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干し柿

いま、山形から・・・ おらほの自慢 蔵王の寒風が生み出す甘美なおやつ 干し柿(上山市)

 鮮やかな色をした柿の実が、干し竿にびっしり吊るされています。晩秋に見られる「干し柿のれん」は山形の風物詩。濃厚な甘味をたっぷりと含んだ昔ながらの和のお菓子は、上品な味わいで人気を博しています。

上山の風土が育む天然の甘味
「干し柿作りは手間がかかりますが、伝統の味を大切に伝えて行きたい」と須田さん。
収穫した後、まずは余分な枝とヘタの部分を切り取ります。

 ぎゅっと濃縮された甘さが印象的な干し柿ですが、加工には渋味が強くそのまま食べることはできない渋柿を使用します。皮をむき、実を乾燥させることで渋みが抜け、甘味が増しておいしく食べることができます。

 「朝もやがかかると干し柿が黒くなってしまうのですが、上山市は朝もやが発生することが少ないのです。また、乾いた空気で十分に乾燥させる必要がありますが、ここは『蔵王おろし』と呼ばれる乾いた風の通り道になっています。この環境が、おいしい干し柿ができる理由です」と教えてくれたのは、山形農業協同組合 広域干柿部会 部会長の須田和弘さん。

 「干すことで渋さが甘さに変わるのですが、渋味が強いほど、出来たときの甘味が濃厚に仕上がります」。

 須田さんの畑で作られている柿は2種類。一つは色が薄めで干し柿にすると上白糖のようなさらりとした甘さに仕上がる「平核無(ひらたねなし)柿」。もう一つは上山市が原産地の「紅柿(べにがき)」です。紅柿は柿渋が多いため色が濃く、干す前の渋みは平核無柿の倍くらいに感じられるのですが、干すことで、その名のとおり深みのある重厚な色合いになり、黒糖のようなコクと香りが生まれます。

 11月上旬から収穫が行われ、それから約1ヶ月かけて干し柿に加工されます。

 

ヘタの部分は機械ではきれいにむけないため、手作業で行っています。
皮むきは機械で行いますが、最後は必ず人の手で仕上げます。
柿を縄でくくる作業。目で見て大きさや熟し加減をそろえます。

 

一つ一つに手間ひまかけて
一つの枝に2~3個の実がなりますが、良質の実を育てるため、小さい実を落とします。
この美しい(たたず)まいには、作り手の「おいしいものを届けたい」という思いが込められています。

 柿づくりは、木の選定や摘果(余分な果実の摘み取り)など、ほぼ一年中作業があり、収穫後の干し柿作りもほぼ手作業で行うため、大変手間がかかります。

 加工の前に行う選果(果実を重さごとに分ける作業)や、皮むきには機械を使用していますが、目で見て大きさをそろえたり、むき残しが出た部分を確認して手で仕上げたりと、必ず人の手を入れる部分があります。熟しすぎたものなど、干し柿に適さない柿の選別も、機械では難しい作業です。おいしい干し柿を作るためには、1本の縄に吊るす柿の質や大きさをなるべく均等にする必要があり、この吊るすまでの作業も大変重要なのです。

 縄でくくられた柿は、まずは屋外に吊るし、太陽の光をいっぱいに浴びながら寒風にさらされます。干し場には屋根しかないので、風雨や雪は大敵。天候が悪いと仕上がりに影響が出てしまいます。「鳥や虫がつかないのかと聞かれることがありますが、柿が渋いせいか、何もしなくても寄ってこないんですよ」と須田さん。

 2週間ほど外で干した後、室内で3日間ほどかけて火力乾燥が行われます。その後別の部屋に移し、さらに1週間から10日間ほど寝かせます。このとき、状態を見ながら、柿一つひとつにブラシをかけて、柿の表面に細かな傷をつけていきます。そうすることで、表面に白い粉が吹き、見た目にもおいしく、口当たりも上品な干し柿に仕上がるのです。

 ブラシをかける時期が早いと表面が黒くなってしまい、遅いと出来上がりが遅くなりお歳暮などの出荷時期に間に合わなくなってしまうのだそうで、50年以上干し柿作りに携わっているという須田さんのご両親によると、そのタイミングは「柿の“顔”をよく見て、見極める」とのこと。長年の経験に基づきながら、干し柿の最後の仕上げが行われていきます。

 

贈答用にも人気の高い縁起物

 上山市の干し柿の多くは、お歳暮などの贈答用として、主に県外へ出荷されています。干し柿は全国で広く作られており、上山市の出荷量は多くはありません。しかし、「紅柿」を使った上品な甘味と食感には、昔からのファンがたくさんいます。また、柿を縄で束ねたまま販売しているのは全国でも数少なく、「人を束ねる」や「お金をかき(柿)集める」につながるということから、縁起が良いと好評なのだそうです。

販売は12月中旬から1月下旬まで。

 「上山市の紅柿の歴史は古く、約300年前から栽培されていると言い伝えられています。その歴史は、これからも受け継いでいきたいです。地元の子どもたちにも伝統の味を知ってもらいたいので、市内の学校給食へも提供しています。紅柿は上山特有のものなので、今後はもっと作付面積を増やすなどして、より多くのお客様のところに届けられたら嬉しいですね。」と須田さん。干し柿作りには天気が良くて寒いのが最適なのですが、今年は柿が豊作で、急に寒くなったにも関わらず晴れた日が続いて、おいしい干し柿の条件が整いました。上山市の干し柿、ぜひ食べてみてください。

 

お問い合わせ

上山市役所 農林課 tel.023-672-1111

 


 

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