人気の観光スポット・最上川では、舟下りをしながら食べることができます。乗船受付を行う船番所で玉こんにゃくを買えば、最上峡の絶景を見ながら、郷土の味を楽しめます。

 山形に来たら、おいしく、しかも健康になるこんにゃくを食べてみてください。山形の自然と文化が育んだおいしい水と新鮮な食材、風味豊かな調味料で煮込まれたこんにゃくには、山形の食の魅力がぎゅっと詰まっています。奥深い味に病みつきになること、間違いなしですよ!


 

※「家計調査」とは、都道府県庁所在地(例えば、山形県なら山形市)の1世帯当たりの様々な項目の支出金額等を調査しているもの(過去3年間を平均するので、2017年3月に発表されたものは、2014~2016年の平均値)です。

取材協力・お問い合わせ
・お土産とお食事・喫茶の店 えんどう  TEL 023-695-2126 http://www.yamadera.co.jp/
・楢下宿 丹野こんにゃく  TEL 023-674-2351 http://www.tannokonnyaku.co.jp/
・最上峡芭蕉ライン観光(株)  TEL 0233-72-2001 http://www.blf.co.jp/


 


 

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  • 平成29年9月15日掲載

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