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9月定例会 (平成28年9月14日)

県議会9月定例会の開会にあたり、提案いたしました議案の説明に先立ち、一言申し上げます。

はじめに、第36回全国豊かな海づくり大会について申し上げます。

 9月10日、11日に、天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、県内外から多くの参加者をお迎えして、第36回全国豊かな海づくり大会が開催され、盛会のうちに無事終了することができました。

 天皇皇后両陛下におかれましては、3日間にわたり、庄内各地を御訪問され、鶴岡市の加茂水族館や松ヶ岡開墾場を御視察いただき、また、多くの県民と親しく交流していただきましたことは、県民にとって大きな喜びと励みになりました。大会の開催に向けて御尽力いただきました関係の皆様、また御協力いただきました県議会、県民の皆様に深く感謝申し上げます。

 この大会を契機として、さらに本県水産業の振興と地域の活性化を図るとともに、森と川から豊かな海づくりにつながる取組みを推進し、漁業関係者の活力に結びつけてまいります。

次に、台風に伴う被害への対応について申し上げます。

 8月中旬以降、立て続けに日本を襲った台風の影響により、広い範囲にわたって、全国各地で大きな被害が発生いたしました。お亡くなりになられた方々と御遺族に対し深く哀悼の意を表しますとともに、負傷された方々や家屋の損壊などの被害に遭われた方々に、心からお見舞いを申し上げます。

 本県におきましては、大雨のため、一部で建物の浸水被害が発生するとともに、河川の氾濫や土砂災害の危険性が高まったことなどに伴い、県内各地で避難準備情報や避難勧告が出されたほか、交通機関の運行に支障が生じるなど、県民生活に大きな影響があったところです。また、道路などの土木施設や農作物にも被害が生じております。

 県としましては、関係機関と協力しながら、被災箇所の早期復旧や農作物の技術指導など全力で取り組んでまいります。

 次に、経済の動向、農作物の生育状況並びに当面の県政課題について、順次、御説明申し上げます。

【経済の動向】

はじめに、経済の動向について申し上げます。

 我が国の経済につきましては、このところ弱さもみられますが、緩やかな回復基調が続いております。生産は横ばいとなっており、個人消費は消費マインドに足踏みがみられる中、おおむね横ばいとなっておりますが、雇用情勢は改善しております。

 本県経済についてみますと、生産は足踏み状態となっておりますが、個人消費は一部に弱さがみられるものの持ち直しており、雇用情勢は改善が続いているなど、全体として持ち直しております。

 しかしながら、海外景気の下振れや円高などによる国内外の経済情勢の変化が、本県に影響を与えることも予想されますので、引き続きその動向を注視してまいります。

【農作物の生育状況】

 次に、農作物の生育状況について申し上げます。

 7月の梅雨明け以降、8月上旬は気温が高く雨が少ない状況でありましたが、8月中旬から数回にわたり接近した台風による大雨の影響等により、一部で浸水や冠水も見られるなど、農作物の生育にとって厳しい天候となりました。しかしながら、生産者の皆様によるきめ細かな栽培管理などにより、農作物の生育は総じて良好となっております。

 水稲につきましては、出穂(しゅっすい)期は平年並みとなり、その後も気象 変動に対応した適切な水管理等が行われ、順調に生育し、現在、収穫期を迎えているところです。農林水産省が公表した8月15日現在の作柄概況によりますと、本県は「平年並み」とされております。また、「つや姫」につきましても、順調に生育しており、今年も高品質と良食味が期待されるところであり、新しいテレビCM等によるPRを積極的に展開しながら、さらなるブランド化に弾みをつけてまいりたいと考えております。

 果樹につきましては、まもなくぶどう「シャインマスカット」やりんご「秋陽(しゅうよう)」などの収穫盛期を迎えます。生育は、総じて順調であり、また、野菜につきましては、えだまめやトマトなどの生育も良好となっております。

 実りの秋を迎え、今後とも農作物の生育状況を的確に把握するとともに、適切な栽培管理が行われるよう、技術指導の徹底を図ってまいります。

【当面の県政課題】

 次に、当面の県政課題について申し上げます。

 はじめに、県産米の新たなブランド化と販路拡大に向けた取組みについて申し上げます。

 水稲の新品種「山形112号」につきましては、本県のトップブランドである「つや姫」に続く新たなブランド米として育成するため、今年度新たに「山形112号ブランド化戦略実施本部」を設置し、平成30年秋のデビューに向けて取組みを進めております。8月に行った名称の一般公募におきましては、県内外から1万6千件を超える応募をいただいたところです。今後、絞り込みを行ったうえ、県民投票を経て、来年2月頃の名称決定を予定しております。さらに、本年度中にブランド化戦略を策定し、生産戦略、販売戦略及びコミュニケーション戦略の具体的な展開方向について決定してまいります。

 いずれも水稲新品種のデビューに向けた重要な課題であり、ブランド確立の鍵ともなることから、消費者、生産・流通関係者をはじめ関係各位の御意見をいただきながら、着実に取組みを進めてまいります。

 一方、県産米の海外への販路拡大につきましては、在留邦人数や日本食レストランが多く、購買力が高いアメリカを視野に入れ、特に日本食が浸透しているハワイが輸出先として有望であると考えております。このため、10月7日からハワイにおいて「つや姫」の本格輸出に向けた効果的なプロモーションを行って まいります。

 今回の訪問では、在ホノルル日本国総領事館において現地の要人や関係者等をお招きした交流会を開催し、「つや姫」の食味の良さをアピールするとともに、全農山形がハワイ最大のショッピングモールで開催するイベントに参加し、PR活動を行ってまいります。

 このたびの取組みを契機として、「つや姫」のアメリカでの新たな需要喚起と販路拡大につなげてまいりたいと考えております。

次に、女性の活躍推進について申し上げます。

 7月に開催された全国知事会議において、私がリーダーを務める男女共同参画プロジェクトチームで作成した提言「女性の活躍推進で地方創生・日本再生~今こそウーマノミクス~」が決定され、全国知事会を代表して、8月5日に、政府に対し提言を行いました。

 女性の活躍推進は、一億総活躍社会の実現に向けた政府の施策の柱とされる中、男女雇用機会均等法が施行されて約30年が経過し、また、今年は女性活躍推進法の施行元年となっております。

 私は、今こそ政府と地方が連携した実効性ある取組みを加速させ、女性も活躍できる社会づくりを強力に前進させなければならないとの思いのもと、女性活躍の障害となっているものを取り除くという視点で提言をいたしました。

 その内容としましては、「長時間労働の是正など働き方の改革」、「家庭生活と両立しながら働き続けられる環境の整備」、「男性の家事・育児・介護への参画促進」、「女性の待遇改善や管理職への登用促進」、そして、「女性活躍の推進に必要となる安定的で十分な財源の確保」など11項目であります。

 人口減少の加速化や、生産年齢人口が急速に減少していく中、地域の活力と競争力を高めるためにも、女性の活躍を推進することにより、経済の活性化を実現し、地方創生に結びつく環境づくりに地方と政府が力を合わせて取り組むことが重要であります。

 県としましては、ライフステージに対応した活躍支援に関する 施策の推進を政府に対して強く要請するとともに、6月に設立した「やまがた女性活躍応援連携協議会」を核として、関係団体や企業等と連携しながら、ワーク・ライフ・バランスの推進など、男女とも活躍できる社会づくりに向けた取組みを展開してまいります。

次に、産業人材の育成と確保に向けた取組みについて申し上げます。

 10月21日から第54回技能五輪全国大会が、また、10月28日から第36回全国アビリンピックが開催されます。県及び 村山地区の3市1町で構成する大会運営本部を6月に立ち上げており、開幕に向けたPRを含め、業界団体等と緊密な連携を図りながら、大会競技の円滑な実施運営などに万全を期してまいります。9月5日には選手団の結団式を行いましたが、選手の方々は、多くの入賞を獲得できるよう、決意を新たにされたものと感じております。

 東北のものづくりの復興・発展の視点から、東北六県知事の連名並びに関係機関の御協力のもと、本県に誘致したこの大会を契機に、若手技術者の育成を強化するとともに、幅広く技能の振興や啓発を図り、本県のみならず、東北のものづくり産業を支える人材の育成・確保を推進してまいります。

 県内の雇用情勢につきましては、7月の有効求人倍率が1.30倍と引き続き高水準を維持しており、また、正社員の有効求人倍率は0.80倍となり、統計の残る平成16年11月以降では過去最高となるなど、改善が続いている状況となっております。

 一方、総務省の人口動態調査によりますと、東京への一極集中の傾向がさらに強まり、県外への人口の流出に歯止めがかからない 状況であり、加えて、業種によっては人手不足が続いている傾向もあることから、県内企業の活動、発展に欠かすことのできない「人材」を確保することが、極めて重要な課題となっております。

 このため、県、産業界、教育界、労働局等が連携して、「山形県人材定着回帰推進会議(仮称)」を設置し、県内企業の良さや県内で働くことの魅力をオール山形で発信することにより、山形で働きたいという気運を醸成し、若者を中心とした人材の県内への定着・回帰の促進に向けて、さらに力を入れて取り組んでまいります。

次に、国際交流の推進について申し上げます。

 まず、友好都市である中国黒龍江省及びアメリカのコロラド州との交流記念事業等について申し上げます。

 7月3日から6日まで、県議会、経済・金融関係者、県民の方々など、総勢約50名で中国黒龍江省を訪問してまいりました。

 黒龍江省人民代表大会や人民政府への表敬訪問では、陳述涛(ちんじゅつとう)副主任と陸昊(りくこう)省長にそれぞれお会いし、教育、観光、環境技術及び農林水産などの各分野における交流促進について意見交換をいたしました。

 また、現地の訪問先において、教育旅行の働きかけや若者の相互交流の協力を確認するなど、両県省の友好促進に向けた様々な活動を行ったところであります。

 さらに、県ハルビン事務所開設5周年記念交流会では、黒龍江省政府関係者をはじめ現地の方々約90名にも参加いただき、大いに交流を深めてまいりました。

 次に、8月5日から10日まで、県議会、県酒造組合役員など、総勢16名でアメリカのコロラド州を訪問してまいりました。

 州政府及び州議会を表敬訪問し、ジョン・ヒッケンルーパー知事との会談では、これまでの両県州間の交流の積み重ねを尊重するとともに、今後、観光分野をはじめ、幅広い分野における交流拡大の実現に向けて努力することに合意し、覚書を締結いたしました。

 また、コロラド日米協会・州政府主催の姉妹県州30周年記念式典やコロラド日系人会との交流会等に参加して交流を深めてまいりました。さらに、ボルダー市及びデンバー市のレストランにおいて、「つや姫」やそば、日本酒等の県産品を提供して本県の食や観光をPRし、現地関係者の方々から非常に高い評価をいただいたところであります。

 このたびの黒龍江省及びコロラド州への訪問を契機として、本県との友好の絆をより確かなものとし、文化、教育、観光、経済等の各分野における交流のさらなる拡大に結びつけてまいりたいと考えております。

 次に、8月22日から24日まで、東北観光推進機構からの要請により、東北・新潟の各県知事や副知事、仙台市長とともに、「台湾トップセールス事業」に参加し、東日本大震災の支援に対する感謝の意を表すとともに、東北と台湾の双方向交流のさらなる拡大に向けて、「オール東北」で豊かな観光資源をPRしてまいりました。また、今年度日台観光サミットが開催された宜(ぎ)蘭(らん)県を訪問し、経済交流、文化交流等の促進に協力して取り組むための覚書を締結いたしました。

 台湾は、本県にとって外国人観光客の5割強を占める重要な地域でありますので、これまでの成果に加え、東北各県と連携を図りながら、観光誘客の拡大を推進するとともに、一層の交流促進に取り組んでまいります。

次に、野生鳥獣の被害防止対策について申し上げます。

 野生鳥獣が人里に出没するという事案が増加しており、特に今年は、ツキノワグマの目撃や農作物被害が相次いでいることから、県民の不安が高まっております。県内におけるクマの目撃件数は、1月から8月末までに489件と過去最高を更新しており、4月には人身被害が1件発生したほか、農作物の被害は72件で、既に昨年1年間の約4倍となっております。

 県では、クマによる人身被害の未然防止に向けて、ホームページや県政ラジオ・テレビを通して、クマの目撃情報や遭遇した際の対応方法等を広く周知するなど、県民への注意喚起の徹底を図っているほか、市町村に対して、出没危険箇所への注意看板の設置や広報等による啓発を要請しております。また、農作物の被害防止につきましては、市町村やJA等で構成する地域協議会が実施する電気柵設置や緊急捕獲活動に対して支援を行っているところであります。

 今年は、クマの餌となるブナの実が県内全域で凶作になると予想されていることから、今後もクマの出没が続くことが懸念され、行動が活発となる秋以降に被害が増加する恐れがあります。

 県としましては、クマによる被害の未然防止を第一に考え、これまでの取組みに加え、新たに、ラジオスポットによる注意喚起や市街地での出没時における対策の強化を図るとともに、農作物の被害防止対策への助成を拡充するなど、総合的な対策を実施して、県民の安全・安心の確保に努めてまいります。

次に、平成29年度県政運営の基本的考え方について申し上げます。

 このたび、「平成29年度県政運営の基本的考え方」の案をお示しいたしました。これは、来年度の予算編成や組織機構等の検討に先立ち、県の置かれている状況や課題、県政運営全般にわたる基本的な考え方を、県民の皆様、県議会の皆様と共有するため、毎年度この時期にお示ししているものであります。

 平成29年度は、本県の将来ビジョンである「自然と文明が調和した理想郷山形」の実現に向けて、4本の成長戦略を展開し、「やまがた創生総合戦略」によって加速し得られたこれまでの成果を活かすとともに、国内外に広く発信し交流拡大を進め、やまがた創生をさらに力強く推し進めてまいります。

 具体的には、県民との対話と県民視点を大切にする「県民第一主義」と「産業・地域の活性化」の2つの視点のもと、「夢と希望が叶い、誰もが輝く『やまがた県民総活躍』の実現」や「森林を育み、富の好循環を生み出す『やまがた森林(モリ)ノミクス』の展開拡大」、「世界に誇る魅力を発信し国内外の旺盛な活力を引きこむ『観光 立県山形』の確立」、「東京オリンピック・パラリンピックに向けたスポーツ・文化の一層の振興と地域活性化」などを重点として施策を展開してまいります。

 これにより、県民が確かな豊かさを実感し、将来に明るい希望が持てる県づくりを進め、東北の活性化・日本の発展に貢献してまいります。

 今後、この案につきまして、県民の皆様、県議会の皆様から広く御意見をいただき、それらを十分に踏まえたうえで「平成29年度県政運営の基本的考え方」を策定し、来年度の予算編成等に臨んでまいります。

【議案等の概要】

次に、このたび御審議いただきます議案の概要について御説明申し上げます。

 提案いたしました議案は、平成28年度山形県一般会計補正予算(第2号)など26件であります。

 まず、一般会計補正予算について申し上げます。

 今回の補正予算は、本県を取り巻く社会経済状況の変化を的確にとらえ、「やまがた創生」を前進させるため、県勢の発展に向けた喫緊の課題について補正を行うものであります。

 「未来を築く子育て支援・人づくりの充実」につきましては、平成29年4月の県立保健医療大学への大学院博士後期課程の設置に向けて、院生室等の整備を行います。また、産業人材の県内への  定着・回帰を促進するため、産学官の連携によるオール山形での推進体制を構築いたします。さらに、小中学校の「山形県学力等調査」は、来年度からは実施時期を4月とし、より効果的に学習指導や授業改善に反映してまいります。また、東日本大震災で被害を受けた本県唯一の自転車競技施設の復旧に対する支援を行います。

 「安全・安心な社会の構築」につきましては、活断層付近にある山形盲学校寄宿舎の機能を山形聾学校の寄宿舎に移転することにより、生徒の安全を確保するほか、県内でのクマの出没増加を踏まえ、人身及び農作物の被害を未然に防止するための対策を強化いたします。また、県内で初めて開設された自立援助ホームの運営に対する支援を行うほか、地域医療介護総合確保基金の積み増しを行います。

 「産業振興・観光交流の拡大」につきましては、国立がん研究センターの研究連携拠点の設置に伴い、鶴岡市と連携して設備整備や研究経費等に対する支援を行います。また、観光地域づくり法人(DMO)の設立準備を進め、新たな観光ビジネスの創出を通して航空路線の維持・拡充を図るほか、来年8月に予定されている酒田港への外航クルーズ船の寄港に向けて、受入体制の整備を行います。

 「豊かな地域をつくる農林水産業の展開」につきましては、森林(モリ)ノミクスの推進を図り、東京オリンピック・パラリンピック大会関連施設などへの県産木材の提供を促進するため、県有林の 国際的な森林管理認証の取得に向けた取組みを進めるほか、試験 調査船「最上丸」の平成31年度中の新船建造に向けて、基本設計に着手いたします。

 「再生可能エネルギー等の導入促進」につきましては、地域における再生可能エネルギーの面的利用の促進に向けて、環境省の補助事業による全国初の取組みとして、地域資源である温泉熱を利用したエリア供給システムの構築に対する支援を行います。

 「地域活力を生み出す県土基盤の形成」につきましては、国庫支出金の内示を踏まえ、道路整備など土木、農林関係の公共事業費を追加するほか、酒田港におけるコンテナ取扱量の増加の見通しに伴い、コンテナヤードの整備を行います。

 この結果、今回の一般会計補正予算総額は、71億1,500万円となり、今年度の累計予算額は、6,319億700万円となります。

次に、予算以外の議案の主なものについて御説明申し上げます。

 山形県病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例の制定につきましては、病院事業の診療科目を新設するためのものであります。

 山形県教育委員会委員の任命について及び山形県土地利用審査会委員の任命につきましては、いずれも委員の任期満了に伴い、それぞれ提案の者を適任と認め、御同意をお願いするものであります。

 以上が、今回提案いたしました議案の概要でありますが、内容の詳細につきましては、議事の進行に従いまして、関係部課長より御説明申し上げますので、よろしく御審議のうえ、御可決くださいますようお願いいたします。

 なお、平成27年度一般会計及び公債管理特別会計など10特別会計、並びに電気事業会計など5公営企業会計の決算につきましては、監査委員の審査意見書を付し、今会期中に提出いたしますので、よろしく御審議のうえ、御認定くださいますようお願いいたします。


 

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