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9月定例会 (平成27年9月14日)

 県議会9月定例会の開会にあたり、提案いたしました議案の説明に先立ち、一言申し上げます。

 今月上旬に日本を襲った台風18号の影響などにより、関東地方や東北地方の各地において大きな被害が発生いたしました。お亡くなりになられた方々と御遺族に対し深く哀悼の意を表しますとともに、負傷された方々や家屋の流出などの被害に遭われた方々に、心からお見舞いを申し上げます。

【大雨被害への対応等】

 本県におきましても、負傷者や建物の浸水被害が発生するとともに、河川の水位上昇や越水などにより、5市町で住民に避難指示・勧告等が出されたほか、大雨により、道路などの土木施設や農作物にも被害が生じております。また、山形自動車道や国道、県道が通行止めとなったほか、山形新幹線や仙山線などの列車の運休や山形空港の発着便にも欠航が生じるなど、交通網に大きな影響が発生いたしました。

 県としましては、関係機関と協力しながら、被災箇所の早期復旧や農作物の技術指導など全力で取り組んでまいります。

 次に、経済の動向、農作物の生育状況並びに当面の県政課題について、順次、御説明申し上げます。

【経済の動向】

はじめに、経済の動向について申し上げます。

 我が国の経済につきましては、このところ改善のテンポにばらつきもみられますが、緩やかな回復基調が続いております。生産はこのところ横ばいとなっておりますが、個人消費は総じてみれば底堅い動きとなっており、雇用情勢は改善傾向にあります。

 本県経済についてみますと、生産にやや足踏み感がみられ、個人消費は一部に弱さがみられるものの、いずれも持ち直しており、雇用情勢は改善が緩やかに続いているなど、全体として持ち直しております。

 なお、先行きにつきましては、雇用や所得環境の改善傾向が続いている中で、緩やかに回復していくことが期待されますが、海外景気の下振れや円安傾向による物価の動向など、国内外の経済情勢が本県に影響を与えることも予想されますので、今後も引き続きその動向を注視してまいります。

【農作物の生育状況等】

次に、農作物の生育状況等について申し上げます。

 7月から8月上旬にかけて高温と少雨が続いた後、8月中旬から9月上旬は平年と比較して気温が低く、日照時間が少なく経過するなど、農作物の生育にとって厳しい天候が続きました。また、台風18号などに伴う大雨の影響で収穫の一部にやや遅れも見られて おります。しかしながら、生産者の皆様によるきめ細かな栽培管理などにより、農作物の生育は総じて安定しており、品質は良好となっております。

 水稲につきましては、順調に生育し、出穂(しゅっすい)期は平年より3日程度早まり、その後も気象変動に対応した適切な水管理等が行われ、現在、収穫期を迎えているところです。農林水産省が公表した8月15日現在の作柄概況によりますと、本県は「やや良」とされております。しかしながら、8月中旬以降の気象変動などによる品質への影響が懸念されますので、関係機関・団体と連携しながら、適期内の刈取りの徹底などを引き続き指導してまいります。また、「つや姫」につきましても、順調に生育しており、今年も高品質・良食味が期待されるところであり、テレビCMや店頭キャンペーン等のPRを積極的に展開しながら、日本のトップブランド米としての地位を確立してまいりたいと考えております。

 果樹につきましては、まもなくりんご「秋陽(しゅうよう)」やぶどう「シャインマスカット」などの収穫盛期を迎えます。果樹の生育は、総じて順調であり、また、野菜につきましては、えだまめやアスパラガスなどの生育も良好で、市場からは品質の良さを高く評価されております。

 実りの秋を迎え、今後とも農作物の生育状況を的確に把握するとともに、適切な栽培管理が行われるよう、技術指導の徹底を図ってまいります。

【当面の県政課題】

次に、当面の県政課題について申し上げます。

はじめに、「やまがた創生」に向けた総合戦略の策定について申し上げます。

 本県では、人口減少に改めて危機意識を持ち、昨年度「人口減少対策プロジェクトチーム」による中間報告をとりまとめ、今年度から先行的に取組みを進めているところであります。

 4月に「山形県総合戦略推進本部」を立ち上げ、総合政策審議会をはじめ、県民の皆様から広く御意見をお聞きしながら、このたび、本県版の地方創生総合戦略である「やまがた創生総合戦略」の案をお示しいたしました。

 この中では、「豊かな山形の資源を活かして雇用を創出」、「山形に住もう・帰ろうプロジェクトを推進」、「若い世代の結婚・出産・子育ての希望を実現」、「安心と活力ある地域を創出」の4本を基本目標に掲げ、本県の特性を最大限に活用して「やまがた創生」をけん引する「挑みの八策」に重きを置きながら、具体的な施策に取り組むこととしております。

 人口減少は、産業活力の低下や地域コミュニティの弱体化など地域社会の根本を揺るがしかねない影響を及ぼしますので、私は、何としても人口減少に歯止めをかけなければならないとの思いに立って、「自然と文明が調和した理想郷山形」の将来ビジョンの実現に向け、県づくりに取り組んでおります。

 今後、県民の皆様、県議会の皆様から十分に御意見をお聞きしながら、10月中に総合戦略を策定し、人と地域が輝く「やまがた創生」の実現に向けて取り組んでまいります。

次に、山形県新電力(仮称)の設立に向けた取組みについて申し上げます。

 山形県新電力(仮称)につきましては、県内の発電事業者から電力を調達し、需要家に供給するという仕組みにより、再生可能エネルギーの導入拡大を通して、エネルギーの「地産地消」と「供給基地化」を進め、災害対応力を強化するとともに、本県の産業振興や地域経済の活性化を図るものであり、都道府県としては全国初の新電力事業となります。

 県と経済界が一体となって運営することに意義がありますので、県内の経済団体の代表の方々から御協力をいただき、出資していただく予定の企業18社が8月に決定いたしました。

 来年4月からの事業開始を目指し、現在、今月中の新会社設立に向け準備を進めているところであり、これを契機として本県における再生可能エネルギーの導入拡大につなげてまいります。

次に、「観光立県」の実現に向けた取組みについて申し上げます。

 平成26年度の本県への観光客入込数は、4,517万1千人となり、目標に掲げた4,500万人を上回り、過去最高となりました。これは、山形デスティネーションキャンペーン(山形DC)の展開や東北六魂祭、国際青年会議所アジア太平洋会議(JCIASPAC)山形大会、全国育樹祭など全国規模のイベントの開催において、多くのお客様をお迎えし、特に山形DCでは、山形の素晴らしさを満喫し、山形の旅を楽しんでいただけるよう、官民一体での取組みを行ったことが実を結んだものと、大変喜ばしく思っております。

 今年は、ポストDCとして、6月13日から今月12日までの3か月間にわたり「山形日和。」観光キャンペーンを展開し、期間中は、22万5千人の来場者数となった「第4回日本一さくらんぼ祭り」をはじめ、広域周遊企画の充実など、山形の魅力をこれまで以上に味わい、楽しんでいただけるよう「県民総参加、全産業参加」により様々な取組みを進めてまいりました。さらなる交流人口の拡大と観光力の底上げに向けて確かな手ごたえを感じているところであります。

 また、6月29日に販売を開始したプレミアム付きの「山形日和。」旅行券について、県内外の皆様から高い関心が寄せられたことから、今後、販売枚数の追加を行い、宿泊施設・観光施設の利用拡大や県産品の購入による観光消費の喚起・拡大に着実に結びつくよう、取組みを進めてまいります。

 一方、本県は冬季に観光客が減少することを踏まえ、山形の「雪」の魅力を県内外に発信する新たなイベントとして、「雪まつり」を来年1月下旬に開催し、冬場の観光誘客の底上げを図るとともに、これを県内各地で行われる冬の祭りの周遊にもつながるようにしてまいりたいと考えております。

 今後も昨年来の成果を活かし、「住んでよし、訪れてよし」の本県の魅力を多くの方々に実感していただけるよう、引き続き官民一体となって、「観光立県」山形の実現に向けて取り組んでまいります。

次に、「ミラノ国際博覧会」への出展について申し上げます。

 10月9日、10日の2日間にわたり、「『農業県やまがた』からヘルシー&豊穣、幸せな田舎生活の提案」をテーマに、イタリアで開催されている「ミラノ国際博覧会」に出展いたします。

 博覧会では、本県を代表する郷土料理の芋煮をはじめ、「つや姫」やえだまめの試食、県産酒などの試飲のほか、伝統野菜の漬物の紹介などを行います。また、山形鋳物、漆器、米織のテーブルクロスなど食を彩る伝統工芸品の展示のほか、地域で受け継がれている民芸品の紹介や有機ELの展示を行い、山形文化の魅力を「幸せな田舎生活の提案」と銘打って広く発信してまいります。

 また、博覧会への出展に合わせて、ミラノ市内において地元の卸売業者や料理界の方々をはじめ、現地政府や文化財団の関係者を招いたレセプションを開催するほか、ぶどうやワインの産地として知られるピエモンテ州アスティ県への訪問を行うなど、本県の食文化の豊かさや奥深さの魅力を多くの方々に知っていただくとともに、四季折々の自然や文化などの素晴らしさをアピールしてまいります。

 今回の出展や関連する交流活動を契機として、山形ブランドをEU市場に積極的に売り込むことで、県産品の販路の開拓・拡大を進め、観光を含めた今後の交流拡大に結びつけてまいりたいと考えております。

次に、「山形県版CCRC」の導入に向けた取組みについて申し上げます。

 8月25日に政府の有識者会議は、移住を希望する高齢者の生活拠点づくりに関し、「生涯活躍のまち(日本版CCRC)」構想の中間報告を取りまとめました。この構想は、高齢者が自らの希望により、地方やまちなかに移り住み、地域住民や多世代と交流しながら、健康でアクティブな生活ができるような地域づくりを目指すものであり、地方公共団体の役割として、地域の特性や強みを活かした具体的な構想や計画を策定し、関係者と協働した取組みを推進することが求められているところであります。

 本県では、「健康長寿やまがたの実現」を目指した取組みを進めておりますので、高齢になっても活き活きと安心して暮らせる「生涯活躍のまちづくり」を推進するとともに、地域の雇用を確保し、若年者の定住を促進するという「やまがた創生」の観点からも、総合戦略の中に位置づけ、取組みを進めてまいりたいと考えております。

 本県の豊かな自然や文化などの魅力を活かした「山形県版CCRC」構想を策定していくとともに、市町村との連携を図りながら、今後の実現に向けた検討を行ってまいります。

次に、総合支庁の見直しについて申し上げます。

 県議会の皆様や市町村などの御意見を踏まえ、3月に策定しました「総合支庁の見直し方針」に基づき、業務の整理や組織体制の検討を進めており、8月24日にその中間とりまとめを決定したところであります。

 その中では、総合支庁は、県庁との役割分担の明確化と連携の強化の下、地域の市町村支援への重点化を図るとともに、引き続き災害対応などの現場機能を担っていくこととしております。

 今後も、各方面から御意見をお聞きしながら検討を進め、今年度中に見直しの内容を決定し、平成28年度からの新体制の移行に反映してまいります。

次に、平成28年度県政運営の基本的考え方について申し上げます。

 来年度の予算編成や組織機構等の検討に先立ち、このたび、「平成28年度県政運営の基本的考え方」の案をお示しいたしました。

 平成28年度は、県民一人ひとりが喜びと幸せを実感できる「自然と文明が調和した理想郷山形」の実現に向け、「産業の振興」と「地域の再生」の2つの視点を重視し、これまでの成果を活かして取り組む4本の成長戦略を「やまがた創生総合戦略」によって加速させ、第3次山形県総合発展計画「短期アクションプラン」を着実に推進してまいります。

 これにより、山形らしい、山形にしかできない新しい成長を実現し、東北全体の創生・日本の創生に貢献してまいりたいと考えております。

 今後、この案につきまして、県民の皆様、県議会の皆様から広く御意見をいただき、それらを十分に踏まえたうえで「平成28年度県政運営の基本的考え方」を策定し、来年度の予算編成等に臨んでまいります。

【議案等の概要】

次に、このたび御審議いただきます議案の概要について御説明申し上げます。

 提案いたしました議案は、平成27年度山形県一般会計補正予算(第2号)など37件であります。

 まず、一般会計補正予算について申し上げます。

 今回の補正予算は、「やまがた創生」の実現に向けた先導的な施策を展開するとともに、県勢の発展に向けた喫緊の課題に対応するための補正を行うものであります。

 第1に、「やまがた創生」の実現に向けた施策の展開であります。

 「やまがた森林(モリ)ノミクスの推進」として、来年4月の農業大学校への林業経営学科(仮称)の設置に向けた施設の改修や機材などの整備を行うとともに、先端林業の人材育成に取り組んでまいります。また、県産木材の需要を拡大するため、県産木材を使用した住宅建築に対する助成を追加いたします。

 「食産業王国やまがたの推進」につきましては、ミラノ国際博覧会において県産品のPRを行うとともに、今回の出展を契機とした本県とイタリアとの交流拡大に取り組んでまいります。また、水稲新品種である「山形112号」の早期の銘柄確立及びブランド化に向けた推進体制を整備いたします。

 「雪の魅力を活用した国内外からの冬季の誘客拡大」につきましては、寒河江市を会場とした新たな「雪まつり」を関係市町と連携して開催するほか、外国人観光客の利便性向上に向け、免税店の開設を支援してまいります。また、日台観光サミットを契機として運航される見通しとなった台湾からのチャーター便に対する支援を拡充いたします。

 「山形の産業を牽引する人材の育成」につきましては、産業技術短期大学校への土木エンジニアリング科(仮称)の平成29年4月の設置に向け、教室の整備のための実施設計を行うとともに、建設産業における若手従事者等の大型車両等運転免許の取得に対する助成を追加いたします。

 「やまがたの豊かな恵みを活用した地域活力の向上」につきましては、水環境保全の推進と観光資源としての活用を図るため、本県の優れた湧水を「名水」として選定し、県内外へ広く紹介してまいります。また、県内への移住者の暮らしぶりや様々な支援策について情報発信を強化し、本県への移住を促進してまいります。

 第2に、県勢の発展に向けた喫緊の課題への対応であります。

 まず、「未来を築く子育て支援・人づくりの充実」に向けて、本年4月からの「子ども・子育て支援新制度」による施策を総合的に推進していくほか、保育士の人材確保を図るため、若年保育士の正規雇用化に対する奨励金を追加いたします。また、西置賜地域における特別支援学校分校の高等部設置に向けた改修工事の実施設計を行います。

 次に、「安全・安心な社会の構築」につきましては、地域医療介護

総合確保基金の積み増しを行うほか、「山形県版CCRC」の導入に向けたコンセプトづくりを行うとともに、構想策定に意欲のある市町村に対する支援を行ってまいります。

 「産業振興・観光交流の拡大」に向けて、中小企業へのプロフェッショナル人材のUIJターンにより地域と企業の成長戦略を実現するための体制を整備するほか、県内観光における消費喚起・拡大を図るため、「山形日和。」旅行券の10月販売分を3万枚追加いたします。また、韓国との経済交流体制の整備・強化を図るため、新たに経済貿易コーディネーターを設置し、県産品の輸出拡大に取り組んでまいります。

 また、「農業を支える人材・基盤づくり」に向けて、農業経営の法人化及び担い手の円滑な経営継承等を促進し、既存の法人を次世代に継承していく体制を整備してまいります。

 「地域活力の創出」につきましては、ふるさと納税による寄付者の増加に向けたキャンペーン及び広報活動の充実強化を図るほか、選挙権年齢が18歳に引き下げられることを踏まえ、選挙啓発強化のため研修会やシンポジウムを開催いたします。

 さらに、「社会資本の整備・強化」につきましては、雪崩危険箇所における対策工事や、蔵王山・鳥海山の火山噴火緊急減災対策などの災害対策を実施するほか、酒田港における取扱コンテナ数の増加見通しに伴うコンテナヤードの拡張に向けた設計等を行います。

 この結果、今回の一般会計補正予算総額は、47億4,500万円となり、今年度の累計予算額は、6,233億7,800万円となります。

 次に、予算以外の議案の主なものについて御説明申し上げます。

 山形県立総合療育訓練センター条例の一部を改正する条例の制定につきましては、総合療育訓練センターの名称をこども医療療育センターに変更するためのものであります。

 山形県立農業大学校条例の一部を改正する条例の制定につきましては、来年4月に林業経営学科(仮称)を新設することから、農業大学校の名称を農林大学校に変更する等のためのものであります。

 山形県病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例の制定につきましては、病院事業の診療科目を新設するためのものであります。

 山形県教育委員会委員の任命につきましては、委員の任期満了に伴い、提案の者を適任と認め、御同意をお願いするものであります。

 以上が、今回提案いたしました議案の概要でありますが、内容の詳細につきましては、議事の進行に従いまして、関係部課長より御説明申し上げますので、よろしく御審議のうえ、御可決くださいますようお願いいたします。

 なお、平成26年度一般会計及び公債管理特別会計など10特別会計、並びに電気事業会計など5公営企業会計の決算につきましては、監査委員の審査意見書を付し、今会期中に提出いたしますので、よろしく御審議のうえ、御認定くださいますようお願いいたします。


 

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