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2月定例会 (2010年2月19日)

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県議会2月定例会 知事説明要旨

(2010年2月19日)

【はじめに】

平成22年県議会2月定例会の開会に当たり、一言申し上げます。

現在、カナダのバンクーバーで開催されております、冬季オリンピック男子スピードスケート500メートルにおいて、加藤条治選手が、見事、銅メダルに輝きました。本県出身選手の冬季オリンピックでのメダル獲得は史上初めての快挙であり、本県スポーツ界に残る輝かしい栄光の軌跡、歴史となるとともに県民に大きな勇気と感動を与えてくれました。心から祝福し、加藤選手の今後の益々の活躍を期待したいと思います。

さて、今回、提案いたしました議案の説明に先立ち、私の県政運営に関する所信の一端を申し上げます。そして、県議会議員各位、並びに県民の皆様の深い御理解と御協力を賜りますようお願いいたします。

【本県を取り巻く情勢】

一昨年秋の、米国を震源とした金融危機は、瞬く間に全世界を覆い尽くし、我が国の産業、経済、そして国民の暮らしにも深刻な影響を及ぼしました。この経済情勢の悪化がもたらす閉塞感の漂う中、日米両国において歴史的な政権交代がなされるなど、この一年は、国内外の経済や政治を巡る情勢に大きな変動が見られました。

〈国際情勢〉

顧みれば、平成21年は、冷戦の象徴であった「ベルリンの壁」が崩壊し、東西の分断が終焉して20周年の年でありました。確かに、形としてのベルリンの壁はなくなったものの、今もって経済の格差や人々の心の中の見えない壁が存在し、分断は今もなお続いているといわれております。

中東情勢に目を向ければ、その和平の実現に向け、幾多の努力と歳月が重ねられてきましたが、対話の糸口も見えないまま、分断は続いております。

また、中国をはじめアジア諸国においては、米国や日本など先進国の経済が低迷する中、金融危機を先んじて乗り越え、世界経済の牽引役として、経済は堅調に回復し、さらに力強い成長を続けております。

一方、今後の地球温暖化防止に向けた国際的な取組みについて、各国の合意を目指した、気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)では、目標を共有しながらも、合意に至ることが叶わず、厳然として存在する経済水準の格差が深い溝となり、先進国と途上国とを分断していることを、改めて意識させられました。

こうした国際社会における政治や経済の分断、途絶は、不信や悲しみを生み、それは、怒りや憎しみとなり、さらなる分断と途絶を惹き起こすものであります。先進国に名を連ねる我が国にとってもこうした認識に立って、国際的な役割、貢献に積極的に取り組まなければならない立場にあることを痛感するところです。

〈国内情勢〉

国内に目を転ずれば、我が国の経済は、最悪期を脱し、生産の回復に伴い、景気持ち直しの兆しも見られるものの、自律性に乏しく、雇用情勢が回復するまでには至っておりません。今後は、海外経済の改善など好材料もある反面、海外経済の下振れ懸念、デフレの影響など景気の下押し要因も見受けられ、とりわけ地方では依然として厳しい情勢の続くことが危惧されます。

働くことに関しても、正規や非正規という雇用形態による分断が生まれ、「ワーキングプア」の言葉に象徴されるように、格差が拡大し固定化することが懸念されます。

雇用の不安とともに、物の値段が下がり、生産者の利益や従業員の給与が下がり、それがさらなる物価の下落や雇用の悪化につながるような、マイナスがマイナスを生み続ける「負の連鎖」が憂慮されます。

こうした経済情勢のみならず、国と地方の関係においても、国による義務付け・枠付けなど一律的、画一的な制度や運用は、地域の現場に即した創意工夫の発想や行動を殺ぐばかりか、国への依存体質を助長し、さらなる一律的、画一的な制度、運用を生んできました。今後は、このような負の連鎖と訣別し、新たな関係を築き上げなければなりません。

〈分断、途絶、負の連鎖との訣別〉

国内外において、今そこにある分断や途絶を乗り越え、負の連鎖を断ち切らなければなりません。

折しも、4年に1度の冬の祭典、冬季オリンピックが開催されております。オリンピックは、世界中のアスリート達が、言葉や文化、そして政治の壁を越えて集い、スポーツを通じ、全世界の人々に夢と感動をもたらす世界最大のイベントの一つであります。

このオリンピックのシンボルは五輪のマークです。これは、世界五大陸を表し、五つの重なり合う輪は、相互の結合と連帯、平和の希求を意味するものです。

平和の祭典ともいわれるオリンピックの年、今年こそ、国内外の分断、途絶を乗り越え、負の連鎖を断ち切る、始まりの年となることを切に願うものであります。

そのためには、貧困や苦悩を抱えている人々をはじめ、地域で様々な課題を抱える人々やその現場と対話し、心を通い合わせることが大切です。対話を通じ、心を開き、通い合わせながら、さらに対話を積み上げていかなければなりません。

対話を重ね、それぞれの思いをつなぎ、一つの行動へと紡ぎ、先ず一歩を踏み出すことです。多くの人々へ思いを広げ、一人ひとりの行動をつなぎ、一人の一歩から、より多くの人々の一歩へ、そして大きな歩みへと紡ぎ上げ、前に進むことです。

【県政運営の基本的な考え方】

このような考えに立ち、これからの県政運営の基本的考え方について申し上げます。

直面する最も重要で緊急な課題は、景気・雇用対策であります。生産面での回復傾向の持続や政策関連支出による下支えなどから「持ち直しつつある」と見られる経済動向の中にあっても、今後、景気を下押しするリスクも考えられるところです。その動向を注視しつつ、県民の雇用と暮らしを守るため、引き続き、切れ目のない対策を講じてまいります。

昨年来、足下の厳しい経済情勢への対応として、県民の暮らしを支える雇用の場の創出のため、「雇用創出1万人プラン」を策定し、各般の雇用対策に積極的に取り組んでまいりました。市町村とともに全庁を挙げた対策の前倒し実施に取り組んだ結果、昨年12月にはプランの目標を達成したところですが、雇用情勢は依然として厳しい状況で推移しております。

こうした状況等を踏まえ、去る15日に、新たな雇用対策として、向こう2カ年間で2万人の雇用創出を目指す、「雇用安心プロジェクト」を決定しました。

今後は、このプロジェクトに掲げる対策に基づき、臨時的な雇用機会を提供するとともに安定的な就業の場の創出、離職者の生活安定等を図るための総合的な取組みとして展開してまいります。雇用創出と表裏一体となる産業振興はもとより、農商工連携による総合産業化等を推進することにより、安定雇用に向けた道筋を、国、市町村、産業界等とも連携し、確かなものとしてまいります。

私は、この喫緊の取組みも含め、昨年2月の知事就任以来、「心の通う温かい県政」の推進を基本姿勢として、市町村や現場との対話を重視し、県民の生命と生活を守ることを最優先に、その主体性や意欲を引き出しながら諸施策を展開し、活力溢れる山形県の実現に向け、全身全霊を捧げてまいりました。

平成22年度は、さらに前へと歩みを進める年であり、国内はもとより、広く世界に向け、ここ山形から次なる一歩を踏み出す年にしてまいります。

一人ひとりが自らの枠や殻を越え、それぞれの思いをつなぎ、行動に変え、その行動の輪を広げ、連携と協働によって新しい地域社会をかたちづくってまいります。

そして、対話と連携により、分断や負の連鎖から脱却し、一人ひとりが輝き、その輝きが多くの光輝となり、希望へとつながる、輝きと希望の好循環を生み出してまいります。

本定例会で御審議いただく「第3次山形県総合発展計画」は、このような考えを実現するための政策展開方向を打ち出したものであります。

「緑と心が豊かに奏であい 一人ひとりが輝く山形」を基本目標に据え、県民や市町村をはじめ現場との対話を重視し、連携と協働を進め、本県の有する森や田園など緑溢れる自然と、これまで培ってきた知恵や技、伝統や文化など、私たちの心との望ましい関わり合いを大事にしながら、未来を拓く新たな可能性を県民皆で創り出していくことを目指します。

そして、ふるさとを大切にし、誇りに思う心や、人と人との絆をもとに、県民一人ひとりが自分らしさを発揮し、活き活きと輝く山形県を創り上げることに全力を尽くします。

このため、本県の歴史や風土が育み、今日に継承されている山形らしさをもとに、未来を担う次世代や生命の源となる食や農、価値を生み出す知恵、知識、技術、そして人と人との絆などを、本県発展の源泉と位置付け、県民の皆様とともに「生み」・「育て」・「活かす」ことを基本に、すべての政策を展開してまいります。

計画の実現に向け、県議会はじめ県民の皆様と、手を携えて県づくりを進めてまいりたいと考えております。

【今後の政策の展開方向】

次に、今後の政策の展開方向について申し上げます。

これからの県づくりにおいては、先に申し上げた総合発展計画の基本的な考え方を踏まえ、「暮らし」、「産業・経済」、「地域社会」の三つの柱に沿って政策を展開し、次世代を担う人材など将来の発展の源泉を絶えず創出していく、県勢発展の好循環を確立してまいります。

一つ目の柱は、「安心が根づき、楽しさや充実感のある『暮らし』の実現」です。

具体的には、人口減少が加速すると見込まれる中で、未来を担う子どもの健やかな成長を中心に据え、子育て、子育ちにかかるライフステージに合わせた、総合的な少子化対策を推進するとともに、若者の県内への定着と回帰を促進し、人口減少の抑制に取り組んでまいります。

また、学校におけるきめ細かな教育の推進など、郷土への誇りを醸成し、県民一人ひとりの能力が高まる教育や人づくりを推進します。

さらに、保健・医療・福祉提供体制の充実強化など、県民の安全で安心できる暮らしを支える公的基盤を確立してまいります。

二つ目は、「地域資源と多様な絆をもとに固有の価値を生み、安定的に発展し続ける『産業・経済』の実現」です。

具体的には、豊かな自然環境を活かし、これまでの本県の農林水産業の取組みを土台として、生産力を高め、日本の食を支える「食料供給県山形」を確立するとともに、販売力の強化や総合産業化の促進に取り組んでまいります。

また、ものづくりに関する技術基盤など、本県の強みを活かした産業集積を形成し、東アジアをはじめ成長する海外市場をも視野に入れた、世界に広がる「ものづくり山形」を構築します。

さらに、魅力ある歴史や文化をはじめ、地域の総合力の発揮により「観光・交流山形」を確立してまいります。

そして三つ目は、「豊かで質の高い暮らしや活力ある産業を支え続ける『地域社会』の実現」です。

具体的には、あらゆる施策に地球温暖化防止の視点を入れながら、環境負荷の少ない暮らし方や地域システムの構築による「環境先進地山形」の形成を進めてまいります。

また、全国的、広域的視点や地域の実情を踏まえ、交通ネットワークなど必要な社会資本を着実に整備することはもとより、その維持管理、利活用など、機能強化や長寿命化を推進します。

さらに、過疎地域や中山間地域におけるコミュニティ機能の再生、強化など、地域の特色を活かし、質的な豊かさを享受できる生活圏の形成を進めてまいります。

今年度は、ただ今申し上げた新たな総合発展計画の策定作業をはじめ、これからの施策の方向付けを行った年と考えております。今後は、こうした考え方に基づき、各般の施策を具体的に進めていく時期となります。

こうした施策推進に対応できる組織体制を整備するため、本庁組織の改編が必要と判断し、関係条例を御提案しております。

〈地域主権時代に対応した行財政改革の推進〉

これからの県づくりに当たっては、国への依存体質から脱却し、地域の創意工夫と創造力を活かし、自らの地域のことは自らの意思で決めるという、地域主権を確立しなければなりません。

また、県民が真に必要とする行政サービスの確保や、将来の県勢発展の基となる政策の実現のため、財政健全化を不断の取組みとしなければなりません。

私は、こうした決意で、既にお示しした指針案に対する様々な御意見を踏まえ、新たな行財政改革の指針を策定し、一層の行財政改革に取り組み、県民参加・協働による県づくりを進め、自主性・自立性の高い県政運営を実現してまいります。

以上、今後10年先を見据えた県政運営の考え方と政策の展開方向について申し上げましたが、私たちは、先ず初めの一歩を踏み出さなければなりません。そして、多くの人々と連携し、より大きな歩みとして、前に進むことです。その積重ねこそが、進歩であり、発展であります。先人、先達はこうした歩みを積み重ね、過去から現在へと時代を連ねてまいりました。

これからは、私たちが、地域のことは地域が決めるとの信念を持ち、自らの意思と責任において、現在から未来へと時をつないでいかなければなりません。

私は、このような一念で県政運営に専心してまいります。

【平成22年度当初予算を取り巻く環境】

次に、このたび提案いたしました平成22年度予算を御説明申し上げます。

国の平成22年度予算は、「コンクリートから人へ」、「新しい公共」、「未来への責任」、「地域主権」、「経済成長と財政規律の両立」、この五つの基本理念の下で、国民の暮らしの豊かさに力点を置いた経済・社会に転換していくとの観点から、子育て、雇用、環境、科学・技術に特に重点をおいた予算編成が行われました。

また、緊急経済対策を踏まえた平成21年度第2次補正予算と平成22年度予算を一体として切れ目なく執行することにより、景気が再び落ち込むことを回避し、着実に回復させるとともに、将来の安定的な成長につながる予算とされたところです。

地方財政については、個人所得の大幅な減少や企業収益の急激な悪化等により、地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入が引き続き落ち込む一方、社会保障関係経費の自然増や公債費が高い水準で推移すること等により、財源不足が過去最大の規模に拡大するものと見込まれました。

こうした厳しい状況の下、新政権においては、「地域のことは地域で決める」という地域主権の確立に向けた制度改革に取り組むとともに、地域に必要なサービスを確実に提供できるよう、地方財政の所要の財源を確保することで、住民生活の安心と安全を守り、地域経済を支え、地域の活力を回復させていくこととされました。

このような方針に沿って、「地域主権改革」の第一歩として地方がその使途を自主的に判断できる財源を増やし、地方公共団体が地方のニーズに適切に応えられるようにするため、地方の自主財源の充実、強化を図ることとし、地方交付税総額を前年度より1.1兆円増額することなどを柱とする地方財政対策が講じられたところです。

【平成22年度当初予算案等】

このような環境の下で、平成22年度予算を編成いたしました。

歳入面では、自主財源の柱である県税について、今年度の法人関係税を中心とする減額補正に引き続き、22年度においても大幅な減収の見込みを余儀なくされたところです。

一方、一般財源の大宗を占める地方交付税及び臨時財政対策債はこのたびの地方財政対策により、いずれも増額が見込まれ、一般財源の総額も前年度を上回る額が確保できる見通しとなったものの、依然として財源不足額が生ずる厳しい状況を脱しておりません。

こうした財源環境下で、持続可能な財政運営の確保を目指すとともに、「第3次山形県総合発展計画 短期アクションプラン」の力強い発進となるよう、「県政運営の基本的考え方」に基づく施策への重点配分を行い、新しい活力溢れる山形県づくりを進める予算編成に取り組んだところです。

その概要について申し上げます。

第一に、「いのちと暮らしを支える医療・福祉・子育て支援等の充実」であります。

子育て支援については、県民総ぐるみで子育てを支援する「山形みんなで子育て応援団」の活動を推進するほか、結婚を社会全体で応援する気運醸成とサポート体制を充実するための取組みを引き続き展開してまいります。

また、認可外保育施設の乳児や待機児童等の受入れに対する助成を拡充するとともに、待機児童の解消に向け、「安心こども基金」を活用した保育所整備を積極的に推進し、受入定員を大幅に拡充するなど、多様な保育サービスの充実を図ります。

医療については、新たに設置する「地域医療再生臨時特例基金」を活用し、医師確保対策の充実や救急医療機関の整備、地域医療情報ネットワークの構築や新生児用ドクターカーの導入を行うなど、県民の安心確保につなげてまいります。

福祉については、特別養護老人ホーム等の施設整備を図るなど介護サービス基盤の充実に取り組むとともに、発達障がい児及びその保護者に対する身近な地域での支援体制を構築してまいります。

また、児童養護施設の施設整備に対する助成を行うとともに、施設退所後の自立を支援するための機能の充実に併せて取り組みます。

第二に、「暮らしを支え地域活力を生み出す地域産業の振興・活性化」であります。

県産品の総合ブランド化を進めるとともに、観光を含めた情報の発信強化など、県産品の販売拡大に向けた戦略的取組みを推進します。

ものづくり分野では、新たな段階を迎えた有機エレクトロニクスの取組みについて、山形大学と連携しながら研究を進めるとともに、製品出荷等の事業化に向けた支援を行います。さらに自動車関連工場の隣県への進出が相次ぐ中、自動車関連産業の県内への集積にも一層取り組んでまいります。

また、グローバルな視点に立ち、県産品輸出や観光誘客を推進するため、酒田港における貨物取扱量拡大に向けた支援の拡充や、東アジアや極東ロシアをターゲットとした市場開拓に取り組むほか、現地コーディネーターの活用や新たな広告宣伝の展開などによりアジア諸国からの誘客を図ります。

第三に、「農林水産業の再生」であります。

農林水産業を起点とした産出額3,000億円を目指し、「農林水産業元気再生戦略」に沿った生産振興をはじめ、加工、流通、販売の各分野における施策を重点的に進めてまいります。

まず、本年は、「つや姫」の本格デビューの年であります。昨年の先行販売で明らかとなった課題等をきちんと整理したうえでブランド化戦略を打ち立て、関係者一丸となって強力に展開いたします。

また、意欲的な取組みを行う農林漁業者等に対する自由度の高いオーダーメイド型支援を大幅に拡充するほか、活力ある園芸産地を創出するため、市町村のより積極的な支援を促す新たな仕組みの助成制度を構築し、園芸の産出額拡大を図ります。

畜産については、新たな担い手や規模を拡大する畜産農家への施設・設備整備に対する支援を充実するほか、「やまがた地鶏」の産地形成を推進します。

また、林業関係については、県産認証材「やまがたの木」の普及・利用促進を図るため、県産材使用住宅の建築に対する助成制度を創設するほか、ナラ枯れ被害対策を強化します。

耕地及び林務関係の公共事業については、国の大幅な見直しにより大きく減少しますが、今年度2月補正への前倒しや基金の活用などにより事業量の確保に努めたところです。

第四に、「未来の礎となる教育・人づくりの充実」であります。

まず、少人数学級編制については、平成23年度における中学校での完全実施に向けて、22年度は中学校2学年まで拡大します。

国の政策による県立高校の授業料不徴収に対応するほか、県立学校の施設整備については、酒田新高等学校(仮称)及び酒田特別支援学校(仮称)の校舎整備等を着実に進めるとともに、加茂水産高等学校の実習船「鳥海丸」の代船を建造します。

また、私立高校に対する一般補助金については、多様な人材を育むその重要性に鑑み、将来的には補助率を標準運営費の50パーセントにすることを見据え、現行の44パーセントから45.5パーセントに引き上げます。

さらに、私立高校生等の世帯に対して、公立高校の授業料相当額を就学支援金により助成するとともに、低所得世帯に対しては、県単独で新たな授業料軽減のための助成制度を設け、家計負担の一層の軽減を図ります。

第五に、「良好で機能的な県土環境の保全・創造・活用」であります。

太陽光発電装置の導入や次世代省エネ基準を満たす県産材使用住宅の建築費に対する助成制度を創設するほか、住民と協働した海岸漂着物対策や不法投棄廃棄物のパトロールの強化、回収、処分を進めるなど、市町村への助成も含め、「地球温暖化対策等推進基金」を活用した環境対策を積極的に推進します。

また、国の公共事業予算が大幅に減少したことに伴い、土木公共事業は大きく減少しますが、県単独事業の確保や今年度2月補正予算への前倒しによる事業量確保に努め、橋梁等の長寿命化対策を計画的に進めるほか、高速交通網へのアクセス道路や都市計画道路の整備、河川の浸水被害防止対策等を着実に進めます。

さらに、中心市街地の再開発に対する新たな助成制度を創設します。

以上が、「県政運営の基本的考え方」に沿った施策の概要でありますが、先ほども申し上げましたとおり、当面する最も重要かつ緊急な課題は、景気・雇用対策であります。

現下の厳しい危機的な経済情勢からの脱却を目指し、国の2次補正予算も積極的に活用し、平成21年度2月補正予算と平成22年度当初予算とを合わせて切れ目のない一体的な対策を講ずることとしました。

「地域活性化・きめ細かな臨時交付金」等を活用した公共事業をはじめ、雇用基金を活用した雇用創出の取組みや中小企業の資金繰り対策など、その全体規模は816億円であります。

今後、最大限の効果が発揮できるよう、速やかな執行に努めてまいります。

これら施策の推進のため、所要の予算額を計上した結果、平成22年度の一般会計当初予算は、6,003億3,400万円となり、前年度の経済危機対策を除いた6月補正後予算(5,808億1,500万円)に対して、3.4パーセントの増加となりました。

また、今回の予算編成と同時に「山形県財政の中期展望」を策定いたしました。

今後を展望いたしますと、依然として多額の財源不足が生ずる厳しい財政状況が見込まれますが、歳入、歳出両面からの対策を講じながら、今年度設定した目標である「臨時財政対策債と補正予算債を除いた県債残高の減少」を確実に達成しつつ、財政の健全化を図ってまいります。

次に、平成21年度2月補正予算について御説明申し上げます。

今回の補正の主なものは、国の2次補正への積極的な対応を中心とした景気・雇用対策関連予算の追加計上でありますが、災害復旧及び災害関連事業費等の執行実績による減額と合わせますと、一般会計の2月補正予算総額は、89億6,600万円の減額となりました。

また、予算以外の案件につきましては、「山形県子育て基本条例」の設定や「山形県部等設置条例の一部を改正する条例」の制定などの条例案件に加え、「第3次山形県総合発展計画」の策定等について、併せて御提案申し上げております。

議案の詳細につきましては、議事の進行に従いまして、関係部課長より御説明申し上げますので、よろしく御審議のうえ、御可決くださいますようお願いいたします。


 

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