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9月定例会 (2011年9月20日)

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県議会6月定例会(追加提案) 知事説明要旨

(2011年9月20日)

県議会9月定例会の開会にあたり、一言申し上げます。

今月上旬に日本を襲った台風12号は、近畿地方を始め日本各地に大きな被害をもたらしました。お亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして深く哀悼の意を表するとともに、負傷された方々や家屋の流失などの被害に遭われた方々に、心からお見舞いを申し上げます。

本県におきましても、7月から8月にかけての豪雨により、庄内、最上地方を中心に、地すべりによる建物の損壊や道路、河川等の土木施設の被害のほか、農林水産関係にも被害が生じております。県といたしましては、関係機関と協力しながら、被災箇所の早期復旧や農作物等の被害対策に努めてまいります。

東日本大震災の影響が未だ続いている中にあって、立て続けに発生した被害は、災害に対する心構えと備えの重要性を、改めて認識させるものであります。引き続き、県民の皆様の安全安心を確保する防災体制の整備に万全を期してまいります。

次に、経済の動向、農作物の生育状況並びに当面の県政課題について、順次、御説明申し上げます。

【経済の動向】

はじめに、経済の動向について申し上げます。

わが国の経済動向につきましては、消費、生産等の経済指標に持ち直しの動きが見られるものの、東日本大震災の影響で依然として厳しい状況にあります。

今後、供給網の立て直し、海外経済の緩やかな回復などを背景に、改善の傾向が続くことが期待されておりますが、電力供給の制約や原子力災害の影響、海外景気の下振れ懸念に加え、歴史的な円高の進行や株価の低迷などにより、なお予断を許さない状況にあります。

本県経済について見ますと、雇用情勢は依然として厳しい状況にあります。生産活動や個人消費では持ち直しの動きが続いており、特に、鉱工業生産は、震災前の水準を上回ってきております。

しかしながら一方で、円高などにより、本県の景気・雇用への影響などが懸念されますことから、引き続き国内外の経済の動向を注視しつつ、機動的に対応してまいります。

【農作物の生育状況等】

次に、農作物の生育状況等について申し上げます。

水稲については、出穂(しゅっすい)も平年並みとなっており、収穫作業もほぼ例年どおりに始まっております。

去る8月31日に国から公表された作柄概況によりますと、本県の作柄は「平年並み」と予想されておりますが、出穂後の8月上・中旬が高温で経過したことから品質への影響も心配されますので、注意深く状況把握に努めてまいります。

なおデビュー2年目となる「つや姫」につきましても、順調に生育しており、日本を代表するブランド米としての評価確立に向けて、私が先頭に立って全国にアピールしてまいります。

果樹については、春先の生育の遅れや夏の高温の影響で着色が進まず、現在の出荷量は例年より少なくなっております。

野菜については、きゅうりをはじめ、作柄はやや平年を下回る見込みとなっており、特に、庄内地域のえだまめは、大雨などの影響で作柄は悪くなっております。

全体的に気候変動の大きい状況が続いておりますが、今後とも、農作物の生育状況を的確に把握するとともに、適切な栽培管理が行われるよう、技術指導の徹底を図ってまいります。

次に、県産農畜産物等に係る放射性物質への対応について申し上げます。

まず、本年産米の放射性物質調査については、昨日、本調査231地点で全て不検出であることを公表いたしました。この結果、他の東北各県に先駆けて、全県下で出荷自粛の解除となったところです。稲作農家の皆様には、適期・適正な作業を進めていただき、おいしくて安全な県産米を全国の消費者の皆様に届けていただきたいと思います。

引き続き、県独自のブランド戦略調査を実施するなど、主食である米の安全・安心の確保を徹底してまいります。

県産農畜産物等については、これまでも牛肉の全頭検査をはじめ収穫、出荷期を迎えた各種農産物の検査を実施するとともに、県内外でのキャンペーンを積極的に展開し、消費拡大を図ってきたところですが、引き続き安全性の確認に万全を尽くしながら、様々な機会を捉えて県産農畜産物のおいしさと安全性を積極的にPRしてまいります。

【当面の県政課題】

次に、当面の県政課題について申し上げます。

まず、東日本大震災への対応状況について申し上げます。

震災発生から半年余りが経過し、被災地では避難所から仮設住宅への移転が進んでいるなど、復旧から復興に向けた歩みが着実に進んでおりますが、その一方で、原発事故については、収束の見通しが不透明です。

改めて、一日も早い被災地の復興と被災者の生活再建、原発事故の収束を強く願うものであります。

このたびの震災を教訓として、本県における防災対策の基本となる地域防災計画の見直しを進めており、市町村と連携を図りながら津波防災対策をはじめ、避難情報の伝達や避難所の確保・整備について取り組んでまいります。さらに、原子力災害への対応を新たに盛り込むこととしております。

また現在、一万人を超える避難者の方々が県内で生活されており、福島県から自主避難される方々の増加が続いております。

こうしたことを踏まえ、このたびの補正予算において、生活支援情報の提供や、避難者向け借上げ住宅を追加するなど、避難生活の長期化や生活基盤の多重化等を踏まえた支援体制を強化したところです。

今後とも、市町村や関係機関と協力しながら、避難者の方々が県内で安心して生活できるよう、きめ細かな対応に努めてまいります。

放射線対策につきましては、県民生活や産業活動への影響を適確に把握し、その安全性を迅速に公表できるよう、検査機器の整備強化を図ってまいりましたが、今般、民間の検査機関も含めた検査体制の構築に向けた財政上の措置を講じることができました。

今後とも、継続的に検査を実施し、その結果を公表していくことで、放射線に対する県民の不安感の解消と農畜産物などの県産品に対する風評被害の防止に努めてまいります。

次に、日本海沿岸東北自動車道の整備促進について申し上げます。

8月24日、国土交通省から、日本海沿岸東北自動車道の新潟県境部と秋田県境部の2区間についての計画段階評価着手が発表されました。

今回の発表につきましては、東日本大震災における教訓を踏まえ、東北全体の復興・発展のためには太平洋側と日本海側のバランスの取れた高速道路の整備が必要であるとする、本県の主張が認められたものであり、大変喜ばしいことと考えております。

今後とも、この区間の事業化に向けた働きかけを含め、山形県の発展に欠くことのできない社会インフラである高速道路等のミッシングリンクの早期解消に向け、全力で取り組んでまいります。

次に、エネルギー政策の推進について申し上げます。

今回の福島第一原子力発電所の事故を踏まえますと、将来的には原子力発電に依存しないエネルギー政策が望ましいと考えます。

一方、原子力に替わるべきエネルギーの普及には課題が多いことも事実であります。

こうした認識から、原子力発電への依存を徐々に少なくし、卒業していける「卒原発」という考え方を、表明したところです。

エネルギー政策の今後のあり方については、基本的には国がエネルギー構造の転換に向けた政策の方向性を明らかにすべきものですが、今後のエネルギー政策を考えるとき、地域特性に応じた再生可能エネルギーの導入を図っていくことは、大きな柱となっていくものと考えられます。

こうした観点などから、山形県として、新たなエネルギー戦略の策定に取り組んでいるところでありますが、エネルギー政策推進のための緊急の取組みとして、今般、県内における再生可能エネルギー導入の適地に係る調査などを補正予算に計上いたしたところであります。

今後、こうした具体的な取組みを積極的に進めるとともに、来年度以降、新たなエネルギー戦略に基づく施策の本格的な展開を図ってまいります。

次に、海外との経済交流の拡大に向けた取組みについて申し上げます。

本県の中国ハルビン事務所の開設に向けて、これまで黒龍江省政府に設立申請の手続きを進めてまいりましたが、商務庁からの「批准証」の交付を経て、去る7日に工商行政管理局から「登記証」をいただき、事務手続きが完了いたしました。

今後は、事務所のオープンに向けた諸準備を進め、10月25日に開設セレモニーを開催する予定としております。

まずは、国際経済戦略等で示された経済交流の拡大に向けて、幅広い活動を展開してまいります。

去る8月17日から20日まで、台湾の主要な航空会社等を訪問し、改めて本県の安全性と観光の魅力をPRし、引き続き本県へのチャーター便の運航を働きかけてまいりました。その中で、中華航空が来年1月中旬から6往復12便を計画するなど、前向きなお話をいただいてきたところです。

また、今月中旬からは台湾のマスコミや旅行エージェント各社による県内視察を開催し、記事掲載や旅行商品の造成につなげるとともに、国際的な旅行博への出展など現地でのプロモーション活動を展開し、多くの台湾の方々に本県を訪れていただけるように取り組んでまいります。

海外との経済交流を進める上で、また本県経済の活性化を図る上からも、酒田港の充実強化は重要な課題であります。

現在、日本海側拠点港の形成に向けた計画書を国土交通省に提出しており、この秋にも選定結果が示される見通しでありますが、震災時における港湾物流の課題や、航路拡充によるコンテナの安定的な増加傾向等を踏まえ、酒田港における荷役(にやく)機能の中核となるガントリークレーンの増設と、貨物保管のための上屋の整備に着手いたします。

あわせて、酒田市や物流関係の民間事業者の方々と共に協議を行い、物流の集約のための環境整備を進め、酒田港の物流機能の強化を官民一体となって図ってまいります。

こうした点を積極的にアピールしながら、酒田港の利用拡大をより積極的に進めてまいります。

次に、景気雇用・円高対策について申し上げます。

県内の雇用情勢につきましては、7月の有効求人倍率が0.63倍と、3ヶ月連続で同水準となり、引き続き低水準にあります。

また、歴史的な円高が続く中で、輸出関連企業を中心に、今後大きな影響が懸念される状況にあります。

こうした状況を踏まえ、9月補正予算において、雇用基金を活用した事業の拡充に加え、県内企業における雇用を維持するための雇用維持緊急助成金制度を創設したほか、緊急円高対応資金の創設などによる金融の円滑化支援、さらには、災害に対応するための県単独事業の追加を柱とする景気雇用・円高緊急対策を講じることといたしました。

今後とも産業界をはじめとする県内各界の意見を伺いながら、国の施策動向を注視しつつ、機動的な対応を講じてまいります。

次に、救急医療体制の整備について申し上げます。

広域的な救急医療体制の構築を図る上で重要な役割を果たすドクターヘリの整備につきましては、来年度に予定していたヘリポートの実施設計を前倒しで進めるとともに、ヘリコプターの運航業者を決定するために必要な債務負担行為の設定を、9月補正予算に計上いたしました。

今後、搭乗医師・看護師の確保、搬送先医療機関をはじめとする関係機関との協議や、ヘリポートや格納庫などの整備を鋭意進め、できる限り早期の就航実現に努めてまいります。

次に、東北芸術工科大学の法人統合計画への対応について申し上げます。

東北芸術工科大学は、平成4年、山形県と山形市が大学の創設経費を負担し、学校法人が運営する全国初の公設民営の大学として開学しました。その後約20年が経過し、県内各地において学生の積極的な活動が顕著となるなど、県民の大学として定着しております。

現在、東北芸術工科大学を運営する学校法人東北芸術工科大学と、姉妹校である京都造形芸術大学を運営する学校法人瓜生山(うりゅうやま)学園の統合の動きが進められております。

この動きが、県民の大学としてさらに発展していくべきという県民の願いに叶うものになっているのか、明確にしていただく必要があります。

また県・市からの補助金によって整備された資産は、山形の地における東北芸術工科大学の運営にのみ使われ続ける必要がありますので、どのような方法でこの点を担保するのかについても、明確にしていただかねばなりません。

今後、山形市と共に、具体的に大学側の説明を受けるとともに、県民をはじめ学生、保護者等広く関係者の理解に基づいた形で、東北芸術工科大学が引き続き県民の大学として運営されるよう求めてまいります。

次に、「平成24年度県政運営の基本的考え方」について申し上げます。

来年度の予算編成や組織機構等の検討に先立ち、このたび「平成24年度県政運営の基本的考え方」の案をお示しいたしました。

平成24年度は、未曾有の被害をもたらした東日本大震災、また、前例を見ない急激な円高など現下の経済情勢等を踏まえ、人と人との絆、地域の連携、資源の循環など「つながり」を視点に施策を展開し、第3次山形県総合発展計画の実現に向けた歩みを着実に進め、東北全体を俯瞰した復興、日本の再生について、本県としての役割を果たしてまいりたいと考えております。

東日本大震災を踏まえた課題や現下の経済情勢に鑑み、喫緊の課題として、災害に強い地域づくりを推進するとともに、地域の活力や県民の暮らしに直結する産業振興・雇用創出に取り組んでまいります。

また、人材育成を基本に据えながら、安全・安心な暮らしと活力ある産業の実現に向け、「医療・福祉・子育て支援等の充実」、「地域産業の振興・活性化」、「農林水産業の再生」を進めるともに、暮らしや産業を支える基盤の形成に向け、「教育・人づくりの推進」、「県土環境の保全・創造・活用」に取り組みます。

今後、この案について、県民の皆様、県議会の皆様から、広く御意見をいただき、それらを十分に踏まえたうえで、「平成24年度県政運営の基本的考え方」を策定し、来年度の予算編成等に臨んでまいります。

【議案の概要】

次に、このたび御審議いただきます議案の概要について御説明申し上げます。

提案いたしました議案は、平成23年度一般会計補正予算など、51件であります。

まず、一般会計補正予算について申し上げます。

今回の補正予算は、震災や急激な円高など、本県を取り巻く社会経済状況の変化に的確に対応するため、景気雇用・円高対策を講じるとともに、エネルギー政策推進のための緊急の取組み、東日本大震災への対応など、緊急的な課題について補正を行うものであります。

第1に、「景気雇用・円高対策」であります。

まず、県内企業における雇用を維持するため、国の雇用調整助成金等の支給を受ける企業に対し、休業手当の一部を助成する雇用維持緊急助成金を創設いたします。

加えて、県内雇用の確保に向け、雇用基金を活用した雇用創出事業を追加実施いたします。

また、円高により影響を受けている県内企業を支援するため、緊急円高対応資金を創設するとともに、新たにワンストップ相談会を実施するなど経営相談体制を充実するほか、販路拡大のための全国規模の展示商談会への出展を支援いたします。

加えて豪雨等による災害への対応として、自然災害の拡大を防止する県単独事業を追加いたします。

また、本県産業の活性化に重要な役割を果たす酒田港の利用拡大・機能強化を図るため、ガントリークレーン及び上屋増設のための実施設計等を行います。

第2に、「エネルギー政策推進のための緊急の取組み」であります。

東日本大震災後における喫緊の課題である電力不足への対応策を講じるとともに、「再生可能エネルギーの地域導入」、「代替エネルギーへの転換」、「省エネルギーの推進」を3つの柱とし、これらを推進するための緊急の取組みを実施するものです。

まず、「再生可能エネルギーの地域導入」については、地域における再生可能エネルギーを活用したモデルの構築に向け、事業化に向けた可能性調査を実施するとともに、県内における風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの活用適地調査を実施し、再生可能エネルギーの利活用につなげてまいります。

あわせて、県有施設への、太陽光発電など再生可能エネルギーの導入の検討を進めます。

「代替エネルギーへの転換」に向けては、一定規模以上の自家発電装置を稼動する製造業の方々に対し、燃料費の一部について緊急支援を行うほか、液化天然ガスの活用可能性の検討を行います。

「省エネルギーの推進」については、電力不足が懸念される冬期における節電県民運動を引き続き実施するとともに、省エネの取組み体制を強化してまいります。

第3に、東日本大震災への対応であります。

まず、県民生活・県内経済の安定確保に向け、肉用牛、稲わら、米など県産農畜産物等の放射性物質検査体制を強化するとともに、畜産にとって欠くことのできない稲わらの県内自給体制の確立に向け、緊急の支援策を講じてまいります。

あわせて、震災に伴う観光客の落ち込みにより、大きな影響を受けている県内観光の復興に向け、「温泉と食を活かした観光元気プロジェクト」を実施いたします。

これらに加え、安心こども基金を活用した保育所などの子育て支援施設の整備に引き続き取り組むほか、地域医療再生基金の追加申請を踏まえて、その積立て予算を措置いたします。

この結果、今回の一般会計補正予算総額は、93億1,800万円となり、今年度の累計予算額は、6,270億8,500万円となります。

なお、現在国において検討が進められている第三次補正予算につきましては、県内の景気・雇用状況に鑑み、本県への配分額等、その詳細が明らかになり次第、適切に対応してまいります。

次に、予算以外の議案の主なものについて、御説明申し上げます。

山形県県税条例の一部を改正する条例の制定については、地方税法の一部改正に伴い、自動車取得税等について東日本大震災における原子力発電所の事故による災害に係る特例措置を講ずるとともに、法人等の県民税の法人税割の税率の特例措置の適用期限を延長する等のためのものであります。

山形県立自然公園条例等の一部を改正する条例の設定については、県立自然公園の特別地域等における行為規制を追加する等のためのものであります。

山形県スポーツ推進審議会条例の設定については、スポーツの推進に関する重要事項を調査審議する山形県スポーツ推進審議会を設置するためのものであります。

山形県教育委員会委員の任命については、提案の者を適任と認め、御同意をお願いするものであります。

以上が、今回提案いたしました議案の概要でありますが、内容の詳細につきましては、議事の進行に従いまして、関係部課長より御説明申し上げますので、よろしく御審議のうえ、御可決くださいますようお願いいたします。

なお、平成22年度一般会計及び公債管理特別会計など10特別会計、並びに電気事業会計など6公営企業会計の決算につきましては、監査委員の審査意見書を付し、今会期中に提出いたしますので、よろしく御審議のうえ、御認定くださいますようお願いいたします。


 

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