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WOODY FARM & WINERY 國吉一平さん

いま、山形から・・・ 山形の若者 WOODY FARM & WINERY(ウッディ ファーム アンド ワイナリー)・醸造責任者 國吉 一平(クニヨシ イッペイ)さん(上山市)

 ひと口含むと広がる、芳醇(ほうじゅん)な果実の甘味、渋み、香り…。ぶどうの産地として知られる山形県は、ワインの生産も盛んです。平成25年9月に、山形県では20年ぶり、12番目となる新たなワイナリーが上山市に誕生しました。醸造責任者は、海外でワインづくりを学んできた國吉一平さんです。

ワインづくりを志し、南へ北へ、世界各国へ
醸造専門学校に入学する前にはオーストラリアへ語学留学も。ワインの産地として知られる南オーストラリア州のアデレードを選んだそうです。

 高校までは生まれ育った静岡で暮らしていましたが、卒業後に大阪の飲食店に就職しました。その頃は、ワインといえば、レストランやワインバーで飲む時代。今と比べると、敷居の高いお酒でした。成人後は、勉強のためにワインを片っ端から飲んでいたのですが、そうやってワインの世界に触れていくうちに、つくり手の側に回りたいと思うようになりました。海外には醸造を専門的に学ぶ学校があるのですが、その中の一つ、ニュージーランドにある職業専門学校に入学しました。その学校にはぶどう畑とワイナリーがあって、学生はワインづくりを学びながら、1年かけて自分のワインをつくることができました。

 卒業後はカリフォルニアのワイナリーへ。北半球と南半球では季節が半年ずれているので、半年ごとに赤道をまたいで行ったり来たりを繰り返しながらワインづくりを学ぶ人が世界的には多いんです。そうすれば、1年で2回経験できますから。当時はまだ日本人が珍しかったので、行く先々で話しかけられ、あれこれ聞かれましたね。

 

山形のワイナリーとの出会い
個人的にはスルッと身体に入っていくようなワインを好んで飲んでいるそう。「飲みやすく、優しいワインをつくっていければ」と國吉さん。

 そんな生活を数年していたのですが、家庭の事情で、一時的に日本に戻り生活しなければならなくなりました。それまで各国のワイナリーで働いていると、日本のワインについて聞かれることがよくありましたが、日本のワイナリーで働いたことのない自分は、答えられる知識も経験も持ち合わせていなかったんです。だから、いい機会だと思い、日本で半年間働かせてもらおうと考えたんですね。寒いところでつくられるワインが好きなので、北海道のワイナリーを中心に連絡してみたのですが、「そういう(ワンシーズンだけといった)働き方は前例がないから…」とどこも断られてしまって。そんな中受け入れてくれたのが、上山市のタケダワイナリーでした。当時は今ほど国産ワインがメジャーではなく、日本のワイナリーはまだ閉鎖的だった頃。「収穫体験をしたい」という人はいても、ワイナリーで働きたいって人はなかなかいなかったと思うんです。でも、タケダワイナリーの社長はとてもオープンマインドな方で、快く受け入れてくださって。夏から冬の初めごろまで働かせていただき、その間に山形に友人もできて、その後も遊びに来るようになりました。

 

試行錯誤しながらのワイナリーの立ち上げ
半地下になっていて涼しさが保たれている貯蔵庫。できるかぎり自然の力でワインをつくります。
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「ウッディファーム」という名前の通り、ワイナリー内は木のぬくもりがあふれる空間になっています。

 タケダワイナリーで働いた後もニュージーランドや中部フランスのワイナリーなどを回っていましたが、その後、日本でアカデミー・デュ・ヴァンというワインスクールで働くことになります。ワインを仕入れたり、カタログを作ったり、講座運営に関わりながら自分自身も講師となって教えたりして、ワインが好きな同僚や生徒に囲まれ楽しく働いていました。その頃、山形の友人の紹介で、蔵王ウッディファームの木村社長と出会い、「ワイナリーを立ち上げるから働かないか」と誘っていただきました。昨年(平成25年)、山形にやってきましたが、来たころは畑仕事ばかりしていましたね。9月に醸造免許を取得し、ワインをつくり始めたころも、建物が完全に整っていない状態からのスタートでした。

自社畑で生産したぶどうを使用した、果実味たっぷりの赤ワインと白ワイン、西洋梨を使用したスパークリングワイン「ポワレ」の3種類をリリース。

 ワイナリーの世界は情報交換が盛んです。「○○の秘伝のタレ」のように、秘密にしなければという意識がワイナリーにはないんですよね。「こうやったら失敗した」とか、「こうしたら良くなった」とか、成功も失敗もお互いに共有しあって、世界的に水準が上がってきています。

 なぜオープンかというと、原料であるぶどうの育ち方が違うから。まるっきり同じようにワインをつくっても、同じ味にはならないことをみんな知っているからなんです。ワイナリーがスタートして、分からないことがあれば、昔お世話になったワイナリーにメールで質問しています。また、新たに立ち上げたワイナリーですから、何でもそろっているわけではなく、足りない資材なども多かったので、何度もホームセンターに通い、工夫しながらワインづくりを進めました。そうやって少しずつ環境を整えていって、今に至ります。

 

日常の中で、ワインが当たり前の存在であるように…
「今年はカジュアルなワイン3種類を出荷しましたが、ぶどうの収穫量を安定させて、ラインアップを徐々に増やしていければ」と國吉さん。

 国によっては生まれたときから生活の中にワインがありますが、日本ではまだまだ日常的な飲み物ではないと思います。今まで、ワイン中心に生きてきたので、ワインにより親しみをもってもらい、生活の中に当たり前にあるものと感じてもらえるように、今後はつくり手の立場からできることをしていきたいですね。お客さんにワイナリーまで足を運んでもらって、ぶどう畑や醸造場にも入ってもらい、ワインづくりの現場をできるかぎり見ていただきたいです。きちんと整備された見学コースではなく、実際につくっている現場で、ワインづくりを身近に感じてもらえれば。

ぶどう畑の除草のための羊やカラスよけの鷹の飼育、太陽光発電設備の設置など、エコスタイルに取り組んだワインづくりを実践しています。

 先日、市内の小学生が10歳のお祝いをする「2分の1成人式」の記念行事として、収穫や仕込みなど、ワインづくりの体験に来てくれました。大人になった頃には忘れているかもしれないけど、こういう経験が、将来ワインを身近に感じてもらうきっかけになるのではないかなと思います。

 

リリースした3種類のワインは、WOODY FARM & WINERYの直売所などで購入できます。

WOODY FARM & WINERYラインアップ

「2013メルロ(赤 750ml)」 2,376円
品種:メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン

「2013シャルドネ(白 750ml)」 2,376円
品種:シャルドネ

「2013ぽわぽわポワレ(発泡 750ml) 2,160円
品種:ラ・フランス、ゼネラル・レクラーク、D・コミス

 

取材協力・お問い合わせ

山形蔵王山麓 かみのやま WOODY FARM & WINERY
http://www.woodyfarm.com/
tel.023-674-2343

 


 

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  • 平成26年11月21日公開

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