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2月定例会 (2009年2月20日)

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県議会2月定例会 知事説明要旨

(2009年2月20日)

はじめに

平成21年2月県議会定例会の開会に当たり、提案いたしました議案の説明に先立ち、私の県政運営に関する所信の一端を申し上げます。そして、県議会議員各位、並びに県民の皆様の深い御理解と御協力を賜りますようお願いいたします。

はじめに、齋藤前知事におかれましては、4年間の責務を全うし、県勢発展に貢献されました。その御労苦には、敬意を表し、今後の御健勝と御活躍をお祈り申し上げます。

私は、この度の知事選挙において、県民の皆様の真に重みのある御支持をいただき、知事として県政執行の重責を担うこととなりました。県民の皆様の熱い期待に想いをいたせば、負託された責務の重さに、改めて身の引き締まる思いであります。

また、私は、政治や行政運営においては新人でありますが、山形を良くしたいとの気持ちは誰にも負けません。だからこそ、それを私の強みと信じます。そして、119万県民の英知と活力を結集し、県民の皆様と一丸となって、山形県の発展のために全力を尽くす決意であります。

本県を取り巻く情勢

昨年来、国内外に渦巻く激動の荒波は、かつて経験したことのない激しさで、経済、社会、生活を大きく揺さぶり動かしています。

米国発の金融危機の影響は、恐るべき速さと広がりで世界を覆い尽くし、世界同時不況の深刻な事態をもたらしました。我が国でも、自動車や電機など主力の輸出産業が急激な業績悪化に陥り、雇用、消費への痛手も日毎に増しております。

これに伴い、各地では大規模な雇用調整が進むなど、地域経済も極めて厳しい局面を迎えています。本県経済も例外ではなく、雇用不安の解消や中小企業対策など、重大な危機感を持って、この状況を打開していかなければなりません。

また、国の構造改革により、経済、社会の効率化が進んだ一方、医療、福祉、雇用などの面で様々な課題が生じたことにも、しっかりと目を向けなければなりません。日々の暮らしの安全・安心や信頼が大きく損なわれるような事件、事故も相次いでおります。今般の経済危機への対応とも相俟って、生活を守る強固なセーフティネットを、早々に整えることが必要です。

さらに、国全体の人口が将来的に減少する流れの中で、本県人口は、国に先行して減少を続けており、近年は、減少の度合いも拡大する傾向にあります。人口は、地域活力を端的に表す指標であり、これから固い決意を持って、人口減少対策に取り組む必要があります。

このように、これまで営々と築き上げてきた経済、社会、生活を支える土台が崩れ去ろうとし、深く大きな不安に覆われているといっても過言ではありません。

県政運営の基本的考え方

私は、今、こうした厳しい時代だからこそ、ここで暮らし続けたいという県民の願いを何よりも大切にし、県民の生命と生活を守ることを最優先に、県民が真に必要とする政策を県民の手元にきちんと届けてまいります。

そして、県民や市町村、現場の主体性とやる気を引き出し、それぞれの力を最大限に発揮できる施策を展開することにより、赤ちゃんから長寿の方まで生き生きと暮らしていける、活力ある山形県づくりを強く推し進めてまいります。

私は、このような姿勢で、県民の皆様とともに、「心の通う温かい県政」をかたちづくり、「活力溢れる山形」を実現することに全力を尽くしてまいります。

この基本的な考え方について申し上げます。

当面する最も重要かつ緊急な課題は、景気・雇用対策であります。現下の急速な県内経済の悪化と雇用不安を最小限に止め、県民の雇用、生活を守るための対策を早急に実施します。

17日には、早速、山形県緊急雇用対策本部会議を開き、「山形県雇用創出1万人プラン」を策定しました。今後は、プランに基づき、雇用基金を活用した事業はもとより、様々な取組みを速やかに進め、また、国、市町村等とも連携して、雇用創出に全力を挙げてまいります。

この喫緊の取組みも含め、「心の通う温かい県政」、「活力溢れる山形」を実現するため、対話を重ね、現場を重視する県政運営を進めてまいります。

第一は、県民を優先する県政です。

県政の基本は、何よりも県民の幸せ、利益の実現にあるという原点に立ち返り、常に「県民」と目の高さを同じく保ち、県政を運営してまいります。

予算の制約が高じる中、県民を基点として、歳出のムダを徹底して廃し、その成果を子育て、教育、医療、福祉、県内産業など、県民の皆様が真に必要とする分野に還元します。そして、メリハリのある予算編成に努め、県民優先の財政運営を行います。

また、県内産業が発展して、県内で税を納めていただき、それが行政サービスの向上に結び付き、山形県全体の活力が維持、増進されていく、という好循環の創出が重要です。

県内の企業や生産者が作り出した産品、サービスについて、県民、県内企業、行政などによる利活用を促します。その効果が県内産業に還流し、さらに発展につながるような、県民優先の産業経済活性化を進めます。

県民が山形で暮らし続けるためには、十分で安定的な雇用の場の確保が基本的条件となります。とりわけ、将来を担う若者が生き生きと働き、山形に定着できるよう、良質な雇用の受け皿となる産業の創出を重点的に進めます。

第二は、現場の力を活かす県政です。

活力溢れる山形づくりは、県民が生き生きと働き、暮らす元気な現場から始まります。現場の力を最大限に活かせるよう、現場の声を十分に聞き、現場の求めに柔軟に応じられる政策、制度を講じてまいります。

現場を担い、活力溢れる山形を支える基本は「人」であり、教育は、本県の未来を拓く「人」への投資であります。積み重ねられてきた、教育を大切にする本県の歴史と風土を顧みて、人材育成、教育県やまがたの復活への取組みを積極的に進めます。

本県は、良質な農産物を供給する有数の農業県として、農業とともに発展の道を歩んできましたが、今、農業現場は多くの課題に直面しております。生産者のやる気が出る現場重視の支援を基本に、農業発展の新たな可能性を拓く政策を総動員して、農業県やまがたの再生を進めます。

現場を担う県民の皆様が、安心して働き、それぞれの力を最大限に発揮できるよう、暮らしのセーフティネットづくりに万全を期してまいります。また、山形の将来を担う人材を確保するためにも、子育て支援などの少子化対策に全力を挙げて取り組みます。

第三は、市町村、地域の声を大切にする県政です。

「県民」や「現場」と直接向き合い、第一線となって地域の住民と接するのは、市町村であります。県は、市町村の声を大切に、市町村が必要とする政策を考え、実施し、市町村の立場に立って、市町村の特色や裁量を活かした取組みを後押ししてまいります。

また、活力溢れる山形をつくるためには、それぞれの地域が自らの特性を活かし、自主的に地域づくりを進めることも必要です。地域の声を大切にして、それぞれの地域が求める発展の実現を支援してまいります。

今後の施策の方向

次に、今後の施策の方向について、主なものを御説明申し上げます。

私は、新しい活力溢れる山形づくりを進めるに当たり、特に、「産業」、「農業」、「医療、福祉、子育て」、そして「教育」の4つの分野において、重点的に取り組んでまいります。

一つ目は、「県内産業の振興、活性化」です。

まず、県内産業育成のため、地産地消を第一義に考えます。県内の企業やNPOなどの育成に向け、県の様々な取組みにおいて、県が率先して、県産品の活用や、これら企業等が提供するサービスの利用を進めます。また、地域企業等と連携して実施できる身近な公共事業の充実や、地域における社会資本の有効活用を促す観点から、交通、物流の要衝である酒田港の利用拡大と戦略的活用などを進めます。

次に、産業の創出であります。企業立地補助制度の大幅な充実や、立地企業の求めに応じた人材確保のための研修の実施など、県独自の積極的な企業誘致策を進めます。また、今後の需要が見込まれる、健康・福祉ビジネスの創出や映画産業、環境産業の振興、これまで研究開発を進めてきた次世代技術の実用化など、新たな事業や産業の積極的な育成に取り組みます。

そして、観光振興であります。観光は、地域の力そのものであり、歴史、文化、自然、食、人など、本県には魅力ある地域の資源が満ち満ちています。また、農業や商工業など他分野と連関し、大きな経済波及効果をもたらす「総合産業」であり、国内外から多くの方々を誘い、呼び込むことにより、交流が拡大し、地域活力の再生に力を発揮します。地域資源をさらに見直し、磨き上げ、産業活性化につなげてまいります。

これらを通じて、新しい雇用の場を創出するとともに、特に若者の県内定着に結び付く、新規学卒者、Uターン希望者への就職、起業支援を進めます。

二つ目は、「農業の再生」です。

まず、事業の実施方法は、農業の現場、生産者が求める支援を強化するため、「オーダーメイド方式」の支援に転換してまいります。

次に、国内外の新たな市場を開拓し、県産農産物の販路を拡大してまいります。学校給食における利用拡大など、地産地消を促進するとともに、飼料用米や米粉など、新たな米利用の拡大に向けた取組みを支援します。農産物の輸出促進のための戦略を強化するとともに、山形ブランドの確立に向けて、各種メディアや企業などと効果的にタイアップし、宣伝広報活動を強化します。

さらに、エコ農業の推進、地域の特色ある在来作物の保存、伝承及び活用、グリーンツーリズムの推進など、地域の伝統に根差した「食と農」を守り、育み、伝える「スローフード先進県」を目指す取組みを進めます。

三つ目は、「医療、福祉、子育て支援の充実」です。

まず、医療の充実であります。地域の核となる県立病院など自治体病院の機能強化や医師確保対策の充実、医療機関と福祉・介護サービスなどとの緊密なネットワーク化などにより、県民が安心できる地域医療体制を確立してまいります。

次に、福祉の充実であります。福祉施設や介護サービス分野での人材育成、確保策を強化し、質の高い福祉サービスを提供します。また、誰もが斉(ひと)しく雇用の機会を得られるよう、再就職支援や高齢者、障がい者の就業支援を充実します。生活保護世帯の方々への、中学生の修学旅行支度援助費を創設します。公共交通機能の強化やコンパクトシティによるまちづくりなど、暮らしやすい地域づくりに取り組みます。

そして、子育て支援の充実であります。子育て家庭の経済的負担軽減のための医療費助成制度の拡充や保育サービスの充実、子育てを社会全体で見守る仕組みづくりなど、子育ての不安や悩みを解消するための支援策を実施してまいります。これらを、一体的かつ横断的に進めるための新たな組織体制として、「子ども政策室」を設置し、積極的に取り組みます。

四つ目は、「教育の振興」です。

まず、全国に先駆けて本県が導入した少人数学級について、中学2年生は21年度に一部実施し、その後、中学3年生まで段階的に拡充してまいります。喫緊の課題である小・中学校の耐震化については着実かつ早急に進めてまいります。

また、県立学校における特色ある教育を推進するとともに、私立学校への支援の拡充や特別支援学校等の機能強化などを通じ、公立と私立、学校の種類にかかわらず、本県教育を支える学校の運営基盤や機能などの充実に努めます。県民の学習、文化、スポーツ活動の振興など、生涯学習の充実にも取り組みます。

以上、今後4年間を展望した、施策の方向の主なものについて申し上げました。これら施策を進めるに際しては、施策を的確かつ迅速に実施できる組織体制を効率良く整えてまいります。

また、県民、現場、市町村の意見を適切に反映した予算編成、健全性を保ちながらも弾力的な財政運営、オーダーメイド型の支援への転換、歳出の徹底した見直しと第三者による客観的な検証など、新しい県政運営のための仕組みづくりを講じてまいります。

最後に、二点申し上げたいことがあります。

まず、新しいアンテナショップのあり方について申し上げます。

これまで、幾度も協議を重ね、県民の皆様、県内の事業者の方々に、広くメリットが還元できるよう、機能の見直し、強化が可能かということを整理してまいりました。

その結果、一つは山形の食文化など様々な角度から山形を知っていただくこと、二つには山形の産品を広く買っていただくこと、三つ目は新アンテナショップへの来訪を契機として多くの方々から山形に来ていただくこと、この三つの視点で機能強化を図れば、県内へのメリットが広がるものと整理したところです。

加えて、これまでの間、開店しないまま、長期にわたり、多額の家賃を支払ってきたことについては、大変遺憾でありますが、県産品を心待ちにしておられる山形ファンの皆様や、開店まで何カ月も、出品をお待ちいただいている事業者がいらっしゃることも考えなければなりません。

こうした事情を総合的に勘案し、機能の見直し、強化を図ったうえでの事業継続の判断をいたしました。

次に、副知事の定数については、本県の財政規模、現下の財政状況に鑑みて、一人にすべきと考えております。根拠となる副知事定数条例の改正は、県議会の皆様の御意見を拝聴しながら、今定例会も含め、できるだけ早期に提案できるよう検討してまいります。

平成21年度当初予算を取り巻く環境

次に、このたび提案いたしました平成21年度予算を御説明申し上げます。

まず、予算を取り巻く環境についてです。

国の平成21年度予算編成方針では、財政健全化に向けた基本的方向性を維持しつつ、世界の経済金融情勢の変化を受け、国民生活と日本経済を守るべく、状況に応じて果敢な対応を機動的、かつ弾力的に行うとされております。そしてその方針の下、「生活者の暮らしの安心」、「金融・経済の安定強化」及び「地方の底力の発揮」に施策を集中し、予算の重点配分がなされました。

また、地方財政については、景気後退等に伴う地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入の急激な落込みなどにより、10兆円を超える財源不足が生じると見込まれました。このような中、極めて厳しい財政運営を強いられている地方の切実な声や、地方六団体の要望を踏まえ、安定的な財政運営に必要な地方交付税及び一般財源の総額を確保することを基本として、平成21年度地方財政対策が講じられたところです。

平成21年度当初予算等

このような環境の下での平成21年度予算編成となりましたが、知事就任直後という事情もあり、いわゆる骨格予算として編成しました。

その内容は、義務的・経常的・継続的な経費を中心としており、新規施策や投資的経費などの政策判断を必要とするものについては、さらに時間をかけて検討することとしました。

しかしながら、骨格予算とはいえ、先ほども申し上げましたように、現在の厳しい経済情勢、雇用情勢を踏まえ、景気・雇用対策には十分配慮し、平成20年度補正予算と合わせ、所要の予算を計上したところです。

歳入面では、景気後退により、自主財源の柱である県税について、前年度当初予算に比べ、210億円の大幅な減収が見込まれます。これは、地方譲与税、地方交付税及び臨時財政対策債によってもカバーしきれない厳しい状況となっております。

このため財源対策として、活用可能な県債の発行、特別会計資金の有効活用などを行ったうえで、なお不足する額については、調整基金の取崩しによって対応することといたしました。

この結果、平成21年度一般会計当初予算は、5,589億1,300万円となりました。

なお、今後講ずべき新規施策や今回計上を見送った投資的経費については、景気動向等に留意しながら、十分検討を深めたうえで、補正予算で対応してまいりたいと考えております。

次に、平成20年度補正予算について、御説明申し上げます。

今回の補正の主なものは、国の二次補正への積極的な対応を中心とした、景気・雇用対策関連予算などの追加計上です。公共事業等の追加、地域活性化・生活対策臨時交付金の活用、ふるさと雇用再生特別基金等、各種基金の設置費など、その金額は、227億9,639万余円です。

この結果、今年度の執行実績等による減額と合わせ、一般会計の2月補正予算総額は、26億4,500万円の追加となりました。

当面の景気・雇用に関する緊急対策等

次に、当面の景気・雇用に関する緊急対策について、御説明申し上げます。

この度の予算では、平成20年度補正予算で99億円、平成21年度当初予算で101億円の合わせて200億円、さらには企業の資金繰り対策500億円を加え、合計700億円の対策を実施し、景気浮揚と雇用創出を図ってまいります。

その対策の第一は、「農林水産業の振興」です。

農業者の「やる気」に応えるとともに、食料基地として、また、食文化、観光交流の源にもなる、多様で力強い「農林水産業」の再生を目指し、米、果樹の生産基盤の整備、維持、さらには担い手育成など、33億円の対策を実施します。

第二は、「安全・安心の確保」です。

「福祉」、「教育」、「雇用」の分野での環境整備や人材確保を行うなど、雇用の創出を図り、セーフティネット機能を充実させてまいります。

また、道路、橋梁、河川の緊急的な補修等、災害防止のための身近な公共事業を積極的に実施するなど、125億円の対策を実施します。

第三は、「地域活力の増進」です。

観光資源を活用した交流に必要な基盤の整備、海外からの観光客への対応、スポーツを通した交流の促進、あるいは地域の独自性を活かした地域づくりへの支援など、42億円の対策を実施します。

第四は、「企業の資金繰り対策」です。

本県産業を支える中小企業の方々の資金繰りが滞ることのないよう、今年度既に200億円に拡大した経営安定資金の融資枠をさらに200億円拡大し、400億円といたします。そして、21年度についても同様に400億円の融資枠を設定するとともに、償還条件の緩和等を行います。

以上が、当面の景気・雇用に関する緊急対策の概要でありますが、今後、最大限の効果が発揮できるよう、速やかな執行に努めてまいります。

次に、予算以外の主な案件について、御説明申し上げます。

各種基金の設置条例の制定をはじめ、私の任期に係る退職手当を支給しないこととするための、「特別職の職員に対する退職手当支給条例の一部を改正する条例」の制定や、私をはじめとする特別職の給与の削減を4月以降も継続するための、「知事等及び職員の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例」の制定などの条例案件に加え、費用負担案件等についても、併せて御提案申し上げております。

議案の詳細につきましては、議事の進行に従いまして、関係部課長より説明申し上げますので、よろしく御審議のうえ、御可決くださいますようお願いいたします。


 

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