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6月定例会(平成28年6月3日)

 県議会6月定例会の開会にあたり、提案いたしました議案の説明に先立ち、一言申し上げます。

 4月中旬に発生した平成28年熊本地震は、熊本県及び大分県を中心に甚大な被害をもたらしました。このたびの災害によりお亡くなりになられた方々とその御遺族に対し深く哀悼の意を表しますとともに、負傷された方々や家屋の損壊などの被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。

 本県としましては、地震発生直後から、政府及び全国知事会等と連携を図りながら、保存食や飲料水、毛布などの支援物資を被災地にお送りしたほか、被災者の方々に対し、避難用住居として県営住宅等を無償提供することとしたところであります。また、災害派遣医療チーム(DMAT)、災害派遣精神医療チーム(DPAT)、医療救護班などの医療支援のほか、被災建築物応急危険度判定士の派遣など、人的支援にも積極的に取り組んでまいりました。

 現在、被災地では復旧作業が進められておりますが、一日も早く復興されるよう心から願うものであります。今後とも、被災地の状況を把握しながら、ニーズを踏まえた出来る限りの支援を行ってまいりたいと考えております。

 近年、国内外で大規模な地震などの自然災害が頻発し、本県におきましても大雪や豪雨などの災害が発生しております。今年3月に策定した「事前防災及び減災等のための山形県強靭化計画」を念頭に置いて、地域防災計画の見直しや防災基本条例の制定に向けた検討を進め、今後一層の防災対策の充実・強化を図り、県民が安心して生活できる環境づくりに取り組んでまいります。

 次に、経済の動向、農作物の生育状況並びに当面の県政課題について、順次、御説明申し上げます。

【経済の動向】

はじめに、経済の動向について申し上げます。

 我が国の経済につきましては、このところ弱さもみられますが、緩やかな回復基調が続いております。生産は横ばいとなっており、個人消費は消費マインドに足踏みがみられる中、おおむね横ばいとなっておりますが、雇用情勢は改善しております。

 本県経済についてみますと、生産は足踏み状態となっておりますが、個人消費は一部に弱さがみられるものの持ち直しており、雇用情勢は改善が緩やかに続いているなど、全体として持ち直しております。

 しかしながら、海外景気の下振れなどによる国内外の経済情勢の変化が、本県に影響を与えることも予想されますので、その動向を注視してまいりますとともに、引き続き景気回復の動きをしっかりと支えていくための施策展開に万全を期してまいります。

【農作物の生育状況】

 次に、農作物の生育状況について申し上げます。

 今年は、春先から気温の高い日が続き、4月から5月の月平均気温は平年を上回り、生育は全体的に順調に推移しております。

 水稲につきましては、田植えが順調に行われ、現在のところ「つや姫」をはじめ、生育は良好となっております。

 果樹は、全般的に平年より1週間程度早い生育となっており、さくらんぼにつきましては、開花期が好天に恵まれたことや、受粉対策の実施等により、収穫量は平年の1万3,500トンを上回る1万4,200トン程度と見込まれております。

 また、7月中旬から出荷時期を迎えるすいか、メロンなどの露地野菜につきましては、病害虫の発生も少なく、順調に生育しております。

 今後とも、農作物の生育状況を的確に把握するとともに、気象変動に迅速に対応しながら、引き続き、適切な栽培指導を行ってまいります。

【当面の県政課題】

 次に、当面の県政課題について申し上げます。

 はじめに、国際交流の推進について申し上げます。

 5月17日から21日まで、私を団長として、観光、経済及び農業関係の皆様など総勢約30名で台湾を訪れ、トップセールスを行ってまいりました。

 台湾は、観光誘客の促進、県産品の輸出拡大を図るうえで非常に重要な地域であり、これまでの重点的な交流活動の結果、旅行客数の増加や県産品の販売の定着に結びついているものと考えております。

 今回の訪問では、本県と高雄市との間で、観光交流や教育旅行を通した相互の人的交流など、経済や文化における友好協力に関する覚書を締結いたしました。また、観光関係者とともに「日台観光サミット in 宜(ぎ)蘭(らん)」に参加し、台湾の観光関係の方々と人脈形成を図ったところであり、特に、開催地の宜蘭県とは、今後、相互に交流を深めていくこととなりました。

 観光誘客につきましては、台湾の航空会社や旅行会社に今後の チャーター便の運航を働きかけたほか、本県の観光の魅力を積極的にPRしてまいりました。県産品の輸出につきましては、常設販売を行っている高雄市の大立(だいりつ)百貨店に対し、県産品の取扱いの継続・拡大を要請したほか、県産酒のさらなる取引拡大に向けて、輸入業者の方と意見交換を行ってまいりました。

 県としましては、重要な市場である台湾との交流の成果を踏まえ、今後とも、本県の魅力をさらに発信し、観光誘客の促進や県産品の輸出拡大に取り組んでまいります。

 今年は、本県と米国コロラド州との姉妹交流30周年にあたるほか、中国黒龍江省にハルビン事務所を開設してから5周年を迎えるなど、友好都市との交流における節目の年となります。

 それぞれの周年記念事業が開催されることから、本県の訪問団が現地を訪れる予定となっております。これを機に、今まで培われてきた友好の絆を一層確かなものとし、今後の交流を推進してまいりたいと考えております。

次に、全国規模の大会の開催について申し上げます。

 第36回全国豊かな海づくり大会につきましては、9月10日、11日の開催まで残すところ約3か月となりました。4月には県、庄内2市3町及び水産関係団体で構成する実施本部を立ち上げたところであり、大会の円滑な実施運営に万全を期してまいります。これまで、各種イベントなどにおけるPRや、県内全域でのリレー放流の実施など、大会に向けて機運を盛り上げてまいりました。この大会を契機に、本県の水産業の振興と地域の活性化を図り、漁業関係者の活力の向上につなげてまいります。

 また、10月21日から24日まで第54回技能五輪全国大会が、さらに、10月28日から30日まで第36回全国アビリンピックが開催されます。5月21日には山形市で大会半年前イベントを 開催して機運を一層高めているほか、これまで東北各県と連携して選手の育成・強化を図ってまいりました。大会の開催によって、本県のみならず東北の将来を担う人材の育成と、震災からの東北のものづくりの復興・発展に結びつくよう、5月に策定した実施計画に基づき、準備に万全を期してまいります。

 いずれの大会にも全国から多くの方々が来県されますので、山形ならではの温かいおもてなしでお迎えするのはもちろんのこと、本県の豊かな自然、食、文化などの魅力を積極的に発信し、参加される皆様の心に残る大会にしてまいりたいと考えております。

次に、出羽三山の日本遺産認定について申し上げます。

 4月25日に、「自然と信仰が息づく『生まれかわりの旅』」と題し、出羽三山をテーマとした歴史や文化に関するストーリーが、本県では初めて文化庁の日本遺産に認定されました。

 歴史ある出羽三山は、江戸時代に「西の伊勢参り、東の奥参り」と称され、全国の信仰を集めるなど、東日本随一の高い精神文化を擁し、霊峰とそれが織り成す自然と信仰の結びつきが、現代もなお地域に息づいている、まさに本県の宝であり、日本の宝であります。

 今回の認定を契機として、関係市町や地元の観光協会等と連携し、地域の貴重な文化財を活用しながら、国内外に向けた情報発信や 普及啓発などに一丸となって取り組んでまいります。

 また、このほかにも県内各地に、滾々(こんこん)と湧き出る名水や雄大に連なる山々、日本一の数を誇る滝や美しい眺望景観など、国内外に誇れる、豊かな自然の恵みによる地域の宝が、数多く存在しております。

 こうした精神性の高い伝統文化や優れた環境資産を観光資源として活用し、その魅力を広く紹介することにより、観光振興や地域活性化につなげてまいります。

次に、奥羽・羽越新幹線の整備実現に向けた取組みについて申し上げます。

 地方と政府が一体となって取り組んでいる地方創生を実現するためには、高速道路や地域高規格道路、フル規格新幹線など、高速交通網をはじめとする社会資本の整備が重要であり、多様な広域 交通ネットワークの形成に力を入れて取り組む必要があります。

 奥羽・羽越新幹線につきましては、フル規格新幹線により全国が結ばれ、交流人口の拡大や産業の活性化が図られるという地方創生の実現の観点、さらには東日本大震災の教訓を踏まえた日本海側におけるリダンダンシー機能の確保という観点からも、その整備が必要不可欠であると考えております。

 このため、これまでも関係県と連携した政府等への要望活動のほか、県民への周知啓発など、機運の醸成に努めてきたところでありますが、これらの取組みをさらに加速するため、5月22日に、県内の市町村、経済界等と一体となった「山形県奥羽・羽越新幹線整備実現同盟」を立ち上げたところであります。

 今後は、この組織を中核的な推進母体として、政府等への要望をはじめ、県民への情報発信など、地域の一層の盛り上がりを図り、「オール山形」で整備実現に向けた重層的な取組みを力強く進めてまいります。

次に、建設業における処遇改善と人材の育成・確保について申し上げます。

 豊かで質の高い暮らしを維持し、災害対応や冬期の除排雪など、地域の安全安心を守るうえで、県土基盤の形成を支える建設業は重要な役割を果たしており、これまでも建設業の振興には意を用いて取り組んでいるところであります。

 しかしながら、建設業の処遇改善につながる公共工事の設計労務単価には地域格差があり、これが建設労働者の確保に支障をきたす一因となっております。このため、格差是正に向けた本県独自の取組みとしまして、低入札価格調査基準について、7月から国土交通省の基準価格を上回る水準に引き上げることといたします。また、政府に対しましては、過度な人材流動を防止する観点から、隣接県との格差是正を強く要請しているところであります。

 さらに、人材の育成につきましては、来年4月の県立産業技術短期大学校への土木エンジニアリング科の開設に向けた準備を着実に進めております。今後も建設業の振興を図るため、処遇改善と人材の育成・確保にさらに力を入れて取り組んでまいります。

次に、行財政改革の推進について申し上げます。

 これまで、平成25年3月に策定した「山形県行財政改革推進プラン」に基づき、県民参加による県づくりや県民視点に立った県政運営を推進するとともに、自主性・自立性の高い行財政運営を支える基盤づくりを着実に進めてまいりました。

 本年度は、同プランの推進期間の最終年度に当たることから、プランに掲げた項目が達成できるよう、今後も全庁を挙げて取組みを進めますとともに、県議会をはじめ、県民の皆様や山形県行政支出点検・行政改革推進委員会などから御意見をいただきながら新たな指針を策定し、引き続き行財政改革にしっかりと取り組んでまいります。

【議案の概要】

次に、このたび御審議いただきます議案の概要について御説明申し上げます。

 提案いたしました議案は、平成28年度山形県一般会計補正予算(第1号)など、19件であります。

 まず、一般会計補正予算について申し上げます。

 今回の補正予算は、平成28年熊本地震の発生に伴う被災地への支援のほか、政府の新たな交付金を活用したインバウンド観光の一層の推進など、直面する緊急的な課題に対応するための補正を行うものであります。

 まず、熊本地震への対応としまして、先ほど申し上げましたDMAT、DPAT、医療救護班等の派遣や被災地向け生活必需品の提供等に伴う経費を計上いたします。

 次に、インバウンド観光の一層の推進としまして、東日本大震災の影響により落ち込んだ訪日外国人旅行者を回復させ、東北の復興を加速するため政府が新たに創設した「東北観光復興対策交付金」を活用し、海外からの誘客拡大と観光振興の取組みを進めてまいります。海外向けの積極的な誘致活動や多様な媒体による情報発信のほか、受入態勢の整備、交通利便性の充実を図るなど、ニーズに的確に対応した施策を展開してまいります。

 「観光立県山形」として、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックまではもちろんのこと、さらにその後も見据えて、東北各県や市町村及び民間との連携を図りながら、ハード・ソフト両面におけるインバウンド観光の推進にしっかりと取り組んでまいります。

 次に、喫緊の課題等への対応としまして、活断層付近の県立学校施設の耐震診断を早期に実施するほか、奥羽・羽越新幹線の整備実現に向けた取組みを強化してまいります。

 この結果、今回の一般会計補正予算総額は、12億3,300万円となり、今年度の累計予算額は、6,247億9,200万円となります。

 次に、予算以外の議案の主なものについて御説明申し上げます。

 山形県民生委員の定数に関する条例の一部を改正する条例の制定につきましては、世帯数の変動等に伴い、民生委員の定数を変更するためのものであります。

 山形県県立学校設置条例の一部を改正する条例の制定につきましては、山形県立米沢養護学校西置賜校を新設するためのものであります。

 平成27年度山形県一般会計補正予算(第6号)及び山形県県税条例等の一部を改正する条例の設定についての2件の専決処分の承認につきましては、いずれも急施(きゅうし)を要したために専決処分をいたしましたので、その御承認をお願いするものであります。

 山形県公安委員会委員の任命につきましては、委員の任期満了に伴い、提案の者を適任と認め、御同意をお願いするものであります。

 以上が、今回提案いたしました議案の概要でありますが、内容の詳細につきましては、議事の進行に従いまして、関係部課長より御説明申し上げますので、よろしく御審議のうえ、御可決くださいますようお願いいたします。


 

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