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12月定例会(2015年12月3日)

 県議会12月定例会の開会にあたり、提案いたしました議案の説明に先立ち、経済の動向並びに当面の県政課題について、御説明申し上げます。

【経済の動向】

 はじめに、経済の動向について申し上げます。

 我が国の経済につきましては、このところ一部に弱さもみられますが、緩やかな回復基調が続いております。生産はこのところ弱含んでおりますが、個人消費は総じてみれば底堅い動きとなっており、雇用情勢は改善傾向にあります。

 本県経済についてみますと、生産は足踏み状態となっておりますが、個人消費は一部に弱さがみられるものの持ち直しており、雇用情勢は改善が緩やかに続いているなど、全体として持ち直しております。

 なお、先行きにつきましては、雇用や所得環境の改善傾向が続いている中で、緩やかな回復に向かうことが期待されますが、海外景気の下振れや円安傾向による物価の動向など、国内外の経済情勢が本県に影響を与えることも予想されますので、今後も引き続きその動向を注視してまいります。

【当面の県政課題】

 次に、当面の県政課題について申し上げます。

 はじめに、TPP協定交渉の大筋合意を踏まえた対応について申し上げます。

 TPP協定につきましては、10月5日に日本、米国をはじめとする参加12ヵ国の間で大筋合意に達したところであります。

 今後、協定の発効により、世界のGDPの約4割を占める巨大経済圏が誕生することとなり、貿易相手国の関税撤廃などにより、自動車関連産業をはじめ幅広い業種で輸出拡大につながることが期待されております。その一方で、農林水産分野につきましては、コメの輸入枠拡大、牛肉・豚肉に係る関税の大幅な引き下げ、さらには本県の重要品目のさくらんぼをはじめ約8割に及ぶ農林水産物の関税撤廃などの合意がなされたことにより、本県へのマイナスの影響が懸念されます。

 政府は、10月9日に「TPP総合対策本部」を設置し、さらに11月25日には「総合的なTPP関連政策大綱」を策定し、TPPを契機とした新たな市場開拓や農林水産分野をはじめとする様々な影響に関する不安の払しょく等に向けた取組みを進めております。

 このような中で、県としましては、全庁を挙げてTPP協定に関する情報の収集や県内に及ぼす影響の分析を行うとともに、適切な対応を図るため、10月21日に「山形県TPP総合対策本部」を設置し、農林水産業者、商工業者及び関係団体等に聞き取りを行ったところであります。加えまして、特に農林水産分野における対応を検討するため、10月30日に有識者、農林水産関係団体、流通関係者、消費者等で構成する「農林水産分野TPP対応検討チーム」を立ち上げるなど、関係者による意見交換や情報共有を図り、多角的な視点から影響の分析を進めております。

 また、北海道東北地方知事会とも連携しながら、政府に万全の対応を要請するとともに、11月18日には、政府の大綱に本県の実情が反映されるよう、県独自に提案・要望活動を行ったところであります。本県では、やまがた創生の取組みを本格化させていく重要な時期であり、政府による万全な対応がなされない場合、地方創生の流れに水を差すおそれもあると考えております。

 県としましては、大綱に基づく政府の具体的な対策の動向を注視しながら、政府の予算などに本県からの提案内容が的確に反映されるよう継続して働きかけを行うなど、TPP協定によるマイナスの影響の緩和と農林水産分野等の体質強化、さらに輸出拡大などに向けてしっかりと取り組んでまいります。

 次に、森林(モリ)ノミクスの推進について申し上げます。

 本県の県土面積の約7割を占める森林は、木材の供給はもとより、水資源の涵養、県土の保全、地球温暖化の防止、そして自然景観の形成などの多面的機能を有しており、産業活動や暮らしに大きな役割を果たしております。

 私は知事就任以来、本県の豊かな森林を地域資源と捉え、林業を振興し、新たな雇用を生み出して、農山村地域の活性化につなげていきたいと考えてまいりました。また、東日本大震災が発生した際には大規模な停電や燃料の供給不足が起こり、県民生活に多大な影響が生じたことで、石油をはじめとする化石燃料にあまりにも大きく依存していたことに改めて気づき、それと同時に、先人から受け継いだ豊かな森林資源を「森のエネルギー」、「森の恵み」としてもっと活かしていかなければならないと痛感いたしました。

 こうした思いから、平成24年3月に「山形県エネルギー戦略」を策定し、木質バイオマスを活用した発電や熱エネルギーの導入拡大を盛り込み、平成25年11月には県内すべての市町村と連携して「やまがた里山サミット」を設立し、「やまがた森林(モリ)ノミクス」を宣言したところであります。また、昨年10月に開催された「第38回全国育樹祭」は、県民の森づくりの気運を大いに高めたほか、今年は11月27日に、本県の提唱により「第1回全国森林(モリ)ノミクスサミット」が開催され、その理念や実践の重要性を改めて強く認識したところであります。

 木を植え、育て、使い、そして再び植えるという「緑の循環システム」による持続可能な社会の構築に向けて、県民一人ひとりがこれまで以上に森林資源の大切さや、その利活用に対する意識を高め、主体的に向き合い行動する時期に来ていると考えております。

 こうした中、県内におきましては、新庄市で大型集成材工場の整備が進められているほか、各地域で木質バイオマス発電施設の整備が計画されるなど、木材関連産業による経済波及効果が期待されております。今後は、計画的な林業経営を推進し、県内の木材需要の増加に的確に対応するとともに、森林から受ける恩恵を次世代にしっかりとつなげていくことが重要であります。

 このため、「緑の循環システム」をしっかりと構築するとともに、交流人口を拡大し、林業の振興や雇用の創出、人材育成、さらには自然・景観の保全など、関連する施策を総合的に展開していく必要があると考えております。今後、各方面から広く御意見をお聞きしながら、その道標となる条例の制定も視野に入れ、官民一体と

なって「やまがた森林(モリ)ノミクス」の取組みを推進してまいります。

 次に、国際交流の拡大に向けた取組みについて申し上げます。

 10月9日、10日の2日間にわたり、「『農業県やまがた』からへルシー&豊穣、幸せな田舎生活の提案」をテーマに、イタリアの「ミラノ国際博覧会」に出展いたしました。山形芋煮やつや姫、日本酒など本県の農産物や加工品について、来場者から大変好評をいただいたほか、やまがた舞子や和服などの伝統文化、笹野一刀彫や山形鋳物、こけし、将棋の駒などの伝統工芸に強い興味や関心を示していただきました。

 また、博覧会への出展とあわせ、地元行政機関や食品卸売業者、レストラン関係者など多様な方々との人的ネットワークを築き、現地で6名の方を「やまがた特命観光・つや姫大使」に委嘱いたしました。さらに、地域の文化財・文化遺産の保全・活用の活動を展開するロムアルド・デル・ビアンコ財団との間で、本県の情報を財団のネットワークを通して発信するなどの覚書を締結いたしました。

 博覧会への出展等を契機に、ミラノ市内での山形フェアの開催や現地企業による博覧会の展示品等のトライアル販売などが行われているほか、今年度中に現地バイヤーを招聘した県内企業との商談会の開催を予定しております。

 今回の活動の成果と課題をしっかりと評価・検証しながら、開催地であるイタリアを中心としたEUへの県産品の輸出開拓・拡大はもとより、観光や食文化など広く交流拡大につながるようにしてまいりたいと考えております。

 次に、11月19日から24日まで、私が団長となり、産業界、観光関係、農業関係の皆様など総勢約60名により、台湾とシンガポールを訪れ、トップセールスを行ってまいりました。今回の訪問で、今後のさらなる交流の拡大に向けて、確かな手ごたえを感じてきたところであります。

 台湾におきましては、今年5月に本県で開催した日台観光サミットでの合意に基づき、台湾観光協会と本県観光物産協会との間で人材交流に関する覚書が締結されました。また、現地の航空会社や旅行会社に新たな「雪まつり」をはじめとした本県の魅力をPRした結果、新たに、この冬、18便のチャーター便が運航されるほか、春にも台湾との双方向チャーター便の運航が決まったところであります。

 さらに、本県と現地の企業を合わせ65社が参加した商談会が行われたほか、本県産農産物の常設販売を行っている高雄(たかお)市(し)の大立(だいりつ)百貨店におきましては、来年度も引き続き常設販売コーナーを設置し、さらなる県産品の取扱いについて合意をしてまいりました。

 また、シンガポールにおきましては、日本の情報発信拠点であるJCC(ジャパン・クリエイティブ・センター)を会場に、東北の県としては初めてとなる工芸品展を開催いたしました。オープニングイベントでは、現地のメディアや観光関係者をお招きし、本県の観光資源や食材も含め、多くの方々に「山形ブランド」の素晴らしさをお伝えできたものと実感しております。

 台湾、シンガポールとも本県にとって重要な地域でありますので、「山形ブランド」の定着に努め、観光誘客の促進や県産品の輸出拡大に努めてまいります。

 次に、薬物の濫用防止対策について申し上げます。

 いわゆる危険ドラッグは、使用者本人に健康被害をもたらすだけでなく、重大な事件や事故を引き起こすなど、社会に及ぼす影響の大きい極めて危険な薬物であります。

 政府では、法改正による薬物規制の強化や相談体制の整備など、未然防止対策の充実強化を図っておりますが、現在も新たな危険薬物が確認されております。

 本県におきましても、危険ドラッグの使用が原因とみられる事件・事故が発生していることや、インターネットを介した若い世代への危険ドラッグの広がりが指摘されていることから、その撲滅に向けた取組みを強力に推進していく必要があります。

 薬物の濫用防止につきましては、これまでも心身の健康への影響についての周知を図ってきたところであり、今年度は、危険ドラッグ撲滅運動強化月間を設定するなど、市町村や関係団体と連携しながら、主に若者への啓発運動を積極的に展開しております。

 さらに、危険ドラッグの販売や使用を規制するためには、法律による規制に加え、県独自の対策を講じる必要があることから、有識者等で構成する「山形県危険ドラッグ対策検討委員会」において規制のあり方等についての検討を重ね、このたび「山形県危険な薬物から県民の命とくらしを守る条例」を提案いたしました。

 今後は、県民、事業者、行政等の関係者相互の連携を一層密にしながら、規制と啓発の両面から危険ドラッグの撲滅を推進し、危険な薬物の濫用から県民の生命と安全を守り、県民が平穏に、かつ安心して暮らせる健全な社会の実現を図ってまいります。

【議案の概要】

 次に、このたび御審議いただきます議案の概要について御説明申し上げます。

 提案いたしました議案は、平成27年度一般会計補正予算など、36件であります。

 次に、このたび御審議いただきます議案の概要について御説明申し上げます。

 まず、一般会計補正予算について申し上げます。

 今回の補正予算は、職員の異動等を踏まえた人件費のほか、9月の大雨災害による道路及び河川の復旧対応に要する経費の補正などを行うもので、一般会計補正予算総額は、7億4,300万円の減額となり、今年度の累計予算額は、6,226億3,500万円となります。

 繰越明許費につきましては、公共工事の事業量の平準化を図る観点から、総額で135億7,100万円余を計上するものであります。

 債務負担行為の補正につきましては、工事の早期着工を図るため、いわゆるゼロ県債として5事業で5億900万円を計上するなど、6件を追加いたします。

 土地取得事業特別会計など3特別会計及び電気事業会計など4公営企業会計の補正予算につきましては、人件費等を補正するものであります。

 次に、予算以外の議案の主なものについて申し上げます。

 山形県職員の退職管理に関する条例の設定につきましては、地方公務員法の一部改正に伴い、職員の退職管理に関し必要な事項を定めるためのものであります。

 山形県個人番号の利用に関する条例の設定につきましては、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴い、個人番号の利用に関し必要な事項を定めるためのものであります。

 山形県職員の退職管理に関する条例の設定につきましては、地方公務員法の一部改正に伴い、職員の退職管理に関し必要な事項を定めるためのものであります。

 以上が、今回提案いたしました議案の概要でありますが、内容の詳細につきましては、議事の進行に従いまして、関係部課長より御説明申し上げますので、よろしく御審議のうえ、御可決くださいますようお願いいたします。


 

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