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さくらんぼ

いま、山形から・・・ 厳選やまがた 初夏を彩る、小さな恋人 さくらんぼ
(平成29年6月2日掲載)

 初夏に旬を迎える山形のさくらんぼ。丸くてかわいい、鮮やかに輝く赤い実を口の中へ。張りのある果皮をぷちっと噛めば、ほのかな酸味と芸術的な甘みが口の中いっぱいに広がります。全国生産量の、実に7割を占める山形県。高い山々に囲まれ、夏と冬、昼と夜の寒暖差の激しい気候が良質で甘みの強い果実を育むといわれています。

 山形県が誇る地域資源をご紹介する新シリーズ、『厳選やまがた』。第1回目は、山形県といえば誰もが思い浮かべる、抜群の知名度を誇る「さくらんぼ」についてです。


 

佐藤錦ストーリー

 山形の代名詞「さくらんぼ」ですが、山形に初めて入ってきたのは明治8年頃といわれます。このころ、全国各地でさくらんぼ栽培が試されましたが、ほとんどの地域でうまく栽培できず、霜害・台風被害が少なかった本県だけが実績を残したのだそうです。

 明治時代に栽培されていたのは「日の出」「珊瑚」「若紫」などでしたが、日持ちせず痛みやすいといった悩みがありました。

さくらんぼ東根駅前にある佐藤栄助さんの像
佐藤錦

 さくらんぼの品種改良を志した東根の篤農家 佐藤栄助氏(1867~1950)は日持ちしないが味の良い「黄玉」と、酸味は強いものの固くて日持ちする「ナポレオン」とを掛け合わせ、手塩にかけて改良を進めた結果、大正11年新しい木に初めて実がなります。これが“風味がよく、日持ちし育てやすい”さくらんぼでした。そこからさらに良いものを厳選し、手がけてから実に16年の歳月を費やし、さくらんぼの王様「佐藤錦」が誕生したのです。

 綺麗な鮮紅色と光沢を持ち、甘みと酸味のバランスが絶妙で、果皮が厚く輸送にも耐えられ、収量が安定していることなどから、佐藤錦は少しずつ出荷量を伸ばし、昭和50年頃からの生食用需要の高まりとともに、全国に知られる人気品種となったのです。


 

愛情をかけて、おいしいさくらんぼに。

さくらんぼ畑。後ろに見えるのは月山。

 さくらんぼ栽培は畑に雪が積もった1~2月、枝の剪定から始まります。3月には余分な芽を摘み、4月は病気と霜の対策。開花すれば受粉のためにマメコバチを飛ばし、さくらんぼの実を適正数に減らします(摘果)。

さくらんぼの花。これら全てが実をつけるわけではなく、摘果の作業がある。

 そしていよいよ収穫期の6~7月は雨よけのためのビニールハウス、防鳥ネットの準備。実に光をあて色付きをよくするため葉を摘み取ったり、反射シートを敷きます。さらに手作業によるさくらんぼの摘み取りや箱詰めなどで猫の手も借りたいほどの忙しさを迎えます。家族はもちろん、親戚や知人さえも駆り出され、県外からも作業者がやってくるのです。産地では最盛期を迎えるこの時期、外食する人が減り、美・理容室にもお客さんがいなくなってしまうほど、みんな総出でさくらんぼの収穫作業に精を出します。


 

生産量日本一 東根のさくらんぼ

 佐藤錦発祥の地、東根市はさくらんぼ生産量日本一です。高い栽培技術がその秘密と聞き、東根市果樹研究連合会 会長の阿部敏博さんを訪ねました。

東根市果樹研究連合会 会長の阿部敏博さん

 阿部さんは元エンジニア。子どもと一緒に暮らしたいと、30代になってお嫁さんの実家である果樹農家を継ぐことにしたそうです。就農した阿部さんがまず参加したのが「東根市果樹研究連合会」。昭和30年から50年以上活動を続けている同会は多くの若手農業者を育成しており、新規就農者や農業経営を継ぐ者は必ずといっていいほど会員になります。

花粉を集めるマメコバチはさくらんぼの受粉のベストパートナー
高所で行う雨除けのビニール張りは最も大変な作業。

 さくらんぼやラ・フランス、りんごの代表園地で行われる「立木審査会」や「剪定勉強会」、それぞれの地区ごとに果樹栽培の課題を1年かけて研究し6地区が発表する「冬季研修会」などを行い、現在70数名が在籍しています。

 現在は会長という立場で若手をリードしている阿部さんですが、「就農して2~3年は自分が何をやっているのかわからなかった」そうです。品質の向上や作業の効率化をめざし、お互いが切磋琢磨するあたたかい風土が東根のさくらんぼを支えていると教えてくださいました。


 

採りたてのさくらんぼをお腹いっぱい。

 「木になっているさくらんぼを、自分で採って食べたい」と、観光さくらんぼ園の人気が高まっています。JAさがえ西村山周年観光農業案内所では、寒河江市内300ヶ所、50haの観光さくらんぼ園を組織化。行政といっしょになって観光客を受け入れており、団体ツアーや個人客が仙台圏や関東、関西などから訪れています。

さくらんぼの魅力をPRするミスさくらんぼの3人(左から)安食由衣子さん、青木瑠美さん、仲山まどかさん

 人気の理由は質の高いさくらんぼを好きなだけ食べられること。最盛期は60分1500円で食べ放題。百貨店やスーパーの値段とは比較できないほどリーズナブルです。「お子さんでも手が届く低木があるところや、雨の日ならビニールシートがあり濡れないところなど、お客さんのニーズに合った最適なさくらんぼ園を紹介できるようにしています」と教えてくれました。温室ハウスなら5月中旬から、露地ものは6月から7月上旬までと、長い期間楽しめるのもうれしいですね。

寒河江市で生まれた品種、紅秀峰

 そしてここ寒河江市でイチ押しの品種が「紅秀峰」です。佐藤錦と天香錦を交配し、平成3年に登録された品種で、粒が大きく甘みが強く、果肉の食感が良いのが特徴です。収穫時期が6月下旬から7月上旬と、佐藤錦よりやや遅く、お中元に間に合うことからも人気が上昇しています。


 

もっとおいしく、楽しく

 さらに特別な体験をしたい方におすすめなのが「朝摘みさくらんぼ狩り」です。夜涼しくなると実に栄養分が集まるため、朝のさくらんぼはおいしさが凝縮しているといわれています。今まではさくらんぼ農家しか味わえなかった幻の味を、朝露が降りた園地でいただくという夢のプランです。前日旅館などに宿泊した方や旅行代理店を通して申し込んだ方が対象となりますので、ぜひ観光協会などにお尋ねください。

 またさくらんぼの最盛期、6月の第3土・日曜日にはさくらんぼをすこだま(たくさん)振る舞う「日本一のさくらんぼ祭り」が開催されます。山形らしいこだわりと魅力がぎゅっと詰まったイベントですので、会期にあわせて観光してはいかがでしょうか。

 おいしいさくらんぼは、山形の気候と作り手の愛情があってこそ出来上がるのです。さくらんぼをお買い求めいただいたり、召し上がっていただく際はぜひ、園地の方や販売されている方と会話してみてください。知れば知るほど、目の前のさくらんぼがおいしくなるから不思議ですよ。


 

日本一のさくらんぼ祭り

平成29年6月17日(土)、18日(日)
会場:山形市七日町大通り
内容:さくらんぼ種飛ばしニコニコ相性コンテスト、日本一巨大な流しさくらんぼ、山形のさくらんぼすこだま振る舞いなど
 


 

取材協力・お問い合わせ

果樹王国ひがしね6次産業化推進協議会(東根市ブランド戦略推進課) TEL 0237-42-1111
東根市果樹研究連合会
さくらんぼ会館(JAさがえ西村山周年観光農業案内所) TEL 0237-86-1811
日本一さくらんぼ祭り実行委員会(山形県庁 観光立県推進課) TEL 023-630-2373
 


 


 

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  • 平成29年6月2日

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