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世界に誇る日本酒を産地・山形で

いま、山形から・・・ 厳選やまがた 世界に誇る日本酒を産地・山形で。
(平成30年2月2日掲載)

 「ふんわりして、やわらかく、はばがある」といわれる山形県の日本酒。世界で高い評価を得ている蔵元、入手困難といわれる銘柄などが知られていますが、他にもおいしい日本酒がたくさんあるのです。旨さを支えているのは山形県の風土が育てる良質の米と、鳥海山や月山、蔵王などを源にした清らかな水。そして地域が一体となった人材育成と醸造技術向上への取組みがあります。世界が注目する山形県の日本酒をご紹介します。


 

実はすごい山形の日本酒

 日本酒の品揃えを売りにする飲食店が次々にオープンし、日本酒のイベントは大人気で、チケットが即完売すると聞きます。酒蔵には外国から料理人やソムリエが視察に訪れ、ワイン好きな方々も日本酒に注目しています。日本酒人気が高まる中、山形県の日本酒(清酒)は平成28年に国が保護する地理的表示(GI)(※)に指定されました。日本酒(清酒)では一地域の認定はあるものの、都道府県としては初の指定。山形県内でつくられている日本酒、すべての品質が高いことが認められたのです。県産酒による乾杯の習慣を広めることにより、県産酒の普及を通した文化の継承を図るため、山形県で製造される日本酒やワインで乾杯しようと、平成26年に「やまがた県産酒による乾杯を推進する条例」、いわゆる「乾杯条例」が制定されました。

 日本酒には品質を評価するいくつかの主要な鑑評会があり、原料と作り方によって種類が分けられ審査されています。そのひとつ「全国新酒鑑評会」において、山形県は新潟県や福島県と上位争いを繰り広げています。また、海外で開かれている「全米日本酒歓評会」の平成29年の審査結果は、山形県の金・銀賞の受賞率が68.5%で全国第1位。しかも10年連続で金賞受賞数がトップです。さらに世界最大級のワイン品評会であるIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)のSAKE部門(日本酒)では、山形県の蔵元が11年間で30個の金賞を受賞しており、金メダル数は4年連続で全国第1位。これは、国内で最も優秀な成績です。さらに、「地酒人気銘柄ランキング((株)フルネット調べ)」では、12年連続で全国第1位を誇ります。

 (※)GIとは、酒類や農産品において、所管省庁の指定若しくは登録を受けることで、ある特定の産地に特徴的な原料や製法によって作られた商品だけが、その産地名を独占的に名乗ることができる制度のことです。清酒では「山形」の他に「日本酒」と「白山」(石川県白山市)があります。


 

農業の力、蔵元同士がいっしょに取り組む

 山形県の日本酒の大きな魅力は、独自の酒米にあります。「県独自の酒米を作ってほしい」という要望から、山形県工業技術センターで酒米が育種され、昭和59年に山形県農業総合研究センターで栽培が始まり、10年の歳月をかけ純米吟醸酒に適した、『 出羽燦々でわさんさん』が誕生。その後、純米酒に適した『出羽の里』、本醸造や普通酒に適した『出羽きらり』と、続々と育種されました。そしてついに、世界に誇れる最高峰の酒質を実現可能な、酒造好適米『雪女神』が開発され、平成29年には、この酒米を使った大吟醸酒がデビューしました。より品質の高い日本酒造りで、ブランド価値を高められると大いに期待されています。

山形県のみならず東北各県の蔵元からも日本酒の「先生」と呼ばれている小関敏彦さん

 酒米の開発に長年携わってきた山形県酒造組合の特別顧問 小関敏彦さんに伺いました。「山形県の農業技術はかなり高く、品質の良い米を栽培できる技術を持っています。さらに県内で栽培される酒米は全部で14種類。県独自で開発した良い米を比較的安く仕入れることができるので、コストパフォーマンスがいい。県産酒の特徴は、ふんわりして、やわらか。ふくよかで調和のとれた旨みがある。多くの人が『うまいっ』といってくれるはず」とにこやかに話してくれました。

 山形の酒のもうひとつの特徴がオープン化なのだそうです。近隣の酒蔵は商圏が同じことから、いわば販売を競うライバルです。しかし、山形県では酒蔵同士が同じ場所で酒づくりを学び、技術を発表し合うことで交流が盛んです。小関さんによれば「小さい酒蔵同士が競い合うより、お互いの技術を高めることが重要。それがGI認定にもつながった。 杜氏とうじがいない県だったが、県内の酒蔵が協力して人材育成や技術向上に熱心に努めたから、今では蔵人のほとんどが地元出身者。これは全国的にみて珍しいんです」と話してくれました。


 

共同醸造「山川光男」

山川光男シリーズ。目印はラベルに描かれた、日本酒を頭にのせた男性。

 交流が盛んな県内の蔵元が平成26年から始めたプロジェクトがあります。それが、山川光男。山形正宗(水戸部酒造)、楯野川(楯の川酒造)、東光(小嶋総本店)、男山(男山酒造)の4つの蔵元を代表する銘柄の一文字ずつをとって命名されました。プロジェクトのきっかけは、「我々若い世代で何かやろう」と水戸部酒造の水戸部朝信さんが声をかけたこと。「4人揃って、いっしょに作業するというより、共通のテーマを持って取り組むのが本質的な意味での共同醸造だと考えています。深いレベルで蔵同士の情報交換できるようになってきました」と水戸部さん。

水戸部酒造の水戸部朝信さん

 山川光男の酒質はきわめてスタンダード。「お米の甘みがしっかりあってキレイな余韻の後に切れていく日本酒本来の味わい」と好評で、蔵ごとに発売し完売が続いています。「流通や保管状態がしっかりしていれば、日本酒はこんなにおいしい。昔からつくられている普通の酒が実はウマイということに気づいてもらう機会になったのではないかと」と目を細めながら水戸部さんは話してくれました。


 

山形の酒を世界へ、世界から山形へ。

日本酒造りの風景。蒸したての熱々の米を、蔵人たちが手で広げている。出羽桜酒造にて。
山形県酒造組合会長を務める出羽桜酒造の日本酒

 国内では1200社が日本酒をつくり、そのうち輸出しているのは655社。山形県では7割の蔵が輸出しており、その輸出量は東北6県で第1位。その中で、全国的に見ても早くから輸出に取り組んだのが出羽桜酒造です。

 「日本酒というのは日本文化の代表である稲作(米)と密接に関係していて、その土地の風土や環境すべてを背負っています。国内で世界の色々なアルコールが飲めるようになり、特にワインは愛好家が増加し、深く理解されるようになっています。日本酒も海外でもっと評価されるはずだという想いがあります」と出羽桜酒造の仲野翔太郎さん。

IWCで2度、「チャンピオン・サケ」を受賞。2016年には累計成績が最も良い蔵に与えられる最優秀蔵元賞を受賞。

 出羽桜酒造は2008年と2016年にIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)のSAKE部門でチャンピオン・サケ(1銘柄のみに与えられる、金賞のさらに上の賞)を受賞。同じ蔵元が2度も世界一に輝くのは史上初の快挙だったそうです。「それよりもっと嬉しかったのは、過去10年間で一番成績の良い蔵に与えられる『最優秀蔵元賞』を受賞できたことです」と仲野さん。そのIWC・SAKE部門の審査会が今年、山形県内で開催される見通しになりました。

 「輸出の最大の目標は酒蔵ツーリズム。ワイン好きがボルドーやブルゴーニュに出かけて行くように、世界中から日本酒好きな人たちが山形へ来て、山形の日本酒を飲んでほしい。IWCの審査会は良いきっかけになるかもしれません」と話してくれました。


 

酒蔵へ遊びに行こう

仕込みをしていた土蔵に、現在は昔の作業場を再現しています。

 酒造りやおいしさを知るために、おすすめなのが「酒蔵めぐり」。繁忙期になると酒蔵内を見せてくれるところは減ってしまいますが、常時見学できるのが酒蔵の近くにつくられた酒蔵資料館です。

 山形県酒造組合の副会長を務める小嶋総本店は、米沢藩上杉家の御用酒屋として慶長2(1597)年に創業。420年以上、24代にわたって続いており、「東光」の銘柄で知られています。

酒造りに使われる仕込み水

 酒造資料館 東光の酒蔵として資料を展示しており、ひんやりとした空気が流れる酒蔵は一棟140坪もあり、東北では最大級といわれる広さです。

 吸水させた白米を大釜の上にのせ、こしきで蒸す釜場、種麹をまいた蒸米を入れる麹室などが再現されています。酒造りに使われる仕込み水を実際に飲むこともできます。しかも売店では試飲できる利き酒が豊富に揃っています(一部有料)。飲み比べて、自分の好きな味を探してみてはいかがでしょう。


 

山形全蔵の日本酒を道の駅で

 山形県の南側の玄関口として、今年4月20日に米沢中央インターチェンジ近くにオープン予定の『道の駅 米沢』。「GI認証を受けた山形県の日本酒ですから、力を入れて販売したい」と、県内の全蔵元の日本酒を取り扱う予定で、県内の全ワイナリーも含め、壁一面にズラリと並ぶのだとか。まだ行ったことのない酒蔵や飲んだことのない銘柄も、ここなら手に入るかもしれません。県内でも大変珍しいことですので、今からワクワクしますね。

 杉の枝葉で作った緑の杉玉が酒蔵の軒先につるされると、新酒の完成です。待ちに待った寒仕込みの日本酒がそろそろ発売されます。またこの時期は、「日本酒まつり」や「蔵開き」も県内各地で目白押しです。この機会にぜひ山形を訪れ、酒蔵めぐりを楽しみながら、山形の日本酒をぜひ召し上がってみてください。

 山形の酒蔵とイベントがわかる参考サイト
http://yamagatakanko.com/log/?l=306403


 

取材協力

山形県酒造組合
出羽桜酒造 天童市一日町1-4-6 TEL 023-653-5121 http://www.dewazakura.co.jp/
水戸部酒造 天童市原町乙7 TEL 023-653-2131 http://www.mitobesake.com/
東光の酒蔵 米沢市大町2-3-22 TEL 0238-21-6601 http://www.tokonosakagura.com/
(株)アクセスよねざわ
 


 


 

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  • 平成30年2月2日更新

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