ホーム > 知事室 > 県議会での知事説明 > 県議会知事説明要旨2017年 > 2月定例会(平成29年2月20日)

2月定例会(平成29年2月20日)

 県議会2月定例会の開会にあたり、提案いたしました議案の説明に先立ち、県政運営の所信の一端を申し上げ、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

【県政運営3期目にあたって】

 私は、この度の知事選挙におきまして、引き続き、知事として県政執行を担うこととなりました。改めて責任の重さを強く実感しておりますとともに、これまで以上に県民の皆様の御期待に応えていかなければならないと、覚悟を新たにしているところであります。

 3期目にあたりましても、「心の通う温かい県政」という基本姿勢に立ち、ここ山形で暮らし続けたいという県民の皆様の想いを何よりも大切にし、県民のため、「山形みな家族」との思いで、初心を忘れることなく、引き続き山形県の発展のために全力を尽くしてまいります。

【本県を取り巻く情勢】

 私は、知事就任以来、人口減少が県政の最重要課題であるという認識を持って、その対策に特に力を入れて取り組んでまいりました。現在、政府と地方が総力を挙げて地方創生に取り組んでいるところでありますが、首都圏への一極集中に歯止めがかからず、地方の人口が減少し続けている状況にあります。地方創生の主役は地方であり、この流れを変えない限り、地方創生の実現は厳しいものと言わざるを得ません。改めて、一層の危機感を持って地方創生に取り組まなければならないとの思いを強くしているところであります。

 海外に目を向けますと、英国のEU離脱や米国の新政権発足に伴う諸政策の見直し等の新たな動きが見られるほか、中国の成長鈍化や新興国の弱含みなど世界経済は不確実性が高まっており、先行きは不透明であります。

 一方で、様々なものがインターネットにつながるIoTをはじめ、ロボットや人工知能などの技術革新の動きは、グローバル化の流れを加速するのみならず、産業構造や生活スタイルに大きな変革をもたらすことが予想されます。こうした変化にもしっかりと対応できるよう、地域の底力を高めることがますます重要となっております。

 本県には美しい自然や先人から受け継いだ文化、人と人との絆、ものづくりや農の技など、数多くの誇るべき魅力や力があります。こうした山形ならではの宝を最大限に活用して、それを磨き上げ、広く国内外に発信して活力を引き込み、本県の成長に結びつけてまいります。

【やまがた創生の推進】

 私は、山形の魅力や力を信じ、さらに本県の価値を高めるべく、現在進めている「やまがた創生」をさらに加速し、次に述べる五つのチャレンジを着実に実行していくことで、将来に向けて本県の新たな発展の可能性を切り開いてまいります。

 一つ目は、「県民総活躍」であります。

 女性の力により経済の活性化を図る「やまがたウーマノミクス」の推進をはじめ、大人も子どもも、若者も高齢者も、そして障がいのある人もない人も、県民一人ひとりが家庭や職場、地域の中で、多様で多彩な能力、そして知恵や知識を存分に発揮して活躍することができる環境整備を進めてまいります。

 昨年は、出羽三山が日本遺産に認定され、新庄まつりの山車(やたい)行事がユネスコの無形文化遺産に登録されるなど、本県の伝統文化が高い評価を受けたところであります。このような国内外に誇れる地域の歴史や文化、そしてその魅力や価値を、子どもたちをはじめ地域の方々が守り、伝えていく取組みを通して、地域への愛着と誇りの醸成を図ってまいります。

 また、日本で開催される2019年のラグビーワールドカップや2020年の東京オリンピック・パラリンピックを契機として、山形ならではの魅力を強く発信し、交流の拡大を図ることにより、地域の活性化につなげてまいります。

 二つ目は、「産業イノベーション」であります。

 県民の暮らしに元気や活力をもたらすためには、産業経済を活性化することが重要であります。あらゆる産業分野において、山形ならではのイノベーション創出を支援し、生産性向上や競争力強化を図る必要があります。

 本県には、先人から連綿と受け継がれてきた、ものづくりの技と知恵があり、有機エレクトロニクスやバイオテクノロジーなど世界最先端分野の技術の蓄積があります。こうした力を土台にして、技術革新を促進し、新たな産業の芽を生み出してまいります。また、本県のものづくりの主役である中小企業の創意工夫を大切にした きめ細かな支援を行い、「メイドイン山形」の付加価値の高い製品やサービスを創出する産業の振興を図ってまいります。

 一方、農林水産業は、地域に活力をもたらす重要な基盤産業であり、その活性化なくして本県の発展はないものと考えております。農業の若い担い手の確保や育成に向けて、農業所得の向上を図っていく必要があります。そのため、企業的経営を実践するスーパートップランナーの育成を進めるほか、ICT等の先端技術を活用 した次世代型施設園芸を推進するなど「園芸大国やまがた」の実現を目指すとともに、県産農産物のブランド力をさらに高め、国内外へのさらなる販路拡大に取り組んでまいります。

 また、県土の約7割を占める森林はまさに本県の宝であります。木材の安定的な生産供給体制の構築や森林再生のための再造林を進めるとともに、林業と工業が連携した「林工連携」による新製品の開発促進等による需要を喚起しながら、木材の利用拡大を進めるなど、川上から川下までを一体的に捉えた「緑の循環システム」を構築してまいります。県民総参加により豊かな森林資源を積極的に活用し、持続可能な林業の振興と地域活性化を図る「やまがた森林(モリ)ノミクス」を一層推進してまいります。

 人口減少が進む中、「やまがた創生」を加速するためには、交流人口を拡大する必要があると考えております。本県には、美味しい食や温泉、雪、日本一の数を誇る滝など、多種多彩な魅力ある資源が豊富に存在しておりますので、今後も本県が世界に誇る自然や文化などの魅力を高め、広く紹介してまいります。また、障がい者や外国人を含めた全ての旅行者が快適に旅行できるよう、受入態勢の整備に努めるとともに、東北各県と連携した広域観光の推進や外航クルーズ船の誘致などにより、国内外からのさらなる誘客拡大を図り、県民総参加・全産業参加のもと、「観光立県山形」を実現してまいります。

 三つ目は、「若者の希望実現」であります。

 次の時代を担う若者が、柔軟な発想や行動力を発揮し、夢や希望を抱きながら、いきいきと活躍できる環境づくりが重要であります。

 そのため、私が県内各地を訪れて、若者の考えや取組みを直接お聴きする機会を設け、若者の地域づくりへの参加を促進してまいります。また、若者が持てる力を発揮するためには、安定的な雇用と所得の向上が必要であると考えております。若者の正社員化を積極的に推進し、結婚や出産などの希望の実現につなげるとともに、ワーク・ライフ・バランスの促進など、魅力的で働きがいのある雇用環境づくりに力を入れて取り組んでまいります。

 さらに、すべての子どもたちが、生まれ育った環境に関わらず夢と希望を持って将来に向かっていけるよう、子どもの貧困対策やひとり親家庭の自立支援の充実・強化を図ってまいります。

 四つ目は、「健康安心社会」であります。

 県民の活躍を促進するためには、誰もが健康で安心できる社会の形成を図ることが重要であります。

 がん対策をはじめとする生活習慣病対策を推進するとともに、医師、看護職員及び介護人材の確保・定着を図り、地域における拠点病院や医療と介護の連携拠点の整備を進めるなど、医療・福祉サービスの提供体制を充実してまいります。

 また、障がいに対する県民理解を拡大するなど、障がいのある人もない人も県民誰もが安心していきいきと暮らすことができる共生社会の実現を図ってまいります。

 一方、昨年は、熊本地震をはじめ、台風や豪雨などの自然災害が全国的に多発したところであります。本県の危機管理機能の充実強化を図るため、このたび「山形県防災基本条例」を提案しております。県民の生命、身体及び財産を災害から守るため、県民や事業者、行政などの役割や責務等を定め、自助、共助及び公助を一体として防災の取組みを進め、「災害に強い山形県」を実現してまいります。

 五つ目は、「県土強靭化」であります。

 国内外との交流拡大を図り、暮らしや産業経済活動を支えるとともに、災害時におけるリダンダンシー機能を確保するうえで、社会資本整備の充実は特に重要であります。

 3月26日から山形空港において山形~札幌間の航空便が就航するほか、平成29年度中には東北中央自動車道の福島大笹生(おおざそう)~米沢北間が開通するなど、本県の高速交通ネットワークの整備は着実に進捗が図られております。

 格子状骨格道路の早期整備に引き続き努めるとともに、長期的な視点に立って、奥羽・羽越新幹線の整備実現に向けた取組みを加速するなど、多様で重層的な広域交通ネットワークの整備を進めてまいります。

 また、暮らしの質や生産性の向上、新たな価値の創造をもたらすICTの利活用を積極的に進めていくほか、風力発電や木質バイオマス発電、中小水力発電、温泉熱等の再生可能エネルギーの導入促進と省エネルギーの推進を図るとともに、本県の豊かな自然や環境などの資産を活かして、産業振興や地域活性化に結びつけてまいります。

【決意・結び】

 今後の4年間を見据え、これからの県づくりを進めるための県政課題全般にわたる施策の方向性を示す新たな短期アクションプランを策定いたします。

 一方、新たな短期アクションプランに沿って第3次山形県総合 発展計画を着実に推進するためには、県を取り巻く環境や厳しい 財政状況を踏まえながら、様々な課題に的確に対応し、必要な行政サービスを効果的・効率的に提供できるよう、行財政運営の全分野について不断の見直しを行う必要があります。このため、新たな行財政改革推進プランを策定し、県民視点に立った県政運営を推進するとともに、持続可能な財政基盤の確立に向けた取組みを進め、自主性・自立性の高い行財政運営を実現してまいります。

 新たな短期アクションプランと行財政改革推進プランにつきましては、今後、県議会をはじめ県民の皆様、市町村の御意見をお聞きしながら検討を進め、3月末までに決定してまいります。来年度以降は、この二つの新たなプランを中心に具体的な施策や取組みを積極的に推進し、それぞれに掲げる施策等を強力に展開してまいります。

 また、これからの4年間には、今年7月に本県を幹事県として南東北3県で開催される「全国高等学校総合体育大会」をはじめ、平成29年度の開催が内定している「国連世界観光会議」、そして、平成30年度開催の「全国農業担い手サミット」、また、招致が実現すれば東北で初めての開催となる「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」SAKE部門の2018年審査会など、全国的、国際的な大会等の開催が数多く予定されております。こうしたイベントの開催を契機として、山形県の新たな活力を生み出すとともに、大会等の成果を今後の本県の発展に確実に結びつけてまいります。

 私は、知事就任以来、県民の生命と生活を守ることを最優先に、活力溢れる山形県の実現に取り組んでまいりました。

 今後も、県民の皆様や市町村としっかり対話を重ね、現場の声を大切にしながら、「自然と文明が調和した新理想郷山形」の実現に向けて、県民の皆様とともに「やまがた創生」に全力で果敢に挑んでまいります。

 次に、このたび提案いたしました平成29年度当初予算を御説明申し上げます。

 提案いたしました議案は、平成28年度山形県一般会計補正予算(第1号)など、19件であります。

【平成29年度当初予算を取り巻く環境】

 平成29年度の地方財政につきましては、地方の安定的な財政運営に必要となる地方一般財源総額において、地方税収は伸びが鈍化しているものの、その増加が見込まれる一方で、地方交付税は減少しております。また、地方の総意として縮減を要請してきた臨時財政対策債につきましては、3年ぶりに増加に転じております。臨時財政対策債は、地方交付税の代替措置とされておりますが、実質的には国の借金を地方が肩代わりするものでありますので、政府に対し、臨時財政対策債に頼らない地方交付税制度の運営について、引き続き強く要請してまいります。

【平成29年度当初予算等】

 次に、平成29年度における施策展開の概要について、「平成29年度県政運営の基本的考え方」に基づく7本の柱に沿って御説明申し上げます。

 はじめに、第一の柱「郷土愛を育み未来を築く子育て支援・多彩に活躍する人づくり」について申し上げます。

 結婚、出産、子育ての希望の実現につきましては、新婚世帯の新生活にあたって必要な住居費等への助成を行うほか、生まれてくる赤ちゃんと子育て家庭を社会全体で応援する取組みを市町村と連携して進めるとともに、多子世帯や低所得世帯における放課後児童クラブ利用料の負担を軽減いたします。また、ひとり親家庭の県外からの移住や資格取得等への支援を拡充し、ひとり親家庭の自立をしっかりと応援してまいります。

 教育の振興につきましては、地域の小規模校の特色ある教育活動や地域との交流促進等の取組みを支援してまいります。また、平成30年度の県立高校への探究科及び普通科探究コースの設置に向けて中核となる指導教員を計画的に養成するなど、探究型学習の推進体制の整備を進めてまいります。加えまして、学校における新聞を活用した教育活動により郷土愛の醸成や学力向上を図ってまいります。さらに、公教育の一翼を担う私立高等学校の授業料負担を軽減するため、低所得世帯への支援の拡充を行います。

 若者の活躍の推進につきましては、若者自らが地域を担い、行動に移すという意識を醸成するため、新たに若者の参加による地域創生ミーティングを実施いたします。

 スポーツの振興につきましては、オリンピック・パラリンピックにおける本県からのメダリストの輩出に向けて、有望選手や競技団体に対する支援を行います。

 次に、第二の柱、「いのちと暮らしを守る安全安心な社会の構築」について申し上げます。

 安心して健康で長生きできる社会の実現に向けて、がん患者や 家族の相談拠点として新たに「がん総合相談支援センター」を開設するとともに、がん検診の受診促進を図る取組みを強化するなど、がん対策に社会全体で取り組む県民運動を展開してまいります。さらに、東北・北海道地方では初めてとなる山形大学の「重粒子線がん治療装置」の整備に対する支援を行い、県民の医療と福祉の向上を図ってまいります。

 また、やまがた健康づくりステーションの取組みを拡充するなど県民の自発的な健康づくりの意識を醸成し、「健康長寿日本一」の実現を目指してまいります。加えまして、地域医療構想の実現に向けて、急性期から回復期への円滑な病床転換を促進するとともに、県立新庄病院の移転改築に向けた用地取得等に着手いたします。

 障がい者との共生社会の実現につきましては、農林業分野における就労機会の拡大に向けた取組みや障がい者スポーツの普及 振興などを通して、障がいのある人もない人も共にいきいきと生活できる社会の構築を目指してまいります。

 暮らしの安全・安心の確保につきましては、活断層上にあり、老朽化が著しい新庄警察署の移転改築に向けた調査・設計を実施するほか、防犯ボランティア団体の円滑な活動を市町村と連携して支援してまいります。

 次に、第三の柱、「新たな価値の創造・拡大・発信による活力ある産業の集積」について申し上げます。

 産業人材の確保と働き方改革の推進に向けて、新たな奨励金による支援制度を創設いたします。一つ目は、若者の正社員化の促進を図る企業の取組みに対する支援であり、これにより、今後4年間で40歳未満の正社員割合を全国トップに押し上げてまいります。二つ目は、同一労働・同一賃金の観点から、非正規雇用労働者の賃金改定等を行う企業に対する支援であります。こうした非正規 雇用労働者の正社員化と処遇改善等を総合的に推進するプロジェクトを全国に先駆けた取組みとして展開し、県内における正社員化の促進と所得向上にしっかりと結びつけてまいります。これにより、本県における富裕層と貧困層の二極化に歯止めをかけ、購買力のある中間層を増やしてまいります。

 また、4月に開設する産業技術短期大学校土木エンジニアリング科の2年次のカリキュラムに対応するため、実習施設の整備等を進めてまいります。

 中小企業の稼ぐ力の充実・強化を図るため、「中小企業スーパートータルサポ補助金」の創設により、研究開発、設備投資及び販路開拓等に対するオーダーメイド型の支援を一層充実いたします。具体的には、支援対象業種の拡大や小規模事業者向け助成の創設等により、支援件数及び助成額を大幅に拡充し、中小企業の付加価値額の一層の拡大に向けて力を入れて取り組んでまいります。

 県内企業の新たな価値の創出につきましては、有機エレクトロニクス分野やバイオ分野において、産業の集積、事業化の促進及び量産化への支援を引き続き行ってまいります。また、福祉と工業の連携による「福工連携」の取組みを進め、新たな福祉用具の開発や介護職場におけるICTの活用等を促進してまいります。加えまして、県内企業による設備投資やソフト産業の立地に対する助成を拡充いたします。

 さらに、新たな「山形ブランド」を用いた戦略的なプロモーションの展開により、ものづくり山形の魅力を国内外に広く発信し、伝統工芸品をはじめとする県産品の販路拡大に結びつけてまいります。

 次に、第四の柱、「地域の豊かさを支え、高いブランド力で国内外に展開する農林水産業」について申し上げます。

 農林水産業を取り巻く情勢につきましては、人口減少による国内市場の縮小、高齢化と担い手不足による農林水産業就業者の減少や農山漁村の活力低下など構造的な問題が以前にも増して進行しております。

 こうした課題に対応するため、多様な人材が活躍できる農業経営の実現に向けて、経営力向上と一体となったオーダーメイド型の 支援により、本県農業を牽引するトップランナー及びスーパートップランナーの育成を図り、生産農業所得1.3倍を目指してまいります。

 また、県産農産物の付加価値向上につきましては、県産米「つや姫」の全国トップブランドとしての評価を一層浸透させるとともに、2月16日に名称が決定し、平成30年に本格デビューする新品種「雪若丸」の栽培技術の確立とブランド化戦略を推進してまいります。さらに、国内及び海外市場をターゲットにした県産農産物の販路開拓と物流体制の構築に取り組んでまいります。

 本県農業の牽引役である園芸のさらなる発展に向けて、販売額 1億円以上の大規模な園芸団地化を推進するとともに、収益力向上に取り組む産地の施設整備に対する支援を行います。また、低コスト・省エネルギーに資する次世代型大型ハウスの整備による生産性向上の技術実証に取り組むなど、「園芸大国やまがた」の実現を図ってまいります。

 また、畜産業の競争力強化につきましては、産出額500億円を目指し、意欲ある畜産経営体の規模拡大に向けた施設整備等に対する支援を行います。水産業の振興につきましては、漁業試験調査船「最上丸」の新船建造に向けた基本設計を実施いたします。

 「やまがた森林(モリ)ノミクス」の推進につきましては、昨年12月に施行した条例に基づき、川上から川下までの取組みをさらに加速させてまいります。特に森林再生のためには、再造林が極めて重要でありますので、林業者の経費負担を軽減することにより、再造林の促進を加速してまいります。また、県産木材の利用拡大のため、公共及び民間施設における木造化や木質化を推進するなど、森林資源を積極的に活用し、地域の活性化に取り組んでまいります。

 次に、第五の柱、「世界に誇る魅力を発信し国内外の旺盛な活力を引き込む『観光立県山形』の確立」について申し上げます。

 首都圏の駅及び鉄道車両への広告掲示や旅行情報誌とのタイアップなど、様々な媒体を活用して本県の観光を広くPRするほか、雪を活用した県内各地のイベントに対する支援を継続して実施いたします。

 また、「おもてなし山形県観光計画」に掲げる精神文化や食・温泉、山岳・森林、産業、スポーツなど優れた地域資源を活かしながら、本県の魅力を国内外に強く発信し、観光誘客の拡大に結びつけてまいります。

 インバウンドの推進につきましては、8月に酒田港に寄港する 外航クルーズ船「コスタ・ネオロマンチカ」の受入態勢について酒田市をはじめとする地元と連携した取組みを進めるほか、先ほども申し上げましたが、本県での開催が内定した「国連世界観光会議」に向けた準備を進めてまいります。

 観光地の環境整備につきましては、地域や民間事業者が実施するWi-Fiの整備を進めるほか、インバウンドの増加や高齢化の進展を踏まえて必要となるバリアフリー観光に対応した取組みを支援してまいります。

 次に、第六の柱、「再生可能エネルギーによる産業振興と地域活性化、国内外に誇れる優れた環境資産の保全・創造・活用」について申し上げます。

 本県のエネルギー戦略の基本方向に沿って、再生可能エネルギーの導入促進に向けた施策をさらに充実いたします。

 風力発電や中小水力発電を対象とした新たな導入の適地調査等を 行うとともに、庄内沖での洋上風力発電の導入可能性と地域産業への波及効果等を検討してまいります。また、森林(モリ)ノミクスの推進などに資するため、木質バイオマスや温泉等の熱利用の促進に向けた支援を拡充いたします。さらに、家庭や事業所の再エネ設備導入によるCO2削減価値を「見える化」し、企業等への売却によって得られる収益を環境保全活動に活用する取組みを一層推進してまいります。

 また、「やまがた百名山」や「里の名水・やまがた百選」など本県の優れた環境資産の魅力を広く紹介することにより、自然環境への理解を促進するとともに、観光振興や地域活性化に結びつけてまいります。

 次に、第七の柱、「地域活力と多様な交流を生み出し災害に強い 県土基盤の形成」について申し上げます。

 奥羽・羽越新幹線の整備実現に向けて、昨年5月に設立した「山形県奥羽・羽越新幹線整備実現同盟」を核として、沿線県との連携を図りながら、県内外における啓発活動や政府への提案活動等を展開いたします。また、航空ネットワークにつきましては、山形~札幌便の就航を踏まえ、関係機関と連携したPRを実施するなど 利用拡大に取り組んでまいります。

 平成28年の「ポート・オブ・ザ・イヤー」として顕彰された酒田港につきましては、今後の取扱コンテナ数の増加に対応するため、コンテナクレーンの更新整備やターミナル機能の強化を  図ってまいります。

 強靭な県土づくりに向けて、民間の一定規模以上の特定建築物における耐震改修を促進するための支援を新たに行うほか、防災・減災・長寿命化の観点から、必要な社会資本の整備を進めてまいります。

 暮らしを支える生活圏確立のため、市町村と連携した住民主体の地域づくりをさらに推進するとともに、首都圏在住者等を対象に本県への移住促進につながる情報発信の強化を図ってまいります。

 また、住宅対策につきましては、新たに中古住宅購入への利子補給制度を創設するとともに、人口減少対策として親世帯との近居要件を緩和するなど、山形ならではの安心な住まいづくりを総合的に支援してまいります。

 これらの施策を推進するため所要の予算額を計上した結果、平成29年度の一般会計当初予算は、6,132億4,200万円となりました。

 また、公債管理特別会計など10特別会計予算は、合計で1,496億9,800万円余となりました。

 財政運営につきましては、今後を展望いたしますと、依然として多額の財源不足が生じる厳しい状況が見込まれるところでありますが、産業振興の施策展開をはじめ、「やまがた創生」を推進することで県内経済の成長による好循環を生み出し、県税収入の増加を図っていくことが重要と考えております。

 その上で、今回の予算編成と同時に策定した「山形県財政の中期展望」におきまして、歳入面では、県有財産の売却や有効活用の促進、基金や特別会計資金の有効活用等を図り、歳出面では、全ての事務事業を対象に徹底した見直し・改善を行うとともに、行政経費の節減・効率化に取り組むこととしております。

 こうした歳入、歳出両面からの対策を講じながら、中長期的な財政健全化の目標として、今後の社会資本整備や産業振興の必要性にも留意しながら、新たな行財政改革推進プランの期間中において、臨時財政対策債と補正予算債を除いた県債残高の減少を推進する こととしております。その目標達成と調整基金の確保に引き続き努めてまいります。

【平成28年度2月補正予算】

 次に、平成28年度2月補正予算について御説明申し上げます。

 第1に、政府の補正予算への対応として、畜産担い手の規模拡大や省力化に向けた施設整備に対する支援を行うほか、次世代型施設園芸ハウスの実証導入を行ってまいります。

 第2に個別課題への対応として、「つや姫」の首都圏におけるさらなる販売力強化のため、JA等と連携してテレビCMを放映するほか、温泉施設の硫化水素濃度測定機器の購入に対する支援を行い、温泉王国として安全管理対策の強化を図ってまいります。

 こうした対応に、執行実績等に伴う補正を合わせますと、一般会計の2月補正予算総額は、526億9,200万円の減額となりました。

 繰越明許費につきましては、ただいま申し上げました政府の補正予算への対応など、総額で25億9,400万円余を増額補正いたします。

【予算以外の案件】

 次に、予算以外の案件の主なるものについて御説明申し上げます。

 山形県副知事の選任につきましては、現副知事の任期満了に伴い、後任の者について、提案の者を適任と認め、御同意をお願いするものであります。

 山形県部設置条例の一部を改正する条例の制定につきましては、新たに観光文化スポーツ部を設置する等のためのものであります。

 山形県立学校職員及び市町村立学校職員給与負担法に規定する 学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例並びに山形県警察職員定数条例の一部を改正する条例の制定につきましては、学校職員並びに警察官の定数を変更するためのものであります。

 以上が、今回御提案申し上げました議案の概要でありますが、内容の詳細につきましては、議事の進行に従いまして、関係部課長より御説明申し上げますので、よろしく御審議のうえ、御可決くださいますようお願いいたします。


 

この記事に対するお問い合わせ

このページの先頭へ

ナビゲーション